「四季君大丈夫?」
開いたドアから出てきた、馨さんは黒い艶のある髪をオールバックにしていて整った顔が増してカッコよく見える。
「馨さん…めっちゃカッコいい」
先刻までの緊張はどこへ行ったのやら、じっとフロックコートを着ている並木度をマジマジと見つめる。
四季の視線に居た堪れなくなった並木度はスッと目を逸らして、耳まで赤く染める。
「馨さんの耳真っ赤じゃん!」
「どしたの??」
「四季君…そんなマジマジ見ないで、恥ずかしいから…」
偵察部隊副隊長で、隊長の如く表情をあまり変えずにいつもにこやかに(真澄隊長みたいにわっるい顔じゃなくて!)笑ってるのを見ていた四季には見慣れない。
「えっ、何で!カッケェよ!!」
「うん…ありがとう四季君、四季君もかわ…かっこいいよ」
普段かき上げていないからこそ、そんなにじっと見られると多少なりとも恥ずかしさが出てくる。しかも見ているのが自分の恋人だとすれば尚のことだろう。
ついついいつもの癖で可愛いと言ってしまいそうだったものの、それを言うと四季君は照れつつも膨れっ面になってしまうのでカッコいいと言い直す。
膨れっ面になっている四季君も可愛いけれど、今の四季君は緊張もあるだろうし…と照れながらも考える頭は冴えている。
「…ねぇ四季君」
「ん?何馨さん??」
赤い顔を少し冷ましたところで椅子に座っている四季に並木度は頬に触れながら尋ねる。並木度の珍しい姿を見れたことで嬉々として並木度の顔を見る。
「…本当に俺で良かった?」
並木度は眉を下げて真っ直ぐに四季を見てくる。どこか不安そうに、悲しげな顔をして。
「ほら無蛇野さんとか、隊長もいるじゃん?花魁坂さんだって」
「四季君はいろんな人に愛されてるからさ…」
何だ、そんな事か。四季は目の前の優しい人には随分と心配性のようだ。
全く…
「俺が、馨さんが良かったの!」
「確かにムダ先はカッケェし、つえーよ!チャラ先も真澄隊長もな!」
「でも…俺は馨さんが良かった、馨さんじゃなきゃダメなんだ」
落ち込んでいるような顔をしている馨さんの両頬を手で挟んで俺だけを見させる。
「馨さんは、俺ん中でいっちゃんカッコいい人間」
そう言って笑ってくれた四季君は、英雄でもなく、鬼神でもない。ただの並木度の恋人としての笑い方で、優しく笑った。
『これほどまでの、幸せがあるだろうか』
これで一旦止めますけど、他リクエストがあったら聞きますので!
ありましたら、『誰々との書いて!!』とお好きにコメントしてくださいな〜
今回は洋風の教会の結婚式だけだったけど和式も書きたいな…って思う…
思うだけだけど…
コメント
5件
いろんな人たちとの結婚ばーじょん書いてくれてありがとうございます!!一つ一つの物語が良きすぎですね👍️(*´∀`) 和式も観てみたいです!✨️