「おい、四季大丈夫か?」
「やっ、やおろし〜」
開いたかった!と言わんばかりに抱きついてくる四季。ベールに包まれているから、はっきりと顔はわからないけれど下げられた眉を見れば相当緊張していたことがよくわかった。
「矢颪つっても、四季お前も矢颪になるんだろ」
勢いよく立ったことで少し乱れたドレスの裾をしゃがみ込みながら整えながら、恥じらうこともせずにそう言った。
「いっ、イケメンかよ!」
「じゃあ…碇?」
首をコテリと傾げて笑った。
「…そーだな」
「そっか〜碇か…」
噛み締めるように再度呟いて、幸せそうに笑う四季。纏う雰囲気も、下げられた眉も優しさがあった。
「四季手よこせ」
い何で?と思いつつも四季が差し出した手を矢颪は絡め取り、薬指をゆっくり撫でた。
そして軽く唇で触れた。
一瞬のことに顔が赤くなっていく四季、口からは言葉にならない単語がこぼれ落ちている。
「口にしたら子供できるからな!」
「…碇…」
まだそう思っていたのか…と碇を見て軽く笑った。四季は真っ直ぐ手を伸ばして碇をギュッと抱き締めた。
「俺は、碇の子供ならいつでも出来て良いからな」
四季の胸に窒息しかけながら降ってきた声に矢颪は短く息を吐いた。
あの頃では考えることが出来なかった。羅刹で一緒に居た四季と、俺を連れ戻そうと必死になってくれたやつと、俺の先を行ってて誰彼構わず助けに行こうとするお人好しと…結婚するなんて思いもしなかった。
「っつーか、碇」
「んだよ」
「キスだけで子供は出来ねぇぞ」
急に顔を上げて驚いた顔をして…いや実際に驚いている。
「マジか」
「うん、まじ」
2人して何かがおかしくて、面白くて笑みが溢れた。
『これが幸せと呼ぶのか』
pixivの方でいただいた矢颪君と四季ちゃんの結婚式!
コメント
5件
ピュアッッッピュアな矢颪とかわいい四季のコンビ最高!(>ω<) 幸せ〜👍️✨️