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前回のあらすじ☆
いつも通り学校に行って帰って来たら母さんが倒れて病院に☆そしてよく笑う伯父さんとの遭遇☆一人ぼっちの家☆僕、どうなっちゃうの〜〜!?
と、珍しい一人だけの家に謎にテンションを上げている。あらすじ内容、とても笑えない。
何やってんだ僕は、と頭を掻く。
あらすじを考えて喋っている間にほぼ全てが終わった。普段は寝る前に母さんと喋っている。ので、暇だ。テレビでも見ようか。いい番組あるかな。
好きな番組があったのでそれを見ることにした。終わる時間が遅めなのだが、まあ今日くらいいいだろう。
そこからしばらくテレビを見た。見終わったあともゲームをしたりスマホを見たりしていた。
あ、まずい。結構遅い時間になってしまった。寝よう。おやすみなさい。
目が 覚めた。時刻はいつも通り____あれ。9時半だ。いつもだったら休みの日も6時半とか遅くても8時には起きてるのに。
昨日は叱る人がいないからとちょっと夜ふかししちゃったかな、なんて考える。スマホを見ると伯父さんから『今日昼には仕事終わるから3時くらいにそっちに行く』と連絡が入っていた。
伯父さんが来るまでまだたっぷり時間があるので、とりあえずご飯を食べることに____
うわ。寝癖が酷い。………僕はまず、寝癖を直すところから始めないといけないらしい。
きっと僕の髪は僕のことが嫌いだ。水で濡らして乾かしたり、スプレーかけたり、ヘアオイル塗ったりしても全然直らない。この反社どもめ。
そんなこんなで、今日の寝癖には特に奮闘せざるを得なかった。よく頑張った、僕。
時計を見ると、わぉ。1時間経っている。寝癖を直すのに必死すぎて気付かなかったけど、腹も鳴るくらいに減っている。
昨日と同じことを言うようだが、やはり自分のためにご飯用意するのは面倒だ。
お、メロンパンある。ラッキー
棚にあったメロンパンを勝手に開けて食べる。
きっと母さんのなんだろうけど、どうせ消費期限は今日なので、母さんが帰ってくる頃には食べられないだろうしいいだろう。
伯父さんが迎えに来ると言っていたので、先に服を着替えて、宿題をしておこう。面倒ごとは極力先に済ませたい。
着替えて、宿題して、ゲームをする。すべて終わってからのゲームはなんて快適なんだ。最高。
そうこうしているうちに昼だ。なんか食べよう。
………朝ご飯から昼ご飯までが早くないですか?
まあいい。また適当に棚にあるものを引っ張り出して食べる。
食べ終わったころ、ゲームを再開しようとしたらインターホンがなった。きっと伯父さんだろう。
一応違う人かもしれないのでインターホンを確認する。あれ、伯父さんじゃなかった。
「はい」
「こんにちは、突然すみません。」
「なんですか?」
誰だよ、この人。
「神様って、信じますか?」
あ、あ〜〜〜〜。宗教勧誘か。
「………ゎ……が………す」
「はい?」
「私が神です。お引き取りお願い致します。」
「うわ……」
相手がドン引いたのを確認してインターホンをぶつっと切る。
結構マジな感じで『私が神だ』と伝えると相手がドン引きして勝手に帰っていくので、気に入って使っている。
全く、僕のゲームタイムを邪魔しやがって。
僕はゲームを再開した。
30分くらい経っただろうか。再度インターホンがなった。今度こそ伯父さんだろう。
やはり違う人ではいけないので1度インターホンを確認する。今度はちゃんと伯父さんだ。
「はーい、ちょっと待ってね」
ゲームとテレビの電源を落として、部屋の電気を消して、スマホを持って家を出る。すると、スーツ姿の伯父さんが立っていた。
「よぉ、蒼斗。行こうか。」
車に乗る。やはり、特に話題がないので静かだ。前みたいに、伯父さんが一方的にでも喋り続け欲しいとも思うくらいの静かさだけど、僕だったら自分が喋り続けるなんて到底できっこないのでその考えはそっと心の中にしまっておく。そもそも、会話は無理強いするものでもない。
静かだなぁ、と外をぼんやり見ていると
「着いたぞー、生きてるか?」
なんて伯父さんが言って、車を停める。
「生きてるよ、」
僕を勝手に殺さないでいただきたい。
車から降りるとスタスタと歩き出す。
「先行って待ってるね」
「おう、病室覚えてんのか?」
「うん」
「迷子になんないようにな!」
「大丈夫!」
そう言って伯父さんを追い抜き、母さんのいる病室まで行く。
「母さん」
「おっ、おはよう蒼斗」
「あ、声… 」
「そ、出るようになったの!大分カスカスだけどね!」
どうやら声が出るようになったようで、いつもより声量もないし掠れまくりの声だけど、確かに母さんの声だ。
「私さー、相当やばいらしいわ。お医者さんに言われた。」
だから…と母さんがベッドの脇に置いてある鞄から何かを取り出す。
…なんだ、これ。星型の…え??
「これ、あげる。お守りね!髪飾りなんだけど、別に付けても付けなくてもいいから!母さん死ぬかも知んないから、渡しておこうと思って。」
まあ私はまだまだ生きてやるつもりだけどな!っと勝ち気ないつもの笑顔で言う。
死ぬなんて、なんて縁起の悪いことを言ってるんだ、この人は。
「…とか思ったんだろ?」
「………なんでわかるの??」
「そりゃぁ、顔に書いてあるからだよ。表情は変わんないけど、母さんにはお見通しさっ!」
やや芝居をかけたような感じで話す。
やっぱり、母さんは賑やかだなぁ。
「遥香ー、来たぞ〜〜」
ガラガラガラ、と扉が開いて伯父さんが現れる。
「あ、兄さん」
「おま、っ、声、くっそガラガラじゃん、」
伯父さんは爆笑している。そんなに面白いかなぁ。まあ価値観は人それぞれだし、伯父さんにとっては面白い……のかな?
それからは帰る時間まで母さんや伯父さんと色んな話をした。特に伯父さんの話が面白かった。
「じゃ、またあし……明日は来れないんだっけか」
「ん?」
「明日はここの病院、休みなんだよ。だから明日は来れない。」
何やらここの病院は土日こそ開いているが祝日は休みのようただ。そして明日は祝日で、病院が開いていない…と。
「そっか。じゃあ、次は明後日?」
「うわ〜〜〜マジか!暇じゃん、看護師さんにちょっかいかけよ!」
「もう、人に迷惑かけないでよね、」
「冗談だって、全くわかんないやつだなぁ蒼斗ちゃんは!」
はっはっは、と大笑いする母さん。
はぁ、とため息をついてドアに手をかける。
「じゃあ、また月曜日。」
あの元気な母さんが死んだりするわけない、と若干感じている不安を消し去る意味でも、にこりと笑ってみせた。