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特別版【抱えていた恐怖】
もしも目の前で、沢山の命が消えたら?
もしも目の前で、大切な人を傷つけられたら?
オレは……どうしていた….?
✄— —✄
「….すぅ…….すぅ…」
マコトを救い出して1週間が経った。
でも…それでも、マコトの目が覚めない。
暴走していた影響なのかもしれないが、こんなに長く眠ることはなかった。
暴走が止まったのは良かったが、身体はツノが無くなっただけで、髪の色はまだ銀髪のままだ。
(早く…1度でもいいから起きてよ…っ)
そう、何度も何度も願いながら、今日もマコトの手を握る。
——-❁ ❁ ❁——-
2週間経っても、マコトは目覚めることはなかった。
どうして目覚めないんだろうか。
オレは何をしたらいいのか。
そういう疑問を持ちながら、マコトのシーツを強く握った。
マコトのことが心配で、夜は全く眠れないことがほとんどだ。そのせいか、みんなにまで心配をかけてしまう。
「ケイト、大丈夫か?ちゃんと寝れてるか?」
「あはは、大丈夫だよ〜。んも〜トレイくんは心配性だな〜w」
こうやって、またうまく誤魔化す。
本当は大丈夫じゃない。マコトのことが心配で心配で仕方ないんだよ。
(なんてこと…みんなには言えないよ…)
——-❁ ❁ ❁————–❁ ❁ ❁——-
「………..」
3日後。
朝。
晴れ☀
目覚めた。
まだ目覚めたばかりだからか、目が霞んで周りがよく見えない。だが、自分の身体の変化はわかる。なぜ髪が銀髪になっているのだろうか。
(私、何してたんだっけ…?)
少しずつ思い出してきた。
(そうだ……私また….みんなを困らせちゃった…)
みんなに申し訳ないと思ったその時、突然、ガチャっとドアが開く音がした。
(?誰…?)
霞んでいた目をよくこらして見る。
見慣れた橙色の髪。
トランプのダイヤマークのフェイスペイント。
間違いない。ケイトだ。最近眠れていなかったのか、目の下にクマができている。
「……..え?」
ケイトが珍しくポカンとした顔をする。そんなに驚くことなのだろうか。
私は一体どれ程眠っていたのだろうか。
ちょっと不安ながらも、私はケイトに声をかける。
「えっと…….ケイト…?」
「……..はぁ〜…」
ケイトは安心したのか、安堵のため息をもらし、その場でしゃがみこんだ。
私はベッドから降りようと思ったが、やめた。
何せまだ起きたばかりだし。
すぐにフラつくかもしれない。
でも一応、これだけは言いたい。
「えっと…..その……た、ただいま…。」
「うん。……おかえり…!」
3日経ち、私はすぐ元気になった。だけど、髪の色は毛先が黒くなっているだけで、元に戻ることはなかった。
(ま、痣が保っているよりはマシか…。)
もし痣が保っていたら、
みんなは…どうしていたのだろうか。
気持ち悪いと思われるのだろうか。
ってダメダメ! と自分に言い聞かせながら、頭を振った。
(こんな調子じゃ、また暴走するかもしれないじゃんか!!)
そうやっていろいろと考えながら、空を見ていた。
雲一つない快晴で、小鳥の鳴き声がよく聞こえる。
「今日も平和だな…」
——-❁ ❁ ❁——-
(……..あれ?)
ベンチに腰掛けている彼女は、雲一つない青空を、目を細めて眺めている。
「マコト。」
「!!」
マコトの表情が一気に明るくなった。
いつものマコト。元気なマコトだった。
「マコト、身体はもう大丈夫そ?」
「うん!私は平気。ケイトこそ大丈夫?疲れてない?ちゃんと寝れてる?」
「ちょ、質問多いよ〜w」
「だって心配なんだもん!」
オレは、マコトがいつも通りに表情が豊かでホッとした。
それに気づいたのか、マコトは微笑んだ。
「え、何笑ってんの?w」
「ん〜?なんでもないよ〜。」
「え〜何それ〜w」
何かを隠すように話をはぐらかす。
そういう、いつも通りの会話が安心する。
その時だった。
「……ありがとね。あの時、私を止めてくれて。」
「え…?」
感謝の言葉が聞こえた。
それは安心したような、悲しそうな声だった。
「私ね、自分のことが嫌いなんだ。」
マコトは何かを我慢するように語り出した。
「嫌いというか…怖いと思ってる。半分鬼だから、いつ暴走するかわかんないし、いつ人を殺すかわからない。そんな自分が…..怖い…。」
「………」
オレは、黙って聞くことしかできなかった。
「もしあの時、ケイトが私を呼びかけても暴走が治まらなかったら?本当の鬼になっちゃったら?」
マコトは震えた声で言った。
「っ……」
「そんな、悪い想像ばっかりして…その想像が本当になっちゃったらって思うと…..怖いの…っ」
すごく怖いの と涙を流しながら言った。
体は震え、スカートが涙で濡れていく。
(オレも辛いけど、1番辛いのは…..マコトなんだ…)
マコトは優しくて、誰よりも優しくて、
自分の命より他人の命を大切に思う強い意思を持っている。
でも、自分は人間じゃないから、みんなとは違うからとそう言って、自分の心を不安で傷つけてしまう。
不安で不安で、仕方ないのだろう。
オレは経験したことはないが、マコトは、どれだけの人が目の前で失ったことか。
どれだけの人を助けられなかったのか。
オレにはわからない。だけど
もしも目の前で、沢山の命が消えたら?
もしも目の前で、大切な人を傷つけられたら?
オレは……自分の命を捨てていたかもしれない。
「……でもね」
マコトは息をのみ、ベンチから立ち上がり、こう言った。
「私は、この世界が好き。この世界のみんなのことが好き。」
そして、オレの方を見やり、
「!!」
あの時、告白した時よりも、声は明るかった。
「あと、そんな自分が好きだと思ってる。」
「マコト…」
この世界に来て、マコトの心は少し変わったのかもしれない。
元の世界のマコトのことは知らないけど、そんな気がした。
「私をここまで変えてくれたのは、ケイトなんだよ。本当にありがとう。」
マコトは涙目になりながらもう一度、感謝の気持ちをオレに伝えた。
その時、オレは決意した。
END
【あとがき】
どうも主のマコトです!『真琴誘拐事件』を最後までお読みくださりありがとうございます。こちらの特別版は、pixivの創作小説を読んで参考にした小説となっております。
自信作です!(笑)
ちなみに、私が読んだpixivの創作小説はプロセカのやつです。
なかなか面白くて最高な展開でもう
な感じでした!(←語彙力皆無)作品名は言いませんが、とにかく面白かったです!私もいつか、あんな展開を書いてみたい…!!
ま、どーでもいい話はさておき、
ここで宣伝します!
チャットノベルストーリー
〜あらすじ〜
鬼殺隊のお仕事から帰った真琴、 元の世界で縁日が開かれると知り、 大正時代へ!!
縁日を楽しんでいる時…
「あら?もしかして、 真琴さんですか?」
まさかの展開に…!?
お楽しみに!
それではまたいつかばいばいハニー!