「涼ちゃーん、明日の夜って空いてる?」
仕事の合間、2人きりになった瞬間を見計らって後ろからぎゅっと抱きしめそう聞く。
「空いてるよ〜どしたの?」
回した手に涼ちゃんの手が重なる。
「少し早いけど···2人きりで涼ちゃんのお誕生日会しよ?俺の家に泊まりに来てよ」
「えっ!いいの?嬉しい〜!」
純粋に喜んでくれる涼ちゃんが可愛い。恋人になって初めての誕生日。
純粋にお祝いしたい気持ちとあわよくば更に深い関係になれたら、と邪な考えの俺は少し複雑な気持ちになる。
それでも2人で顔を見合わせて笑えばこの世界がいつもより幸せなものに感じるのだから、それもまたいいやと思えるのだ。
準備や仕事に追われていると約束の夜はあっという間で、涼ちゃんと一緒に仕事から帰宅して俺達はルームウェアに着替えて2人きりのパーティーを始めることにした。
「じゃーん、ケーキでーす!涼ちゃんお誕生日おめでとう!」
この日のために選んだフルーツたっぷりのケーキにロウソクをさして部屋を暗くする。バースデーソングを歌うと涼ちゃんが息を吹きかけてフッと消えて、電気をつけるとなぜか涼ちゃんの瞳は潤んでいた。
「涼ちゃん?泣いてるの···? 」
「嬉しくて···3人でも、スタッフさんたちとお祝いしてくれるのも毎年嬉しかったけど···元貴に2人きりでお祝いしてくれるのが···めちゃくちゃ嬉しくて···」
そう言って笑う涼ちゃんの笑顔はとっても綺麗でなんだか俺まで泣きそうになる。
「これからは毎年、こうやって2人でお祝いしようね」
小さな箱を机に置いて、そっと涼ちゃんの方へ寄せる。
「···ベタだけど、やっぱりプレゼントしたいのはこれかなって。開けてみて」
箱を開けて、涼ちゃんの瞳はますます強く潤んだ気がした。
俺が選んだのはプラチナのシンプルな指輪で、内側には赤と黄色の宝石が埋め込まれている。
涼ちゃんの手を取り、指輪を薬指に嵌める。
「ぴったり···」
「良かった。実は······お揃いなんだ」
自分の手を出すと、同じデザインの指輪がそこには光っている。
「普段はなかなかつけられないかもしれないけどさ、やっぱり、渡しておきたかった」
「ありがと·····嬉しすぎて···。こんなに幸せでいいのかな···」
「俺も幸せだよ」
涼ちゃんを抱きしめてキスをする。カットしてあげたケーキを食べた涼ちゃんは、また幸せそうに笑った。
楽しい時間は本当にあっという間だ。
「そろそろ寝なきゃ、だね···お風呂先に入る?」
「僕、元貴の次でいいから···先にどうぞ」
シャワーを済ませて寝室に向かう。この日のために準備したものは目立たないところに隠シておいた。
「お待たせ···」
涼ちゃんとベッドに並んで座ると一緒に寝るのなんてもう何回も経験してるのに初めてみたいにドキドキしてしまう。そっと抱きしめると、涼ちゃんがピクッと震えて、緊張してるのは一緒なのかなって少し安心する。
「涼ちゃんのこと大好き···だから、嫌だったら無理にしようなんて思わないから、そう言って欲しいんだけど···俺は涼ちゃんを抱きたい」
静かな部屋にドクドクと鼓動が聞こえそうなくらい大きく鳴る。
「嫌なわけないよ···僕も元貴とそういうこと、したかった···」
絡めてきたその手にはお揃いの指輪があって、胸が高鳴る。
そっと押し倒して服を脱がせながら唇だけじゃなく耳元や首筋にキスをしていく。
「ん···、ふぁ···ッ」
その白い胸元のピンクの突起に触れて、そっと指先で刺激を与える。
俺が与える刺激に素直に反応している涼ちゃんの姿に興奮した。
その突起を舐める頃には涼ちゃんは抑えきれないというように、口を手で抑える。
「ンッ、ぁ、んンッ、んぅ···ッ」
下に手を伸ばすとそこはもう先端がとろりとしていて、指先で撫でてやると身体が、ビクビクと震えた。
「ンッ、元貴···う、後ろも···触って欲しいの···僕、準備したから···」
準備って、もしかして···。
そこに、手をやると後ろからもとろりとしたものが溢れてそこは熱く、想像より柔らかい。
「···僕だって、元貴とずっとひとつになりたくて···けど、こんなにおっきいのは入れたことないから···優しくして」
涼ちゃんが服の上から俺のを撫でるだけでその刺激、言葉、表情に興奮してしまいゾクリとする。
「ありがとう···優しくするから···俺を受け入れて、涼架」
服を脱いで避妊具をつけてローションを手に取り、柔らかなそこへ指をゆっくりと挿れる。
「ぁッ···ん···」
指を増やして充分に解れたところでそっと自分のをあてがい、ゆっくりと挿れる。
「〜ッ、くっ···」
少し苦しそうな涼ちゃんにキスをして力が抜けたところで更に奥を目指す。
「全部···はいったよ」
「ぁ、っ···ん、嬉しい···ね、元貴、うごいて、いいよ···ッ」
中がきゅっと締め付けられる。
緩く動かして涼ちゃんの気持ちいいところを探る。あるポイントで涼ちゃんが声を上げる。そこを押すようにぐりぐりと責めながら、おおきくなったものを手で撫でる。
「ァッ、、や、やだ、一緒にしちゃだめ、、、んンッ!はぁッ、んんっ!」
可愛い声が部屋に響き、一層、中は俺のを締め付ける。頭が真っ白になり、ひたすら腰を動かす。
「ゃッ、ぃ、いいのっ、もとき、もときぃ···ッ」
ハァハァと息をしながら喘ぐ涼ちゃんの腰を掴んで抜けそうになるギリギリまで抜いたものをぐっと押し込む。
もう、限界だ···。
「涼ちゃん、涼ちゃん···ッ、クッ···」
「もとき、ァッ、イッ···いっちゃ···ンッ、んンッ!」
お互いに名前を呼びながら絶頂を迎える。しばらく2人、喋ることもできずに息を整えていた。
綺麗にしたあと、涼ちゃんに腕枕をしながら俺達は指輪をした手を並べて掲げ、ひとつになった実感とお揃いの指輪をつけている喜びを噛み締めていた。
「涼ちゃん、俺とずっと一緒にいてね。来年もその次も···」
「うん···僕ずっと元貴と一緒にいるから···ずっとこうして僕を好きでいてね···大好き 」
そう言って涼ちゃんはすっと眠りについた。
誰よりも先に誕生日をお祝いして指輪を贈る、独占欲剥き出しの俺が涼ちゃんを手放すことなんてない。
あとはその大好きを永遠に貰い続けられるように涼ちゃんに愛を伝え続けるだけだ。
「涼架、お誕生日おめでとう···来年も俺が一番にお祝いするからね。愛してる」
涼ちゃんお誕生日おめでとう作品 ということで。
若井さん編もありますので良かったらそちらもお読みくださいませ!
祝うタイミング、プレゼント···なんだか間逆なタイプの2人になりました。
コメント
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💛ちゃんバースデーに素敵なお話ありがとうございます🥹💕