テラーノベル
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人というものは慣れればそれが当たり前だと思うようになる。それが今の”私”だ。
「あ゛〜残業疲れだ〜。」
そう言いながら夜中の道を歩くのはの”私”、井上圭だ。今年で28歳になり、今日でTSしてから10年目だ。なぜTSしたかだって?私も分からん。ただ、唯一言えるのはTSしてからちょー大変だったと言う事だ。学校には行けないわ、自分が自分じゃないようで違和感しかないわ、挙げ句の果てには病院に行ったら知らない人に連れて行かれて知らない施設で2年くらい収容されたのだ。その間色々な実験のようなことをされてもう限界だったのだが、その頃TSした男女が世界中ででてき始め、私はそういう病気だと断定され、釈放された。やっと家に帰れると思って家に帰ったら、そこには何もなかった。近所の人に聞くと2年前にそそくさと引っ越していったらしい。近所の人曰く、「自分の息子が別人になって病院から帰って来ないから、息子じゃない何かが帰ってくる前に引越す。」と言っていたらしい。ひどい親だこと。親も探したかったが今は自分の生活をどうにかしようと思い、自分が収容された施設の人から口止め料でもらったお金を資金にアパートを借り、戸籍変更をしたり保険証を発行してもらったり仕事を探したりした。皮肉な事に施設からの口止め料で結構な額もらってしたのでここら辺は困らなかった。…まぁ仕事は学歴がないからアットホームな雰囲気な職場(w)に就職することしか出来なかったのだが…
「…も〜ちょっといい会社に就職したら良かったかな〜。」
まぁ私のような何もない人も拾ってくれた今の会社には感謝していますが、もうちょっと改革してほしいよねーみたいな。
そんな事を思いながら空を見上げる。田舎の夜中なこともあって星が綺麗に見えた。無限に広がる世界を見ていると自分が経験した大変なことも、ちっぽけなことのように思えて心が少し楽になる。
「あ、流れ星。」
空を見上げていると流れ星が流れてきた。
そういえば流れ星に願うと願いが叶うという逸話があったな。最近仕事も落ち着いてきたしこんな歳でも恋愛がしてみたいと思っていたので願ってみる。
「いい出会いがありますように。」
…まあ願ったところで自分が動かないと出会いというものはないのだろうがね。
そんな茶番をしながら歩いてそろそろ家に着くというところで、電灯の下で座って俯いて泣いている人がいた。身なり的には女子高生あたりだろうか、シクシクとなく声が夜中の暗い道に埋まる。…何かあったのだろうか、何かなければこんなところで泣かないか。
…こういうのって声かけた方がいいのかな、でもただ親と喧嘩してちょっと家出してるだけかもしれないし、あーでもこんな時間だから変な人に連れて行かれたらダメだよなぁ、あ!でも私も変な人か、迷惑かけてもいけないしスルーでいいか。そう自分の中で完結させてその子を通り過ぎる。…通り過ぎ、あーもう!
「大丈夫?何かあった?」
声を掛けてしまった…あーほら変な目で見られてるよ〜泣
「…なんでもないですほっといて下さい。」
そう言って少女はまた俯く。
あ、ほっといていいんだ〜。じゃあ遠慮なく家に帰らせてもらいますね〜。
「なんでもないならこんなところで泣かないでましょ。こんな夜じゃ一人じゃ危ないし、どこにも行く宛がないならうちくる?同性同士ならおじさんとかよりは安全でしょ?まぁ家に帰れるならちゃんと帰った方がいいけど。」
あー!何言ってんだ私!考えと行動が不一致するなよ!
そう言うとその子は私の目をじっと見てから頷く。真冬なこともあってか寒かったらしい。
「何にもないけどどうぞ」
そう言ってその子を家に迎えあげる。
「お茶しかないけどいいかな?」
「はい、ありがとうございます。」
「外寒くなかった?」
「まぁ、そうですね」
そんな他愛もない会話をしながら座らせる。
「そういえば、なんであんなところで泣いてたの?」
そう聞くと少し躊躇いながらその子は口を開く。
「俺には何もなくなったんですよ。親からも友達からも見放されて、俺の居場所がなくなって。だから全部から逃げてきたんです。」
「そっか…あれ?今、なんて?…お、俺?」
「はい。”俺”元々男です」
井上圭は知らなかった。この出会いこそが二人にとっての運命の出会いなのだということを
コメント
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「いい出会いがありますように」って願った直後に、まさかあんな形で出会うとは…。主人公の「考えと行動が不一致」なツッコミどころの優しさ、すごく好きです。途中でスルーしようとしたのに声かけちゃう気持ち、わかります。そして最後の「俺」でグッと引き込まれました。この二人、お互いに「何もなくなった」同士だからこそ、どう化学反応するのか気になる…!
奇蹟あい
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パラレル・ゲーマー
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