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風邪と看病
文化祭が終わった次の週。
「……さむ……」
朝、奏音は布団の中で震えていた。
頭がぼーっとする。
喉も痛い。
「……熱あるかも」
体温計を見る。
38.4℃。
「終わった……」
学校休まなきゃ、とスマホを手に取った瞬間。
《今日一緒に登校する?》
奏歌からのメッセージ。
その数秒後。
《朝練ないなら迎え行く》
これは太陽。
さらに。
《数学のプリント持ってく》
塁。
(みんな早い……)
奏音は苦笑しながら、“風邪ひいたから休む”と送った。
⸻
五分後。
ピンポーン。
「……え?」
まさかと思い玄関を開けると――全員いた。
「なんで!?」
「心配だから」
桜梨が真顔で言う。
「いや来るの早すぎない!?」
「熱あるって聞いた瞬間走った」
太陽が息を切らしている。
「犬なの?」
「ひど」
後ろでは佳亮がコンビニ袋を持っていた。
「ゼリーとスポドリ」
「え、ありがとう……」
塁は冷えピタ。
奏歌はお粥。
那月は薬とのど飴。
準備が完璧すぎる。
「……みんなお母さん?」
奏音が呆然としていると、那月が額に手を当てた。
「熱高い」
ひんやりした手が気持ちいい。
「顔赤いな」
「うぅ……」
すると太陽が割り込む。
「近い近い」
「熱測ってるだけ」
「俺でもできる!」
「じゃあやれば」
「えっいいの!?」
「なんで嬉しそうなの」
奏音は笑う元気もなかった。
コメント
1件
文化祭のあとの日常回、めっちゃ良かった…! 風邪で弱ってる奏音に即かけつける仲間たち、もうチームワーク良すぎて泣ける。太陽が「走った」宣言するところとか、那月の冷静な看病に嫉妬する姿も含めて全員のキャラが立ってて、読みながら自然と笑顔になったわ。“みんなお母さん”ってツッコミもツボ。風邪ひいても幸せな空気が伝わってくるエピソードだった🔥