テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

秘密の家庭教師

一覧ページ

「秘密の家庭教師」のメインビジュアル

秘密の家庭教師

2 - 家庭教師雇わない ?

♥

1,561

2022年08月06日

シェアするシェアする
報告する

「なぁなぁ、知ってる?」

「何が~?」


学校のお昼休憩。

僕がもぐもぐと焼きそばパンを頬張っていたら、友達のドギョムが携帯をいじりながら話し始めた。


「伝説の家庭教師。」

「何それ。」

「お前、知らねーの ? 伝説の家庭教師。最近めっちゃ話題になってんじゃん。」

「ん…あ、何だっけ ? 噂の人でしょ? 確か…成績がめっちゃあがるとか…」

「そ。それでさ、ジン先輩いるじゃん ?」

「ん~あ、あのめっちゃカッコいいで有名な人?目立ってる人だよね?」

「うん、その人。でさ、そのジン先輩がなんか、その家庭教師を雇ったらしくて、成績が10番以内になったって噂。」

「…10番以内!?」

「らしいよ。ちなみに、かてきょ雇うまでは、学年で最下位だったらしい。」

「………へぇ~」


言えない。

自分が実は高校に入学してからずっと最下位をキープしていることなど…言えない。


伝説の家庭教師か…

会ったことないけど、最近凄く有名なんだよね…

成績向上、おまけに志望校絶対合格させるらしい。

色んな人が、その家庭教師の事を噂している。

まぁ、だってもう高校生だし、周りも次第に大学とか視野に入れ出しているっぽいし。


でも、正直言ってさ、実感ないよ。

三年後にはもう大学行ってる自分を上手く想像できないしさ、もう大人になってる自分が想像できない。

上手く想像できないから、成績見ても、やる気とか湧いてこないし。

そろそろやばいかな…とは思うんだけどねぇ…。


無言で焼きそばパンを頬張るこの時間。



「てかさ~、彼女欲しくね?」

「……………ん?」



彼女か…



「前の彼女にフラれてさー、あー、また作ろっかなー」

「…作るって何?彼女を?」

「おう。彼女の話してんだから、彼女以外に何つくるんだよㅋㅋ」

「…凄いなぁ…」

「ん、そういやお前、今まで彼女いなかったんだっけ?」

「…まぁ。」



生まれてから16年。

一度も彼女が居たことが無い僕。

小学校の頃とかはさ、中学校とか高校とかになれば、自然と彼女とかいるのかなーって思ってたけどさ。

難しいんだよなぁ…

告白はされるけど…付き合いたいとは思えなくって。


っていうか、なんかこの焼きそばパン、ぱさぱさしてんだけど。






・・・・・・・・・・・・






「ただいまぁ~」


ようやく学校が終わり、眠かったから速攻で家に帰った。

まぁ、こう見えて一応、帰宅部エースだし、帰宅部部長だし ?

早く自分の部屋で寝よーっと。

そう思いながら、リビングを通り過ぎて二階に行こうとしたら、母さんに突然呼び止められた。


「グガ、ちょっと待って、相談したいことがあるんだけどね…?」

「ん ? 何 ? 」

「これ…。」


ダイニングテーブルの上に無造作に置かれてあった一枚のチラシ。


「…家庭教師 ?」

「そうなの !! 最近ね、近所の奥様方の間で流行っているんだって。成績が絶対上がって、志望校も絶対合格するらしいの~、もう、夢みたいじゃない !?」

「…それって…さ、噂の奴 ? 噂の…あの…伝説の家庭教師で噂の人…?」

「それよ、それっ!! 同じ幼稚園だった、二個年上のジン君居たじゃない ? あの子、家庭教師をつけてもらったとたん、成績がなんと10位以内になったんですって ~ !!」

「…ふーん…」


へぇ、ドギョムの言ってたジン先輩の噂って、本当だったんだ…

でも…家庭教師って…勉強嫌いだし…

それに、成績向上とか志望校絶対合格とか…そこまで実績がある先生って…多分スパルタ指導とか、絶対厳しいじゃん…

無理無理。無理だし嫌だ。


「でさ、母さん、考えたんだけど…!!」

「あ、遠慮しときまーす。」


多分、母さんの事だから、どうせ家庭教師を雇わない!?とか言い出すんだろーな…。

今までさ、集団塾とか個別塾とか行ったけど、意味無かったし。

勉強嫌いだし。

僕の勉強嫌いを甘く見てもらっちゃ困るね、ほんと。


チラシを置いて、二階に行こうとしたら。


「一回だけでもいいから、やってみない ?」

「…何それ?」

「無料お試し期間 !! 今だけ一週間だけ無料なんだって~!!」


母さんって、”無料”とか”今だけ”とか”期間限定”とか、そういう言葉に本当に弱いんだよなぁ…


「無理だって、勉強嫌いだし。嫌だし。先生とか怖そうじゃん ?」

「ん~、この家庭教師って、成績が下から10番以内の子しか教えないそうなの。それで、ぐが、貴方は万年最下位じゃない ? だから、チャンスだと思うよね~。」

「…でもなぁ…」


韓国の親は、比較的他国に比べるとさ、教育熱心って言われてるけど。

ウチの親は、何て言うか、マイペースであんま成績に文句とかは言わない方なんだよね…。

だから、僕も勉強には無頓着というか。


「じゃあ、一週間だけでもいいから家庭教師付けてくれたら、お菓子好きなだけ買ってあげる!!」


あのねぇ…高校生にもなってさ、お菓子で惹かれると思わないで…って言おうとしたけど、

“好きなだけ”って言葉に無視できなかったんだよねぇ。

僕ってホント子供。


「じゃあ…一週間だけだよ ? 約束。」

「やったぁ~ !! パパぁ、ぐがが家庭教師雇ってもいいって~ !!」


…自分の母親だけどさ、何か、母親感が無くて、無邪気っていうか、純粋って言うか…呑気って言うか。

自分の息子が家庭教師を引き受けたのがあまりにも嬉しかったのか、ぴょこぴょこして、会社にいる父さんに届くように頑張って叫んでいる母さん。可愛い。


あーあ、お菓子につられるなんて、高校生が…情けない。

まぁ、やってみるとするか。


僕はとりあえず二階の自室に上がって、ベッドに倒れこんだ。

家庭教師かぁ…面倒くさそうだな…


出来れば、女の人がいいなぁ…

男の人だと、絶対怖そうだし、あまりにも僕が勉強できなくて怒鳴られそう。






≪ 次回予告 ≫


「ッッ…ンヤッ…ンァッ…プハッ…」


部屋に響き渡るイヤラシイ音。

ペンを持つ手は震えて。

浮く腰。


グガは、無事、成績を向上することが出来るのか !?






今回は、あんまりR-18要素無かったですが…

次回は、結構くるんで、注意お願いします。


♡→500以上で続き書きますっ

この作品はいかがでしたか?

1,561

コメント

1

ユーザー

最高過ぎ!続き楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚