テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
オムライスパン
839
#死滅回遊
304
■第1幕:仙台結界(コロニー)の出会い
(キィィィン……と、激しい呪力の衝突音が消え去り、静まり返る仙台結界の線路上。乙骨憂太は石流龍との死闘を終え、ボロボロになった体を休めるように深く息を吐き出していた)
乙骨憂太:「ふぅ……。終わった、かな。みんな、無事でよかった……」
(リカちゃんも一度影へと引っ込み、静寂が訪れる。乙骨が前髪をかき上げた、その時だった。彼の足元にある『影』が、不自然にぐにゃりと歪み、水面のように波打つ)
乙骨憂太:「!……しまっ、まだ敵が――」
(咄嗟に身構える乙骨。しかし、影の中から現れたのは、凶悪な呪師でも呪霊でもなかった。
もこもことした真っ白な子犬(玉犬・白)と、真っ黒な子犬(玉犬・黒)。その2匹の小さな犬に挟まれるようにして、影からひょっこりと顔を出したのは、身長140cmの小さな小学生のあなただった)
あなた:「……あ」
乙骨憂太:「え……? こ、子供……? 待って、その術式……君、伏黒くんと同じ十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)……!?」
(驚きに目を見開く乙骨。181cmの乙骨と140cmのあなた。41センチの身長差があるため、乙骨はすぐに刀を収め、これ以上ないくらいふんわりとした優しい笑顔を浮かべてその場に深くしゃがみ込んだ。そして、目線をあなたとぴったり合わせる)
乙骨憂太:「ごめんね、怖がらせるつもりはなかったんだ。……ずっと、あの中に隠れてやり過ごしていたんだね。偉かったね。……もう大丈夫だよ」
(乙骨が大きな手を伸ばし、あなたの頭をポンポンと優しく撫でる。その手の温かさに、あなたの緊張が少しずつ解けていく。しかし、その穏やかな空気を破るように、乙骨の後ろの空間がドロリと割れた)
リカちゃん:「――憂太ァ。その『メス』、だぁれ……? 憂太に、さわらないで……っ!!」
(大きな目玉をギョロリと光らせ、嫉妬を剥き出しにして現れた特級過呪怨霊・祈本里香。あまりの迫力に、あなたは思わず涙目になりながらも、その圧倒的な姿に目を奪われる)
乙骨憂太:「あ、待ってリカちゃん!この子はまだ小学生で――」
あなた:「(うるうるした目でリカちゃんを見上げて)……おっきくて、かっこいい……」
リカちゃん:「…………え?」
(予想外の言葉に、ピキッと固まるリカちゃん。あなたは怖がりながらも、ぎゅっと乙骨の服の裾を掴みつつ、リカちゃんに憧れるような視線を向ける)
あなた:「リカちゃん……? すごく、強くて、かっこいい……お姉ちゃん……」
リカちゃん:「お、おねえちゃん……? リカのこと……かっこいい、って……?」
(リカちゃんの大きな身体が、みるみるうちに照れ隠しでクネクネとし始める。迅速にハートを射抜かれたリカちゃんは、あなたを傷つけないようにそっと巨大な手で包み込んで、自分の顔にすりすりした)
リカちゃん:「……かわいいっ!!! 憂太! この子、すっごく可愛い!!! リカ、この子の『おねえちゃん』になるーーー!!!」
乙骨憂太:「えっ!? あはは……よかった。気に入ってもらえたみたいだね」
(数日後、乙骨は獲得したポイントを使ってコガネにルールを追加させ、結界の出入りを可能にした。おやつを食べて元気になったあなたをリカちゃんがおんぶし、一行は結界の外へと踏み出した)
コメント
1件
ayaさん、新作読ませてもらいました! 重い戦闘のあとに、ぽんっと現れた小さな子があまりに可愛くて…乙骨くんがしゃがんで目線合わせて撫でるところ、めっちゃグッときました💧 あの優しさは反則ですよ。 そしてまさかのリカちゃんが一瞬で「おねえちゃん」になる展開、予想外すぎて笑ったけど、めちゃくちゃ尊い……! 嫉妬してたのに「かっこいいお姉ちゃん」って素直に言われて照れちゃうリカちゃん、最高です。この3人の旅、このまま見守りたいなって思いました。次も楽しみにしてます🌙