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去年の春、ここで好きな人が自殺した
俺の下駄箱にその人からの手紙が置いてあった
俺達は両想いだった
今からそっちに行きます
今日なら貴方に会える気がするんです
黒「待っててな」
あの日は綺麗だった
いつになく空が澄んでいてまるで卒業生を祝福しているようだっ
た
そんな空気を切り裂くようなサイレンは今でも覚えている
嘘だと信じたかった
そんなことするわけないと
人が集まる前に、そこへ駆けていった
『さっき屋上に登っていく人を見た』
やめてくれ
『卒業生らしいよ』
頼むから
『もしかしてさっきの白髪の子?』
誰かそんなことなかったって言ってくれよ
おねがいだから
全部夢だったって言ってよ
黒「………………… 」
ブルーシートがかけられていた
でも見えてしまった
赤く染まったキーホルダーを
俺とお揃いだと言ってくれた修学旅行のお土産を
偶然誰かと一緒のを持ってたんだろ
そうだよな
青「…悠佑…」
違う
青「…あのキーホルダー」
違う
青「…先輩の…」
違う
黒「そんなわけない」
なんで
黒「…こんなことする人じゃない」
なんで
黒「先輩は…!」
まろに泣きつくしかなかった
考えたくなくて
もうこの世に好きな人がいないなんて
ただただ泣いていた
黒「あの日はまろに告られたんやっけ」
確か先輩が好きだから断ったけど
黒「ええ友達だったなぁ」
隣の席の桃髪もアニメの話できて楽しかったんよな
そういえば観に行こうって言ったあのアニメの映画今年だっけ
黒「…もうどうでもいいや」
先輩からの手紙には幸せに生きてと書いてあった
けれど、貴方がいない世界で心から
「幸せです」
なんて言えない
貴方のいない世界で生きた上での結論だ
あの日とは違う空、雲が一つ浮かんでいて快晴とは言えない
それ以外は去年と同じ
足を一歩前に出した
先輩の手紙には他にもたくさんのことが書いてあった
先輩のあの行動は呪いになるかもしれない、そう書いてあった
だったら俺のこれも呪いなのだろうか
少し違うような気がする
きっとこれは
黒「貴方への願いだ」