心が読める心さん

心「……は？」

和馬「ほ、放って置けない雨だなぁー…なんて…」

心「は…？」

和馬(怖すぎる…)

和馬「か、風も強くなってきたんで傘壊しそうなんで まだ帰れそうにないです」

心「……あっそ」

和馬(何やってんだ俺は、ダサすぎる)

心「立ってないで座ったら？」

和馬「あ、はい」

心「……」

和馬「……」

和馬(気まずい……)

和馬(気まずいんだけど、なんか居心地がいいな)

心「雨…止まないね」

和馬「そう…ですね」

心「君さ、嘘下手だね」

心「君の能力は嘘がわかる能力なのに」

和馬「別問題な気がしますけど」

心「そうかな」

和馬「……」

心「……」

和馬「……ん？」

心「ん？」

和馬「俺能力の事言いましたっけ？」

心「君もうちの能力大体察しついてるでしょ」

和馬「……人の心を読める、とか？」

心「っそ、人が考えてる事、感じてる事、全部わかる」

心「内緒だよ？」

和馬「言いませんよ。って言うか言えません」

心「言うつもりはなかったんだけどなぁ」

心「勝手に似てるって思ってたのかも」

心「君とうちの能力が」

心「だから心のどこかで親近感が湧いてた」

和馬「…俺も心さんの能力が心を読める能力なのかもって思ったらなんか安心しました」

心「お、それは嬉しいね」

心「初めてかもなー、うちの能力を否定しない人」

和馬「否定しようがなくないですか？能力なんて生まれ持った物を否定するなんてどうかしてますよ」

心「いいこと言うねー」

和馬「えっ、いや…」

心「泣いてた理由知りたい？」

和馬「え…？」

心「教えないけどね」

和馬「な、んで聞いたんですか」

心「君と話してると全部話そうになって怖いなー」

和馬「？？」

心「雨も止んできたしうちは帰るね、バイバイ」

和馬「ああ、はい」

去り際には雨の後の晴れのような笑顔があった