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1 - 第1話 「哀しい人魚のお話」

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2023年06月28日

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「むかーしむかしあるところに、一人の少女がいました。彼女は生まれた時から一人でした。小さな彼女は願いました。

「家族が欲しい」と。

それを一人の人魚は聞いていました。気まぐれでここまできた彼は思いました。

彼女の願いを叶えてあげようと。

彼は魔法を使い、人間の姿になりました。そして、少女に言いました。

「僕の家族にならないかい?」

人魚は近くの村に行き、ここに住まわせて欲しい、と頼みました。優しい村の人々は快く人魚と少女を受け入れてくれました。そして、その少女と優しい村の人々と幸せに暮らしました。

……あの時までは。

2人が住み始めて5年が経ったある日、村が攻められました。攻めてきたのは村がある国の戦争相手でした。

村の人は次々と殺され、残るは少女と人魚だけになりました。

少女は人魚に言いました。

「私が囮になるからそのうちに逃げてね」と。

そして走り出しました。人魚は止めました。待ってくれ、と。君が死んでしまう、と。


少女は、人魚の目の前で殺されました。


その時、人魚は目の前が怒りで真っ赤になりました。そして、気がついた時には、

誰もいませんでした。

その後人魚は村の人のお墓を作り、消えました。

誰も、何も、分かりません。人魚は長生き。何処かでまだ生きてるのかもしれません」


グル「なんでそんな話知ってるんだ?」

ウツ「……人魚は魔法が使えるんや。人間に紛れてるのかもれへんな。」

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