理翔です。
今作はコラボとなっておりますが、いつも通りの1作品として見れるような小説を作らせて頂きました。
コラボ方法は、お互いに導入を書き、交換して続きを書いていくというものになります
表紙もお相手様に描いて頂いたものです。なんて素晴らしいんでしょう。
そして、肝心のお相手様は……
みりん漬け林檎 様 です!!!!
とっっても素敵な小説、イラストをかかれている方です。発想も最高。全てが神がかってます。
そしてお相手のストーリーを絶ッッッッ対見に行ってくださいね!!私が交換させて頂いた導入・表紙も同時に見ていただけたら嬉しいです。
それではそろそろ、小説を読んで頂く事としましょう。
最初の一区切りまでが交換した導入となっております。それぞれの文の特徴など、気づく事も多いと思いますのでそちらもゆっくり見てくださったら幸いです……!
⚠ 旧国
貴方の目の前にあるものはなんですか?
希望ですか?
愛の飢えですか?
あの人への思いですか?
もうひとつだけ質問をします。
貴方にとって「自分」とは何ですか?
愛すべき存在ですか?
それとも大嫌いな憎むべき存在ですか?
答えることが出来なかった。
正しい答えがわからなかったから。
自分なんてとっくの昔に捨てたから。
奥底にあった。小さな小さな自分も。全部。
そんなことをつらつらと思っていた。
そうしたら目の前がどんどん真っ暗になってきてしまったんだ。
まっくらになると、
ひとりだけ暗闇に取り残されているような感覚がした。
あれ、なんでだろ。なんで、どうして、。
こわいんだ。?
あ、やばぃ、意識。が、
……あの時のこと
ioは本当に後悔し続けているんだ。
ただ、悔しい
それだけなのかもしれない。
その道しか選べなかった自分を恨んで
弱いから
弱い者に選択権などあるわけがないのだから
あぁ、
ごめんなさい
謝ったって変わりやしないことぐらい知ってるんだ
だけど、だとしても
それでも二人に謝りたくて
ごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
そう、繰り返すことしかできない弱い自分が ただただ見窄らしかったんだ…
ふと。
思い出すかのように意識が浮上する。
静かにまぶたを上げると光が少し眩しかった。
瞳へ入ってきた景色を見て、記憶をゆっくりと辿ろうとする。
どうしたんだっけ?
いまいち思い当たる所が無かったんだ。
だから、周りを見回して、状況を飲もうと思ったんだ。
ただ目に入ったそれは、考えていたものと少し違った
見たことのある空間で
自分の知っている匂いがして
理解した瞬間にどっと冷や汗が出た。
頭をよぎったそれは、もはや確信に変わっている
「どう、してッ、此処に、」
驚きのあまり声が漏れてしまう。
此処はかつての同盟の国らと長い時間を過ごした場所であり、思い出の一辺であり、二度と帰ってこれる筈の無い所だった。
意味が、分からない、。
冷静になれ。冷静さを欠くな、
分からない。どうして今この状況にあるのか。
絶望と希望の記憶が入り混じるこの場所に再び帰って来てしまった。
此処に居てはいけない
彼らに顔向けできない
大好きな、大好きで大好きでたまらない、
────自分の裏切った彼らに。
………………逃げるのか?
彼らはきっと、この場にいるのだろう。
逃げてしまいたい。
今すぐに逃げ出して。
消えてしまいたい。
その時。足音がした。
2種類の足音。
考える迄も無いだろう、この場所は、彼らが今も拠点としている建物なのだ。
ゆっくりと近づいてくるその音がさらに恐怖心を煽る。
会いたくないのか、正直自分でも良く分からないが少なくとも今じゃない。
慣れない、激しい感情にぎゅっと頭を抱え込んだ。
ドアが開かれる。
頭を抱えて動かないイタ王の姿が目に入る。
ゆっくりと近づくも彼は顔を上げようとはしなかった。
数秒か、数分か、数時間だったか、分からないほどの濃密でじっとりとした沈黙が流れる。
「イタ王」
最初に声を発したのはナチスだった。
イタ王は、返事を返さない。
どんな言葉を浴びさせられるのだろう。
暴言だろうか。
それとも、哀れみの言葉だろうか。
「お前とまた会って、」
嫌だ。聞きたくない、。
「生きていてくれて良かったと思った。」
「…えッ、」
思わず素の声が出てしまった。
それは、表向きの声より少し低くて、透き通ったよく通る綺麗な音。
ゆっくりと、恐る恐る顔を上げるとそこにあったのは、見慣れたようであり懐かしさも感じられる、2人の優しい表情だった。
あまりの動揺に焦点が合わない。
そっと、静かに問う。
「本当、に?」
日帝が頷き、微笑んで答える。
「ああ、当たり前だろ」
今まで、ずっと後悔して来た。
2人を裏切らざるを得なかった。
そんな事、したくなんか無かった。
同時に、自分の責任であることに変わりは無かった。
そんな自分が嫌で嫌で仕方無かった。
自分なんて消してしまったつもりだった。
希望なんて見えなかった。
愛なんてどこにも無かった。
知らなかった。
ただ、大切にしたいものが出来てしまった。
だから。
だから目の前のそれが信じられないんだ。
「信じていいんだ。」
「きっとそれによって救われるだろう。」
ナチスと日帝が、それぞれ言葉を掛けた。
まるで宗教みたいじゃないか、?
でも、今、1番信用できるもの。
自分を救ってくれる。
全てを預けて許されるもの。
心から振り絞って、一言の小さな言葉を発する。
「Grazie!」
ほんのささいな、その一言で 彼らは満たされる。
全てが伝わる。繋がる。
ひとつになれる。
ナチスが言う。
「またあの時のように
3人で、お茶をしないか?」
「…もちろん!」
久しぶりに笑ったな。
いつぶりだろう。
日帝も嬉しそうに笑っている。それが、自分も嬉しくてたまらないのだ。
「そして、共に眠りにつこう。」
ナチスが浮かべた柔らかな微笑み。
その後ろに回されたふたつの掌に握られていたものは、 拳銃、そして包丁であった───────
コメント
6件
表現が素敵すぎた ……!!! えげつなすぎる、本当に 最後の包丁て …!?
うわぁぁぁぁぁ!枢軸は私が救うんだぁぁぁぁ!勉強して医者になってやるぅぅぅぅぅ!!(?)
最後で一気にひっくり返りました......!本当に描写とかもう全部光り輝いています!神作をありがとうございます!