テラーノベル
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黒羽の部屋に監禁されてから、どれくらいの時間が経っただろうか。
窓は厚い遮光カーテンで閉ざされ、時間の感覚は曖昧になっていた。
部屋にあるデジタル時計だけが無機質に時を刻んでいる。
俺のスマートフォンは初日に取り上げられ
外部との連絡手段は完全に断たれた。
今頃、蘭や博士灰原たちが心配しているだろう。
大規模な捜索が行われているかもしれない。
だが、この男がそう簡単に見つかるヘマをするとは思えなかった。
快斗「新一、飯の時間だぜ」
部屋のドアが開き、上機嫌な黒羽が食事の乗ったトレイを持って入ってくる。
並べられているのは、どれも手の込んだ美味そうな料理ばかり。
だが、それを食べる俺の心は、冷え切った石のように重かった。
新一「…いらない」
快斗「またそれか。いい加減、意地を張るのはやめたらどうだ?腹、減ってんだろ」
黒羽はベッドサイドに腰掛けると、スプーンでリゾットをすくい、俺の口元へと運んでくる。
俺は固く唇を結び、顔を背けてそれを拒んだ。
快斗「…はぁ。いい加減にしろよ、新一」
黒羽の声から、楽しげな響きが消える。
快斗「お前が飯を食わないと、俺がどれだけ心配するか。わかっててやってるだろ。そういう駆け引き、あんまり好きじゃねぇな」
新一「お前に心配される筋合いはない」
快斗「あるさ。俺は、お前の『飼い主』なんだからな」
その言葉に、腹の底から怒りがこみ上げてきた。
新一「なっ、!ふざけるな!俺は物じゃない!人間だ!」
快斗「ああ、そうだな。俺だけの、俺が愛するたった一人の『人間』だ。だからこそ、ちゃんと栄養を摂って、健康でいてもらわねぇと困るんだよ」
黒羽は有無を言わさず俺の顎を強く掴み
無理やり口を開かせると、スプーンをねじ込んできた。
抵抗する間もなく、濃厚なチーズの風味が口いっぱいに広がる。
新一「んぐ…っ!ごほっ…!」
快斗「ほら、美味いだろ?ちゃんと全部食べろ。もし食べないなら…また、体で教えてやることになるぜ?今度は、朝までな」
その目は笑っていなかった。
夜ごと繰り返される、あの支配的な行為。
それをちらつかされ、俺の体は恐怖で強張る。
逆らえば、もっと酷い凌辱が待っている。
この数日間で、俺はそれを骨の髄まで学習していた。
結局、俺は屈辱に耐えながら、黒羽にされるがまま食事を終えた。
空になった皿を見て満足げに頷くと、黒羽はまるでよくできたペットを褒めるかのように、俺の髪を優しく撫でた。
快斗「よしよし、いい子だ。ちゃんと食べられたな」
その扱いに、俺は奥歯を強く噛み締める。
今は、耐えるしかない。
体力を回復させ、必ずここから脱出する機会を窺うんだ。
心の中で、そう何度も自分に言い聞かせた。
その夜も、黒羽は俺の体を貪った。
もう最初の頃のような痛みはない。
指も、熱も、どうしようもなく体に馴染んでしまっている自分が憎い。
感じる場所を的確に攻められれば
悔しいことに体は正直に反応してしまう。
快斗「…新一、顔、見せろよ」
喘ぎながらシーツに顔を押し付ける俺の顎を掴み、黒羽は無理やり上を向かせた。
涙と汗でぐしょぐしょになった俺の顔を見て、黒羽は恍惚とした表情を浮かべる。
快斗「ああ、いい顔だ…。誰にも見せたくねぇ。この顔は、俺だけのものだ…」
ビデオカメラの赤いランプが、今日も俺たちの行為を無機質に記録している。
壁一面の『俺』が
黒羽に貪られる『俺』を
静かに見つめている。
この部屋は、黒羽快斗が作り上げた
俺のための美しくも残酷な檻。
快斗「好きだ、新一…っ!」
絶頂と共に注ぎ込まれる熱を感じながら
俺は意識を手放した。
だが、その闇の中でさえ、俺の心はまだ折れてはいなかった。
新一(必ず、ここから出てやる…黒羽快斗…!)
それは、飼いならされることを拒む
探偵としての最後のプライドだった。
5話終わりー
どんな展開にしよっかな~✎
コメント
2件
ちょ ~~ ぜつ良きです 🫶🏻️💗