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コメント
5件
初コメ失礼します!✨️ 物語の書き方が上手で情景が浮かんでくるのすごい…💕 やっぱjp受け良い…👍 続きゆっくりまってます!😘😘😘
作品書くの上手すぎる! めっちゃ面白いし、尊いです💕 続き待ってます!
yajpです
地雷、苦手という方は見ないことを推奨します。
最後、ほんのり行為を仄めかしています。
リクエストありがとうございました。
珍しく雪の降る日で、外はまるで自然冷蔵庫のように冷え切っていた。そんな中、買い出しに行くと言い出したjpとそれに着いてきた俺で、雪の積もる道を歩いている。寒いけれど、俺は比較的体温が高い方なのでまだ暖かいが、jpはとても寒そうに見えた。普段からあまり平熱が高くないjpはきっと冬になるともっと平熱が下がっているのだろう。
「yanくん、見てみて」
「ん?」
そう言って、後ろを振り向いたjpは足元を見ろと言っていた。俺も後ろを向いて地面を見ると、俺らが歩いた場所にはくっきりと足跡が残っている。それが何だか、ちゃんと一緒に居たことを示してくれているような気がして、ほんのり心が温まった。jpは子供のようにキャッキャしながら更に足跡を増やしていった。こんなに無邪気に楽しそうなjpが何だか珍しく感じて、可愛いなぁと思った。
「たのしい?」
「めちゃくちゃ」
暫く楽しそうに歩き回るjpを見ていると、ふとjpが雪に触れたのでぎょっとして慌てて傍に駆け寄った。手袋も着けずに素手で触って冷たくないのか、と言おうと思ったが、まだ無邪気な顔のままで、やっぱり可愛くて止められなかった。
「何作るんだよ」
「雪だるま」
「俺も手伝う」
大の男二人が道で丸まって雪だるまを作るなんて滑稽な図だが、jpが楽しそうならそれで良いかなんて思ってしまった。2人とも手袋なんて持っていないし、冷たい冷たいとはしゃぎながら不格好な雪だるまが出来た。手が冷たすぎたのでコートのポケットに手を突っ込んで温めている俺の横で、jpは出来た小ぶりの雪だるまを手のひらに乗せてじっと見ていた。
「yanくんと一緒に作れたの、めっちゃ嬉しい」
「ありがとうな!」
そう言って笑ったjpが、何故か真冬なのに向日葵に見えてきて、顔に熱が籠もるのが分かったので思わず目を逸らしてしまった。jpはそんな俺を見てクスクスと笑っていてムカついたので文句を言ってやろうとjpの方を見ると、頭の上に雪が被っていた。
「…帰るよ」
「うん」
俺より数歩先を歩くjpの後ろ姿は、何だかとても儚く見えた。このまま降り注ぐ雪と共に何処かへ溶けて消えてしまうのでは無いのだろうか、なんて有りもしないことを思ってしまった。そうすると、いつの間にか走り出してしまい、jpの冷たそうな手をそっと掬い上げた。案の定手は氷のように冷えていて、何だか死人のように感じた。俺よりも小さな手をしっかりと握りしめた。これ以上冷たくならないように、何処かに行ってしまわないように。しっかりと、握りしめた。jpは少し驚いたような顔でこちらを見ていたけれど、手を繋ぎたかったのかと思ったのか、優しく握り返してくれた。
「ただいまー」
「おかえりなさい、遅かったですね」
家に帰ると、naさんがリビングから顔を出して出迎えてくれた。手を洗ってからリビングへ向かうと、既に手を洗い終えたjpがnaさんとsvさんと楽しそうに談笑していたので、俺は自室へと戻ることにした。何かゲームをしようかと考え、パソコンを立ち上げていると部屋がノックされたので「はーい」と返事をすると部屋の扉が開いた。すると、ひょっこりとjpが顔を出した。
「なに?」
「これ、naさんが。風邪引かないようにって」
そうして、コップの中に入っているのは温かそうなココアだった。jpからカップを受け取り、まだ湯気だったままのココアを一口飲んだ。熱い、けれどほんのりとした甘みが口いっぱいに広がり、頬が少し緩んだ。jpはにこにこしながら見ていたが、用はそれだけだったのだろう、腰を上げて立ち去ろうとしていた。その後ろ姿が、あの夜道とぶつかったので思わず引き留めてしまった。
「jp」
「な、に…」
jpの腕をそっと引っ張り、バランスを崩したjpをそのまま俺の太腿の上に座らせた。そのまま、そっとキスをすると、ほんのり甘いココアの味がした。唇が少し冷たい、乾燥でカサついているなって思ったが、何度かキスしていると唇が湿っぽくなっていった。今日は何だかjpを手放したくない、離したくないと思ってしまう。
「ごめん、jp」
「…なぁに、」
「今日は、離せない」
jpの細く白い腕を辿り、手を恋人繋ぎでしっかりと握りしめてまたキスをする。きっとこのまま雪崩のようにベッドに倒し、体温を求める。冷たい君と、暖かい俺なら、適正体温が生まれるだろう。もし明日怒られたら全部冬のせいにすれば良い。そんなことを考えながら、しっかり手を握りしめた。