テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お母さんもう長くないんだ。
2012年の夏。蒸し暑く、まだ私が小学五年生の時に聞かされた母からの言葉。小5にもなっていたので言葉の意味はなんとなく理解したが私は母が何を言っているのか、何を聞かされているのか、さっぱりだった。父の顔は暗く、どこか苦しそうで、母も苦笑いを浮かべてこう言った。
光にはよく分からないよね。
と、私はこくりと頷き、そのまま父に連れられ祖父母の家にしばらく泊まっていけ。とだけ言われて、父もどこかにいってしまった。私は祖父母に
「お母さんとお父さんはどこに行ったの?」
と感じたことを正直にいうと祖母は苦しそうな表情をして、
「遠いところだよ。だけど近い内に必ず迎えに来るよ。」
と言った。私はそのまま祖母にオレンジジュースとお菓子を貰い祖母は別の部屋に入っていき、祖父と何が深刻そうな話をしていた。毎日そんな日々でいくつも待っても父も母も迎えに来ることはなく、郵便が来る度両親が迎えに来てくれた。と心を躍らせていたがそんな日は来ることがなく、私の心ご崩れかけていた日々を送っていたら気がつけば中学2年生の後期になっていて、本確的に勉強に向き合っていて、父のことや母のことが頭によぎることのない生活を送っていたある日、インターホンがなり、祖母に出てくれとお願いされ、扉を開けたそこには4年前から姿を表さなかった父の姿があった。私は腸が煮えくり返りそうになるような怒りがわき、苛立った口調と、震えた声で
「今更何しに来たの?」
と言った。父は
「久しぶり光」
とニマニマしながら言ってきた。その時祖母がやってきて「どうしたの?光ちゃん」と言いやってきたがすぐに表情を変えて外にでた。父は祖母に
「光を取り返しに来た」
と、意味のわからないことを言い呆然とする私に祖母は怒りで震える声で
「光ちゃんは部屋に戻っていな。そしてお父さんを呼んできて貰えるかい?」
といい私は気が狂いそうになりながら祖父の部屋に走り、急いで呼び自分のベットに飛び込み何度も涙をながした。一体今まで何をしていたのか、«光を取り返しに来た»という訳の分からな言葉の意味。混乱しながらも目を閉じて眠りについた。