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目が覚めると、
知らない部屋にいた
青side
目が覚めると、知らない部屋にいた
目を開けた瞬間、入って来たのは白い天井
いつものロクに掃除してない薄汚な天井じゃなく、真っ白な
体を起こし、あたりを見渡す
白い壁、白い床、白いベッド、白い机
何もかもが真っ白
どうやら自分はベッドで寝ていたらしい
とりあえずベッドから出た
部屋にあるのはさっきまで寝ていたベッド、
そして、部屋の真ん中に、真っ白ななが机
何か手掛かりはないかと見渡すが、本当にそれ以外がないので白い机に向かう
机には、真っ赤なりんごと、折り畳まれた紙が2つあった
2つのうちの1つを手にとる
その紙は、さらさらしていて、しっとり…
なんだか結婚式の招待状にでも使われそうな紙
ゆっくりと紙を開く
そこには、
機械のような文字でそう描いてあって、他人を選ぶ?方は丁寧に黒で塗りつぶされていた
よく分かんないまま、もう1つの紙を手にとる
その紙はさっきのような高級そうな紙じゃなく、なんだかそこら辺にあった紙の端を破ったみたい
びりびりだし
そして、それを開くと
ボールペンで書いてるその文字
すげぇ走り書き…w
てか僕の字に似てね?
なんて思いながら考えた
今、自分に与えられてる選択肢は2つ
自分を選ぶ?でりんごを食べる
他人を選ぶでなんかする?
2つあるうち1つは方法が分からない
食べるなってことはつまり自分を選ぶな、ってことだし
僕の性格上、人の言うことに反するのは好きじゃない
なので、自分という選択肢も潰されたと考えた方がいいだろう
え?
なんも出来ないじゃん
僕何したらいいの?
てか、今さらだけどここどこ?
なんで起きたらここにいたの?
どうしたらここから出れんの?
考えてなかったことにが急に僕を襲う
1人あわあわしていると、そこで気づいた
『あ…スマホッ…!』
手をポンッと鳴らしながら言った
どうしてスマホを忘れていたのだろう
僕にはスマホがあるじゃないかッ
誰かに電話で助けを呼ぼうッ
ポケットに手を突っ込み、スマホを取る
しかし、スマホを開き目の前にある液晶画面に移る景色に目を見開いた
『え…なにこれ』
アプリが2つしかないのだ
目を擦っても見える画面は色一つ変えない
一つは、連絡に使われる緑色の某アプリ
あともう1つは、僕の今までの思い出が詰まっている写真アプリ
それ以外がまったくない
スマホを裏返したりしてみて何度も確認する
これ本当に僕のスマホ?
間違っていてくれ、と思いながら見返すが間違いなく僕のスマホ
しばらく放心状態だったが、なんとか気を取り戻す
今一番優先しなくてはいけないのは助けを呼ぶことだ
そして、アプリを開きまたもや絶望した
1人しかいない
学校で言えば陽キャの分類に入る僕のスマホには、断捨離しなくてはと思うほど友達がいた
100人なんて優に越えていたはずだ
『それなのに…』
黄色の彼以外の連絡先がない
いやまだ彼がいることは嬉しいが、もし彼がでなかったらどうするんだ…
そんな僕の不安は的中することとなる
『るぅとくぅぅぅんッ泣』
でない、でない
何度かけても何度連絡しても、出るどころか既読すら着かない
あぁ、僕死んだ…
半泣き…いや、もう大泣きしながらもう1つのアプリを開こうとした
が、
開けない
もう泣く通り越して、笑うも通り越して真顔で画面を見た
そんな機能このアプリにあったのか、と思いながら頭に「はてな」を浮かべる
こんな設定してないし、そもそも機能を知らないし
認めたくないけど、これは僕のスマホだし
何ッ!?
このパスワードなんだよッ!?
とりあえず、僕の誕生日でも…
『違いますよね~泣』
どうしよ…
その後もしばらく、思い当たる数字を打ってみる
がしかし、ことごとく全て違った
もう、何…?
数字4桁は他に一体何がある…?
てか、これ…間違ったら使えなくなるとかないよね…?
そこまで来てふと、なぜか黄色の彼の誕生日が頭に出てきた
あれ…?
今って、何月だって…
てか、るぅとくんの誕生日って…過ぎたっけ…?
急いでスマホを確認する
だけど、日付は分からなかった
いや、正確には何月何日とは書かれてたんだけど…
あーね、もうだめだ
今日何日かわかんねぇし
てか、ここにくる前何日だったかも忘れてるし
るぅとくんの誕生日でも打っとくか…
ポチポチ
『えッ…!?ひ、開いた…!?キラキラ』
うそぉッ!?
なんでるぅとくんの誕生日ッ!?
いや、打った僕が言うことじゃないけどッ
別に助けが呼べた訳じゃないけど、今の自分にとってはすごく嬉しかった
んで、写真を見てまたもや絶句中
このくだり何回目…?
まぁ、何があったかって…
僕とるぅとくん以外の写真がないのッ!
今まで何千枚と撮ってきた写真達がいないのッ…泣
いくらスライドしても僕とるぅとくんの写真ばっかで、さとみくんとか、なーくんとかいないしッ
てかなんか無駄に景色多いと思ったら多分これ消えてるんでょッ!?
自分でも何言ってか分かんないけど、なんか人消す機能とかあったよねッ!?
『もういいや…一回スマホ見んのやめよ…』
精神的に疲れてきて、ポケットにスマホを戻そうといれると何か音が鳴った
スマホと金属系の何かが当たる音
なんだ?と思ってポケットを漁る
そして、
ナイフッ!?
思わず床に落としそうになって慌てる
刃が出ていないとはいえ、ナイフなんて知らない内に持っていたら焦るものだ
財布には、福澤諭吉が2枚と小銭が6枚くらい
ッ!まぁ、普通か
くしゃくしゃの紙は、なんか端が破かれてた
えッ!?でもさぁこのナイフッ!
『りんご切れんじゃんッ!』
もしかしたら黒で塗りつぶされてるほうを当てられるかもッ
そう思い、机の上にあるりんごをまじまじと見る
この真っ白な部屋にあるからか真っ赤で不気味…
赤なんだけど黒がかってて毒々しい…
例えるなら白雪姫のりんごみたい
警戒しながら、りんごにナイフの刃を当てて手前に引く
めっちゃ切れんじゃん…
切れ味良すぎて逆に怖い…
てかなんでこんなナイフ持ってんだよ
大丈夫?これ外出た時銃刀法違反みたいな感じで逮捕されない?僕
そして顔を前に上げて震えた
りんごの切った部分が戻っていってる
断面がゴポゴポと音をたてて繋がっていく
『あ、もうこれ絶対食べちゃだめだ…』
ってなったのが数日前…?かは分かんないけど多分そんぐらい
あれから、僕はりんごを投げて壁に当ててみたり
りんごを潰してみたり、皮をむいてみたり
まぁそれはそれはいろんな事をした訳ですよ
だけど、一向に終わりが見えない
全部綺麗に元に戻る
そもそも何したらいいか分かんないものをヒント無しに当てろ、ってのが無茶なんだよ
そして僕は今、
りんごを食べようとしてる
だってもう限界なんだもんッ!!
何日か正確には分かんないけど体感的には一週間たってるし
不思議だけど、ここに来てから睡眠とか、食事とかしてないのに、腹減らない上倒れないし
トイレだってしてないッ
明らかに僕の体に悪影響ッ、ってかおかしいッ!!
この紙の忠告には悪いけど、もうやだ…
死ぬかも知れないけど…
どうにでもなれッ
『がぶッ!!シャキッ』
ピーピーピー
『え…?』
「おぉッ!!ころんッ!起きたかッ!ニコ」
『さ、さとみくん…?』
「良かったわ~ころんッ!頑張ったなッ」
「死ななくてよかッt…」
『ッ…!?』
目を開けたらさとみくんがいて、急に抱きつかれて、泣かれて
意味が分かんなかったけど、あれは夢なのかな…って思った
あぁ…良かった
って思ってたら
夢の中でさんざん出てきた君を、呼ぶ声が聞こえた
それと同時に、人の死を知らせる音も
そして、君は死んだ
意味が分からずさとみくん達に聞くと、
どうやら僕とるぅとくん、2人で遊んでいたときに
事故にあったみたい
先に気づいたるぅとくんが僕の前に来てトラックの盾になったらしいが、2人とも頭を打ち、生死をさまよったらしい
関係ないのかも知れないが、僕はあの夢で、あのりんごを食べなかったら、
るぅとくんはしななかったのでは?と思うようになった
他人というところがるぅとくんのことで、
るぅとくんと僕の命、どちらを選ぶか?それを聞かれてあたのではないだろうか
夢で人の命が決まるなんて、あり得ないことだけど
僕は、もしもどれるなら**食べるな、**と
伝えたい
あぁ…wころちゃん、食べるなとか余計なこて残してったな…
知らなくていいんですよ
選ばなくていいんですよ
たべれば…いいんですよ
ちゃんと、
消しといてあげますからね
Fin
コメント
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この作品好きすぎて何度もみてしまう、、涙なしじゃ見られません!!