テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
アラスターside
〇〇「・・・アラスター?」
胸中で蠢く、言い知れない感情。
人の気も知らずに不思議そうに私の顔を覗き込む彼女。
言ってやりたいことは山ほどあるはずなのに、言葉が詰まって出てこない。
日頃あれほど饒舌なラジオスターが、聞いて呆れたものだ。
まったく、私らしくもない。
アラスター「・・・・・・・・・あの曲を」
〇〇「・・・・・・え?」
ようやく言葉になった想いを零し、その目を見据える。
繋がったままの手を軽く引けば、彼女の身体は何の抵抗もなく傾く。
支えを失った〇〇を胸に抱き留めると、形容しがたい感情がこみ上げてきた。
戸惑ったように見上げてくるその目から、視線が逸らせなくなる。
今の私は、一体どんな表情をしているのだろう。
アラスター「完成した貴女のあの曲を、貴女の部屋で・・・・・・貴女の演奏で」
アラスター「・・・・・・弾いてくれますか?My dear」
ぬくもりを確かめるように、自分より少し小さなその手を頬に当てる。
肝心の〇〇はといえば、頬を真っ赤に染めながら口をパクパクさせてこちらを見ていて。
もっとからかってやりたくなる気持ちを抑えながら、私は再び言葉を紡いだ。
アラスター「愛情や恋愛など・・・私にそんな曖昧な感情はありません」
アラスター「まして相手のために己を犠牲にし、自身を磨り減らすなどまったく論外。理解しがたいものです」
アラスター「・・・私を守ろうと自分を盾にした、貴女のようにね」
私の言葉を噛み締めるように聞いていた〇〇の表情が、不安そうに少しだけ歪む。
それでも彼女が私から目を逸らさないのを確認し、更に続けた。
2,658
73
コメント
2件
続き来たァ!! てえてぇ…(?)
おお、アラスターsideついに来たか!普段あれだけ饒舌なラジオスターが言葉に詰まるってだけで胸熱なんだけど、「弾いてくれますか?My dear」の流れが尊すぎるわ…。自分を盾にした相手に「愛情や恋愛は理解できない」って言いながら抱きしめてるの、もう完全に自覚してるやつじゃん。この感情の変化を堪能できるのが一番のごちそうだわ🔥