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放課後の教室、チー牛君とボクっ娘(アニオタ要素入り)
(チャイムが鳴り終わり、教室は少しずつ静かになっていく。チー牛君は机に突っ伏しながら、参考書の横にさりげなく小さなアニメの缶バッジを置いていた。好きな作品のキャラで、彼の密かな宝物だ)
ボクっ娘「やっほー、チー牛君!今日もまた一人でカリカリお勉強?青春を机に捧げてるってやつ?」
チー牛君「……その言い方やめろって。別に普通に勉強してるだけ」
ボクっ娘「ふーん。じゃあこの缶バッジは何かなぁ?」
(彼女が机の上の缶バッジを指でつつく。チー牛君は慌てて手で隠す)
チー牛君「触るなっ!」
ボクっ娘「あはは、やっぱりアニメのキャラだ!これ、チー牛君が好きなやつでしょ?」
チー牛君「……悪いかよ」
ボクっ娘「ぜーんぜん悪くない!むしろ可愛い。あ、キャラのことじゃなくて、好きなもん隠そうとするチー牛君が、ね」
チー牛君「……からかうな」
ボクっ娘「からかってないってば。本当にそう思ってるもん」
(彼はバツが悪そうに缶バッジを鞄にしまう。彼女はそんな姿を楽しそうに見つめる)
ボクっ娘「で?今日は何時に帰る?ボク、コンビニ寄りたいんだ。アイス食べたい気分」
チー牛君「……一緒に行くのが前提なのな」
ボクっ娘「当然!だってボク、チー牛君の彼女だもん。デートくらいしなきゃ」
チー牛君「アイス買うだけでデートって……」
ボクっ娘「いいの!ボクがデートって言ったらデート!あ、ついでにアニメ雑誌も立ち読みしてこーよ」
チー牛君「……なんでそれ知ってるんだ」
ボクっ娘「チー牛君、いつもコンビニでそれ読んでるの見てるもん。こっそり後ろから」
チー牛君「……ストーカーかよ」
ボクっ娘「ちがーう!彼女だから観察してるの!」
チー牛君「……どっちにしても恥ずかしいからやめてくれ」
コンビニへの帰り道
(ふたり並んで歩きながら)
ボクっ娘「ねえねえ、今期のアニメでチー牛君が一番好きなのってどれ?」
チー牛君「……言ってどうするんだよ」
ボクっ娘「ボクも観てみようかなーって」
チー牛君「……え?」
ボクっ娘「だって彼氏が好きなもの、ボクも知りたいもん。一緒に語れたら楽しそうでしょ?」
チー牛君「……いや、お前がそういうのに興味持つとは思わなかった」
ボクっ娘「興味あるよ。チー牛君が好きなものは、ボクも好きになりたいから」
(ふっと、チー牛君の胸の奥が熱くなる。ずっと「オタク趣味」を隠してきた自分を、こんなふうに受け止めてくれる存在がいるなんて――信じられなかった)
チー牛君「……俺の方こそ、お前が好きなものなんて分かんないのに」
ボクっ娘「じゃあこれから教えてあげる!ボク、アイスとゲームと……あとチー牛君が好き!」
チー牛君「……最後のは聞いてない」
ボクっ娘「ふふっ、でも本当だから♪」
コンビニ前のベンチ
コンビニでアイスを買ったあと、二人はベンチに腰かける。
夜空には星が瞬き始めていた。
ボクっ娘「はい、チーズケーキ味!あーん!」
チー牛君「……またそれか」
ボクっ娘「いいでしょ、彼女の特権!」
チー牛君「……仕方ないな」
ひと口食べると、思った以上に甘くて、彼は少し眉をひそめた。
そんな彼の反応を見て、彼女はケラケラ笑う。
ボクっ娘「ほらね、顔に出すぎ!」
チー牛君「……うるさい」
ボクっ娘「でもそんな正直なとこが好きなんだよ。アニメのことでも、チー牛君が熱く語ってくれるの、ボクは楽しみなんだから」
チー牛君「……俺、語ると長いぞ?」
ボクっ娘「いいよ、何時間でも聞いてあげる。だってボク、チー牛君の一番のファンだから」
その一言に、チー牛君の胸はいっぱいになった。
彼女の笑顔も、夜風の心地よさも、口に残る甘さも――全部が幸せに感じられる。
チー牛君「……なんで俺なんかを好きなんだよ」
ボクっ娘「それ、もう何回目の質問?答えはいつも同じ。『ボクはチー牛君が好きだから』。理由なんていらないよ」
彼女はにっこり笑って、彼の隣に寄りかかる。
チー牛君は赤面しながらも、その肩をそっと受け入れた。
ただの高校生の放課後。けれど、そこには確かな幸せがあった。