コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
・🌈🕒バグ小説です
・fw幼少期捏造、かなりグロいです。
・センシティブあり。
・なんでも許せる人向け、文章力が無いのでお手柔らかに
・ここから先伏字なし
knmt目線
今日は公式番組収録、しかも大人数だ。
その為先輩として昼前から事務所入りしていた。
同じ部屋にはガッくん。咎人配信をやりなさいという意図が丸見えだが相性はいい為正直嬉しい。
《いや~、久しぶりの大人数、!なんか昔を思い出すっスよね!!》
といいながらいつもの笑顔だったはずなのに。
唐突だった。
ガッくんの正面の空間が歪んだかと思えば
次の瞬間、彼の喉がひゅっと音を鳴らし、目の焦点は何処か遠くへと飛んだ。
《や……やめてッ!!これ以上俺を……置いていかないで…ッ》
ガッくんがあんな声を出すのは7年経った今でも初めて見た。
目の前には僕の姿のような立体的なホログラム。
恐らく幻覚見ているのだろう。
けれどスマホに届いた一件の通知が全てを教えてくれた。
【にじさんじアプリ大規模バグ発生中】
各ライバーの過去のトラウマ、強い記憶が投影される可能性あり、対象ライバー
・葛葉
・叶
・伏見ガク
・加賀美ハヤト
・甲斐田晴
・三枝明那
・剣持刀也
・不破湊
……
と文字が綴られていた。
(……あぁ、そういう事か、いや怖すぎるだろ!)
僕の前でも空気がふっと揺れた。
僕の幻覚は“みんな”だった。
笑ってる顔。泣いてる顔。
過去の仲間、今の仲間。
幸せな時間、解散の時間。
全て僕の好きな物が詰め込まれて押し寄せてきた。
次の瞬間、みんなは卒業や活動休止、ましてや行方不明など
僕が好きな騒がしさは一瞬に消え去った。
胸の奥がズキズキしたけれど
すぐに深呼吸して理性を取り戻す。
(これはバグ、僕は平気、)
と自分に言い聞かせる。
僕はガッくんの背中をさすりながら救護スタッフを呼んだ。
(喉が渇いた)
僕は精神が強いですからね!!
真に受けてるとかそういう訳じゃないですから!!!!
なーんて、誰に向けてるのかも分からない弁解を心の中に殴り捨てた。
廊下を出て数メートル。
もうそこら中が地獄絵図、。
壁に蹲るライバー、泣き叫ぶライバー、誰かに謝り続けているライバー、何かから逃げるライバー。
誰かのトラウマが廊下一杯に投影されていて、何が現実か何が幻覚か分からない。
「ホラー映画かよ、」
正直、僕の足も少し重かった。
好きなにじさんじがたった一つのバグで壊されてしまったのだから。
ふと角を曲がったところで、社長とばったり会った。
〈…あっ!剣持さん、!!貴方も無事でしたか〉
いつも通りのベージュの髪の毛。
けれど、彼の頭の上には光り輝く光の輪がふよふよと浮いていた。
天使衣装の演出なのだろうか、彼の周辺に投影された幻覚は触れる前に全て爆散していた。
「社長、天使になられたのですね(笑)それだと馬鹿力も説明できます(笑)」
少し冷笑も含めながらそう問いかける。
〈剣持ぃ?まぁ……やはりこの衣装、幸運を呼ぶ様ですねぇ〉
社長は苦笑いしていたが、その後ろから悲鳴やすすり泣きが響く度に眉を顰めた。
〈同じ楽屋に居た甲斐田さんも幻覚?に怯えていましてね…。
私が近づくと[こないでッッ!!]と……〉
「社長に近づくと安全なのに……」
混乱と、不安と、自分の弱さへの自覚。
社長も同じどす黒い物を抱えていたようだった。
それでも、人間はこういう時にこそ雑談したくなる生き物で。
気がついたら談笑して16分が経過していた。
「じゃあまた、その衣装存分に活躍してきてくださいね」
〈頑張ります……〉
興味本位だった。
ほんの軽い気持ちで不破湊という空白の部分に誰よりも好奇心を持っているのは、僕
そう自分に言い聞かせ、気づいたらふわっちの楽屋前まで来ていた。
ドアノブに触れた瞬間、何が圧のような物を感じた。
僕の好奇心はみるみるうちに肥大化していき、より一層「ドアノブを開けたい」という気持ちが昂った。
不破湊は感情の気配を掴ませない。
明るいのか冷たいのか、弱いのか、強いのかさえ曖昧な人間。
そんな彼の”トラウマ”。
扉の向こう側にどれだけの絶望が存在しているのだろう。
僕はゆっくりとドアを押し開けた。
ゆっくりと楽屋の扉を開けた瞬間
空気が一段階沈んだ。
冷たい。
重い。
だが妙に静かすぎる。
白い机、光が反射する鏡。
立体的なホログラムには小さなふわっち、
と 大柄で小太りの男。
布団と言っていいのかさえ危うい薄い布の上で
過去のふわっちは男に押し倒され、
小さな後孔に男の“モノ”を挿入されていた。
だがその過去のふわっちは
感情を持っていなかった。
“無い”と言った方が近い。
喜怒哀楽のどれもなく、ただ男を見つめている。
服は薄汚く、手首には強く掴まれた跡があった。
だが部屋の真ん中にぽつんと立っているふわっちは、
過去の自分を立ち尽くして眺めて居るだけだった。
泣きも叫びもしないその彼に、僕は自然と顔を歪めてしまった。
僕は喉の奥がきゅうっと焼ける感じがした。
胸が気持ち悪いほどざわつく。
「ふわ……、っち…ごめんね」
只々彼に都合のいい言葉さえ浮かばず、最低な言葉を口に出していた。
ふわっちの影がふっとこちらに向いたかと思えば、目が合ってしまっていた。
その目は、傷ついた人間の目をしていた。
2000文字超えてしまった;;