「わざわざ暗号文で呼び出したな。何の用だ」
宰相の笑みが一層不気味なものへとかわる。
宰相は耳まで裂けるのではないかというほどに口をゆがめて言った。
「戻ってくるのじゃ。もう一度わしの手駒として」
ギイは宰相に怪訝な目を向けた。
宰相の申し出は予想通りだった。
しかし、はいそうですかと戻れば、却って怪しまれるだろう。
いつも通り、これまで通りに振舞わねば。
ギイは黙ったまま、宰相に背を向けた。
それが宰相の怒りを煽ると知っていながら。
「おまえの奴隷売買証明書はわしが持っておるのじゃよ」
案の定、宰相はこめかみに青筋を浮かべていた。
しかし、ギイが自分に逆らえるはずがない。
宰相にはその確信があった。
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