何で、入国したんだよ。
[エミさんゾムが倒れたんすよ!!]
何で、入国させたんだよ。
「ボス、行って下さい。俺があんたの分終わらせます。」
何で、呼んだんだよ……っ
「ッナタリーさん状況は、!」
「え、え、エミさぁぁぁぁんッ」
泣きじゃくりながら、胸元に飛び込んでくる。正直これには慣れたからいいのだが、それよりも、ベッドに横たわる彼が、視界に捉えられる。
「ッ……何が、あったんですか」
今すぐにでも問い詰めてやりたいのだが、恐らく、ナタリーさんは悪くないのだろう。悪いのは、くられ先生あの人が呼んだに違いない。
「わ、わかんないッ、急に、頭押さえて倒れて、意識、無く、て……ッ」
パニック状態に陥っている彼女の背中を、優しく、一定のリズムで叩きつつ、改めて横たわる彼を観察する。
目元を隠して長い黒髪は、汗をかいていたのか、タオルが乗せられていて、それでわけられている。閉じた瞼の下には薄い隈。血色の悪い頬と唇。だが、一定の息をしていて、脈も正常。
「…大丈夫、疲れて眠っているだけです」
「ぁ、よ、良かった……ッくられ先生シバいてくるっす!!エミさんはゾムを診てて下さい!!」
漫画とかでよくみるハリセンを片手に部屋を出ていく彼女を見送り、少し、ベッドに近付いてみる。傍らに着いた時、瞼がうっすら開いた。そして、あの、聞き心地の良い、私にしか聞かせなかった優しい声で、呟いた。
「だ……れ……?」
まだ、忘れられてる。
「……只の、くられ先生たちの知り合いです。貴方の看護を、任されました」
なるべく、初対面を粧って話す。が、その努力も水泡。
「ちが、う、しってる、でも、だれ……わ、かんない……」
少し苦しそうに顔を歪ませ、思い出そうとしている。思い出さない方がいいのにな。
「無理して思い出さなくて、いいんですよ。忘れたままで、結構です」
「いや、だ……!」
ふわふわした声が、はっきりと意思を感じる声に変わる。起き上がって手首を掴まれる。
「なあ、教えて、くれよ、誰なんだ、嫌なんだ、思い出したいッ、俺の、大切な、大切な人、なんだろ……?」
「……」
大切、ねぇ……
「いいえ、違います」
冷酷だ、なんて言われるだろうが、関係無い。もう、関わって、危険に晒したくないから。
「違う訳無い、わかってる、苦しいんだよ……ッ」
訴える彼の目が震えている。泣き顔なんて、見たくない。
「……”教授”って、呼んでみて下さい。何か、思い出せるかも知れませんよ」
嗚呼、私は、前々からあの顔に弱いのだった。あの顔をされると、何でも許してしまうのだった。
「……きょ、うじゅ……?」
「……はい」
あれから何年だろうか。3年ぶりだろうか。嬉しさと、何か、違った感情が入り乱れる。複雑な心境にある私を他所に、モゴモゴと彼は口を動かしている。そして、目を輝かせた。
「きょーじゅ、教授!えーみーる!!」
「……はぁ?」
「えーみーるのバカ!!何で忘れたまんまでいいとか言うんだよぉ!!!」
「……??」
思い、出した、?
「……おい、何か言えよ」
「……ゾム、さん?」
「!エミさん!おはようのちゅーは!?」
「ゾム……さん……ッ」
ついに、亡くした者が、帰って来た。
私の、可愛い、可愛い、ゾムさんが。
「ッゾムさん、、ゾム……ッッ」
「……エーミール、ただいま」
抱き締めると、深く、深く口付けを交わす。何処かに行かないように、もう、亡くさないように。彼の温度を噛み締めながら、何度も、何度も唇にかぶりつく。ショッピとするのとは、全く違う。
やはり、私はゾムさんでしか、満たされないようだ。
「……ねぇ、ゾムさん」
「んー?」
「まだ、好きで、いてくれてますか……?」
「……当たり前じゃん。何、俺のこと嫌いなった?」
「そんな訳ッ」
「だよなぁ?教授、俺のことだぁいすき、だもんな?♡」
「ッ”……/////」
自分から吹っ掛けた話題にカウンターを受け、顔が真っ赤になってしまう。
それを、けらけらと面白そうに笑いながら、緑色の恋人と、もう一度深く口付けを交わした。
❄︎••┈┈┈┈••❄︎••┈┈┈┈••❄︎
「教授」
「もう教授じゃないんで、名前で呼んで下さい」
「えーみーる」
「何でしょう」
「あんた、見た目、めっちゃ変わったよな」
「あー…嫌でした?」
「んーん、今のえーみーるも可愛い」
「かッ……!?/////」
「か~わい♡」
「……クソが。あと少しで、ボスは俺のもんだったのに」
如何でしたでしょうか?
この話は、プリの方に上げて、此方に上げてなかったお話でして……
ついさっき気付きました(!?)
一応これ、短編集の科四に続くんですよねぇ
こんなラブラブがあんなになるとは……
ルークの性癖、恐ろしい(???)
みなさんは最近、どうですか?
今日、ボクの住んでいる地域は暖かくて、他の地域も暖かくなっているところでしょう。
衣替えは済みましたか?
新学期、お友達は出来ましたか?
とまぁ、しょーもない話は置いといて。
短編集?あぁ、リクエストのを今書いている最中ですので。
では、今日はこの辺で。
さようなら〜
コメント
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作者様プリ小説にも投稿なさってるんですか!?…宜しければ教えてください