テラーノベル
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4月24日。夢を見た。
友達に連れられ、屋上に行った先、空が見えた。
その美しく広い空にもう悲しくなり、嬉しくなり、解放され、ゆっくりと目を瞑った。
そうして、意のままに動いた。寝相のように回って、周りなどどうでもよくなって、
ただそこには、美しい感情だけが渦巻いていた。
目を開けると、そこからビル群が見えた。
今際の際だった。
このまま飛び降りようか、と悩んだところで友達に呼ばれた。
光の溢れた所で、目が覚めた。
人生最高の夢だった。
美しく、儚く、それは時に君を思い出す。
「空白みたいな、君が好き。」
小声で呟くそんな形容詞は、聞かせたくないと思いつつ、でも永遠に唱えたい。
日に照った君の肌は白く、その布は神秘性を発揮している。
たまにすれ違う時の、こちらに期待させるかのような目つき。
仕草、行動、あるいは…
こちらの妄想。
「その瞳に乾杯」なんて常套句の意味を知る。
空白みたいな。なんていうのは烏滸がましいほど、君に惹かれる人がいると知って。
君のその美しい空白に気づく人はいなくて、
君に惹かれる理由だけを見る人しかいなくて。
私は、君に惹かれる理由はただの文章では表せられない、そう気づいている。
風に吹かれたカーテンを見た時、
私だけの、光の流れる教室を見た時。
屋上の夢を見た時、
そして、君を見た時。
その時にしか感じられない、神秘性を帯びた空白。
私はそれに惹き込まれたのだ、と。
でも、
君は、
私は、
そんな神秘なものではなくて、
ただの人間だ。
私は君に、理由を聞かれることもなければ
ただ、こちらの視線を、君は認識するだけなのだろう。
いいえ、することもないでしょう。
階段で見下ろした時の君へ。
廊下ですれ違った時の君へ。
靴を手に取った時の君へ。
君への理由を聞いて欲しい。
「空白みたいな、君が好き。」
いつか、君が
階段で見上げる時
廊下で鉢合う時
私のために、靴を手に取る時
そんな時が訪れますように。
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