⛄️side
自分の家に帰ってきて、握ったものはカッターやった。
手首に当てて、一息つく。
そのまま勢いよくスライド。
じわじわと出てくる赤い液体。
赤い液体が細長く滲み出てくる。
この線を見るだけでどれだけ落ち着けるだろうか。
やっとことのある人にしかわからないだろう。
自傷行為。
それは大半の人が、「死ぬための行為」ではなく「生きるための行為」として行っている。
生きている辛さを自傷行為によって和らげる。
そこの解釈違いで、さらに自傷行為を加速させる可能性があるんよ。
無理にやめさせようとすると、それさえもがストレスになるから。
qnは多分、このことを知っている。
彼も、その1人に過ぎなかったから。
せやから、どこかqnに期待してしまっている自分もおるんよなぁ…ッ
数本の赤い線が腕にできる。
それも今日のだけやない。
それを眺めていると、静かな部屋にインターホンの音がした。
🍌「orくん…ッ!?」
qnの焦ったような声。
こんな声は初めて聞いた。
⛄️「…ッどうしたんや、?」
僕はできるだけ笑って答えるけれど、自分でも不自然な気がするくらい笑えてない。
🍌「…遅かった、ッ?」
僕が目の前にいることに安心するような、でも、どこか悔しそうな表情をするqn。
僕の腕を見ながら口を開いたのは、僕でもなくqnでもなく、bnさんやった。
🍆「orくん…ッ、ごめん、ねッ?」
こういう時に空気を和らげるかのように声を発せられるbnさんは本当にすごいと思う。
⛄️「なんで…ッbnさんが、謝るんすかッ」
できるだけ声が震えないように、泣かないように、下をむきながら話す。
けれど、下には、ショックそうな顔で床に座り込むqn。
あまりの衝撃に絶句して声を発せられないdzmn。
そんな状況の中、僕は喋り出した。
⛄️「悪いのは…ッ僕をこんなふうにした真の犯人ですよッ、?」
そうだ…
元々はこんなことに巻き込んだ誰かもわからない犯人。
あいつのせいなんだ。
🦍「orくん…ッ」
⛄️「僕の無罪が…ッ証明、されたら…またッ仲良くしてください、ッ」
これが僕が願う最後の望み。
また5人で笑って動画を撮って、それから一緒に遊んで…
そんな何気ない日常が、当たり前じゃなかったんやって今になって気づいた。
…いや、気付かされた。
🐷「あぁ…もちろんだッ」
僕はできるだけ自然に優しく微笑んだ。
⛄️「qn…、?僕は大丈夫やから。qnの時に言ったでしょ、?ね。」
🍌「助けてあげられなくて…ッごめん、ねッ?」
もう…
___泣かせないって決めたのになぁ…ッ
僕は何も言わずに4人を抱きしめた。
これ以上口を開いたら、涙が止まらないとこが目に見えていたから…
🍌side
あれから1ヶ月。
もうすっかり暖かく、春になった。
そして…orくんの無罪判決が言い渡された。
2ヶ月以上に及ぶ裁判の結果、俺らは多くの時間をorくんの無罪判決のために費やした分、それ以上に大切なものを見つけた。
あの時のorくんみたいにカッコ良くはなかったけれど…
___助けられてよかったなぁ…
コメント
18件
ああ、最高ありがとう…(( えもう天才??? アンダーバーの使い方もうますぎて絶句してr(( やっぱ病み系好きです((
もうほんと、素敵 私の相方には勿体ないっす…(( ☃️…良かったね、!(
病み系いいねッ!!大好きよそういうの、 ななちゃん才能ありすぎね!