テラーノベル
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『君の好きが分からない』
ポト… ポト…
コーヒーが落ちる音だけが、キッチンに響く。
部屋に滞る、独特な匂い。
コト、
「はい、千空ちゃん。コーヒーどーぞ。」
顔の前で立つ、温かい湯気。
その温かさは、体よりも先に、心に染み付いた。
「角砂糖いる?」
「三個くれ。」
「えっ、三個も??」
「千空ちゃん、結構甘党なのね〜、意外。」
クスッと笑って、瓶から角砂糖を
一個、二個、三個。と、俺のマグカップに放り込んだ。
日曜日。幻の家。
日曜日が一番、大学生活の中でゆっくり出来る曜日だ。
「千空ちゃん、これ、お家デートだね♡」
冗談っぽく、ケラケラ笑う。
「あ”?そーゆーのはいちいち口に出すな。」
「え”っ、ちょ、舌は甘党なのに対応は塩すぎない??ジーマーでなんで??」
「舌と対応は関係ねぇよ…」
幻の面倒臭い反応に呆れて、ふと、周りを見渡す。
「…テメーの家、なんというか、 」
「綺麗…というより、生活感がねぇな。」
「え〜?そう?」
『そんなこと、初めて言われた。』と言うような顔で聞き返す様子を見て、わざとそうしている訳ではないと分かった。
棚には本も置いてあるし、ふかふかのソファも、今風の机もある。
だが…
写真、趣味の物、過去を思い出させる物がない。
一言感想を言うとすれば…機械的だ。
…思い返してみれば、幻の好きなこと、嫌いなこと、趣味を、会話した覚えがなかった。
「幻、テメー、何するのが好きなんだ?」
「…”好き”って?例えば?」
「…そうだな…」
趣味か…
…何故かは分からないが、昔、テレビでやっていた、世界的に有名なマジシャンのマジックショーが思い浮かんだ。
「マジックが好き、とか。あるだろ。」
「………マジック、か。」
…あまり、ピンと来ていないようだ。
なんだか、幻の表情が曇ったような気がする。
「…じゃ、嫌いなことはあるか?」
「……うーん、あんまり、そーゆーの分かんないや♪」
好き嫌いが全く無い。分からない。とか、 人間らしくねぇな…
「…俺は、千空ちゃんがいれば十分だよ♪」
「千空ちゃんが隣にいると…落ち着くんだ。」
その返答に、『趣味を聞いたのに、なんだそれ。』
と思った。
単純に嬉しくもあった。
幻に、俺の隣が落ち着く場所だと思ってもらえて。
「やっぱ、俺、幻のこと好きだ。」
「…そっか!」
微笑んだ。温かく、穏やかに。
“いつも通り”の、お手本のような…完璧で、優しい人間の表情だった。
でも、今日、
“いつも通りじゃない”…人間らしくない、機械的なテメーの一面を見た。
俺が好きだと言った、”いつも通り”の人間らしい幻は、
本当の幻なのか?
仮に、本当の幻が人間らしくないのなら…
本当の自分ではない自分を好きだと言われた幻は、辛いのではないかと
不安になった。
はい!第2話 『君の好きが分からない』 終わりです!
千空にとっての、幻の
いつも通り=人間らしい
いつも通りじゃない=人間らしくない
なんですねぇ。エモいですねぇ。
多分お気づきですが…サムネ、テラーノベルのフリー画像?てきなやつじゃなくて、自分のイラストにしました!!
なんか…過去イチこだわりました。本当に。
完結した後よく見てほしい↓↓↓
線画↓
マグカップは素材です!!!!!!!
コメ嬉しいです!!😭✨ありがとうございます🥹🫶🏻︎💕︎︎
このお話、最終話まで書き終わってるんです…
はやく皆さんに見せたすぎて…😭(ほんとにはやく見せたい見せたすぎる)
次回までの1週間私が待てないので、(すみません…)
♡500 いったら曜日関係なく更新します…😭😭
いかなかったら水曜日更新です🙇🏻♀️´-
もう……本当にすみません🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️🙇🏻♀️
ではまた次回!
コメント
8件
くそ…ッッッッッ見るの遅れすぎた泣泣泣いいね500にしました😇💕💕 表紙好きすぎます…うわぁぁぁぁちょっと照れてる千空ちゃんかわいすぎんか😇 続きが早く見たすぎる…… 実はこのお話読むの3周目なんですよ…笑🤭 最近のドクストゲン千あんまなくてぴえんって感じでしたけど栄養補給になってます🥺🥺
よし早く500…いや1000いくぞー!!!