テラーノベル
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玄関のドアを開けると、
外の空気が透き通っていた。
冬の名残みたいな冷たさが、頬に触れる。
出かけようとしたけれど、
長袖のTシャツ一枚では少し肌寒くて、
結局、カーディガンを羽織ることにした。
春は、まだ少し遠いのだろう。
歩きながら、
卒業式までの日々のことを思い返していた。
特別な出来事があったわけじゃない。
ただ、時間だけが静かに流れていた。
そういえば、
そんなに仲が良かったわけでもない人と、
将来の話をしたことがあった。
どうして、あのときの私は、
急に思い出を作ろうとしたんだろう。
答えは出ないまま、
歩幅だけが一定に続いていく。
考え事をしているうちに、
胸の奥から、懐かしさが込み上げてきた。
きっと、この懐かしさの先に、
あの人に伝えたい想いがあったはずなのに。
でも、どれだけ月日が流れても、
あのときの私は、きっと伝えられなかった。
今だって、そうだ。
コメント
1件
わぁ〜✨️楽しみ!✨️ ヨハクちゃんも、切ない系好きなのー?私も大好きで!w