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最近、体や頭が重いと思うことが多かった。
休もうとなんて思わなかった。いや、休めなかった。
柱である俺が、皆を守らないといけない。
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頭が痛い。体がだるい。足元がふわふわする。
朝起きて、最初に思った。
理由はわかっていた。最近任務が続き、あまり休めず食事も取っていなかったからだ。
でも、行かなければならない。平和に過ごす人々の、日常を守るために。
今日は任務ではなく、柱会議だ 。
今からならギリギリになってしまう。走って向かわなければと思っているのに体は動いてくれない。
「っはぁ、はや、、くっ行かな、はっ、いと」
それでも、俺は刀で体を支えながら歩いていく。
水屋敷を出てからどこくらい経っただろうか。
もう会議が始まってしまっているのか。
そんなことを考える余裕など、なかった。
「っぐぅっ あぁっっ」
頭はズキズキと締め付けられるように痛い。
体は鉛のように重たい。
刀で体を支えていないとすぐにでも崩れ落ちそうだ。
そして、吐き気が強くなっていた。
そして、
「っーーーーー!はぁっっ」
膝から崩れ落ちた。
何が起こったか理解できなかった。
何故、、、俺は倒れている?
こんなこと一度も起こったことがないのに。
俺は 、早く行かなければならないのに。
無断欠席をして、周りに迷惑をかけたくない。
なのに。
なんで。
なんで動かないんだよ。
苦しくて息が続かない。
吐き気も強くなってくる。
焦点が合わない。
それにありえないほど寒い。
「 ゴホッ…ヴ…ゲホッゴホッゴホッ… ヴ…オエッ」
少しづつ我慢ができなくなる。
胃の中の物が少しづつ出てしまっている。
「ッッヒューカッヒューッゴホガハッッッヒュー」
隙間風のような音が喉から鳴る。
呼吸が上手くいかない。
もう 、 無理だ、、、っ
そうして俺は意識を暗闇へと手放した。
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おかしい。
冨岡が来ていない。
いつもは一番に来て静かに一人座っているのに。
アイツのことは嫌いだが、同じ場所で戦うのだ。
気になりはする。
「おい胡蝶ぉ、冨岡が来てないんだがなんかしらねェのか」
「おや?本当ですね、、、蝶屋敷には来ていないはずですなんですが、、、まぁ最近任務が続いていたみたいなので、寝坊かもですね☆」
「、、、アイツ寝坊なんかで欠席しやがったらまじ許さねェ」
「まぁ待っていたら来ると思いますよ。冨岡さんは迷惑をかけるのがお嫌いそうでしたので。」
それから何十分たってもアイツは来なかった。
そして。
御館様が来るまで、いや来てもなお、アイツは姿を現さなかった。
「今日は義勇がいないみたいだね。何かあったのかな。」
そう御館様が問いかけても、誰も理由なんて知らなかった。
「何かあったのかもしれないから、誰かまた見に行ってあげてね。」
↓
↓
↓
柱会議が終わって
「富岡さんのことを見に行こうと思うのですが、誰か一緒に行きますか?」
その問いかけに 宇髄、悲鳴嶼、時透、俺が同意した。
だが、アイツの屋敷に行っても誰もいなかった。
「どこかへ行ってしまわれたのでしょうか、、、探します?」
「まァ一応探すかァ 」
皆分かれて探すことになった。
何で俺がアイツなんか探さないと行けねェんだよ。
そう心で思ってはいたが、何故か胸がザワザワして何かあったのではとも思っていた。
そうして探し始めて数十分経った時。
道端に誰かが倒れていた。
その倒れている奴が来ている羽織は、
見覚えのある半分で色が分かれているアイツの羽織だった。
「っおい!!冨岡!!」
すぐに駆け寄りガクガクと揺らす。
いつも無表情なあの顔が苦痛で歪んでいる。
だが固く閉じられた瞳は開かない。
脈が薄い。
かなり大変な状況とわかり、誰でもいいから柱を連れてこいと鴉に頼んだ。
「ヴ…ッさむ、、、ッい、、」
寒いと言っているので自分の羽織を冨岡にかけ、声をかける。
「しっかりしろ!!!大丈夫かよ!!」
「おい!!おいっ!起きろ!!」
そして。
固く閉ざされていた瞳がゆっくりと開いていく。
「ッ…?しな、、ず、がわぁ?」
ろれつが回ってない。
明らかに大丈夫ではない。
「何があったんだァ?今の気分は?」
「ッさむいッッあた、、まいたい、、」
「そうかァ、ほかはなんかあるかァ?」
「きも、、ちわる、、、いッッッッ」
気持ち悪と言っていたから座らせ、背中をさすってやる。
「ゴホッ…ヴヒュー…ゲホッカヒュゴホッゴホッ…」
「ゴホッッヒュッッオ…エッヴエッゴホゴホッッ」
時々唇の端から唾が垂れている。
それに過呼吸になりかけているのかもしれない。
「おい聞こえるかァ?聞こえたら手握れ」
ぎゅっと握り返された手には弱々しいものだった。
「俺に合わせて息吸え すぅーーーはぁーーー」
「すぅーッッッッゴホッッはぁヒュッゥすぅーーーヒュはぁーーーッッ」
「そうだ上手いぞォ」
その時。
胡蝶が走って向かってきているのが見えた。
「大丈夫ですか!!冨岡さん!!」
「ゴホッッッッヒュゥだいじょ、、、ぶヴッッだ、、、」
「いや明らかに大丈夫じゃねぇだろ」
「私の屋敷まで悲鳴嶼さんが運んでくれるのでもう少しだけ頑張ってくださいね。」
悲鳴嶼が富岡を運んで行った時、胡蝶が聞いてくる。
「冨岡さん、何か言ってましたか?」
「えっと、、頭いてェのと寒いと、、、気持ちわりィって」
「あと焦点が合ってない気したし熱もあったぜ?」
「そうなんですね、、、ありがとうございます。」
「普段の過労と風邪と、この暑さの中倒れていましたし熱中症とかですかね、、、」
「そうかィ。ったく無理しすぎなんだよアイツは」
「そうですねぇ、、、」
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暗闇の中苦しさだけがあった。
頭が痛い。
寒い。
気持ちが悪い。
早く。早く行かないといけないのに。
「ヴ…ッさむ、、、ッい、、」
「ーーー」
なにか聞こえる。
「ーーい!」
「おい!!」
聞きなれた声に呼ばれ、ゆっくりと目を開ける。
「ッ…?しな、、ず、がわぁ?」
上手く話すことが出来ない。
「何があったんだァ?今の気分は?」
「ッさむいッッあた、、まいたい、、」
「そうかァ、ほかはなんかあるかァ?」
「きも、、ちわる、、、いッッッッ」
不死川は俺の体を持ち上げ、座れせてくれる。
そして背中をさすってくれた。
「ゴホッ…ヴヒュー…ゲホッカヒュゴホッゴホッ…」
「ゴホッッヒュッッオ…エッヴエッゴホゴホッッ」
本当に気持ちが悪い。
こんなにも悪化するなんて思っていなかった。
吐きそうになるのを必死に我慢する。
また、呼吸が上手くいかくなってくる。
目の前がぐにゃぐにゃと歪む。
「おい聞こえるかァ?聞こえたら手握れ」
声が聞こえる。差し出された手を握る。
「俺に合わせて息吸え すぅーーーはぁーーー」
「すぅーッッッッゴホッッはぁヒュッゥすぅーーーヒュはぁーーーッッ」
「そうだ上手いぞォ」
苦しい、苦しい、苦しい。
俺の意思なんて関係がないみたいに。
涙が自然とあふれてくる。
その時、胡蝶が走ってこっちへ来ているのがわかった。
そして、俺は助かると思って安心したのか、
苦しかったからなのかは分からないが、
意識を手放した。
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体調が一通り回復した。
胡蝶に体を大切にしてください 、と怒られてしまった。
今回ので本当にそうだな、と思った。
任務で休みが取れなかったのに加え、風邪をひいていたらしい。
その後真夏の屋外で数時間倒れていたため熱中症にもなっていたようだ。
御館様が休みを下さり、色々な人が見舞いに来てくれた。
完全に回復した後、不死川とおはぎを食べに行った。
かなり怒られたが、倒れていた時優しく声をかけてくれて本当に助かった、感謝する。
と伝えると、
「体調悪い時はしっかり休めよォ、
今回かなりやばかったんだからなァ。」
と笑って応えてくれた。
初投稿で下手だったかもですが!!
優しい目で見てくださると嬉しいです!!
ありがとうございましたーーー!!