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「圭兄ちゃん」私は圭兄ちゃんに聞きたいことがあってお兄ちゃんの名前を呼んだ。
「母音でいいなよ」
「名前ぐらいはちゃんと呼ばせて」
「分かった」圭兄ちゃんは納得してくれたようだった。
「あえいおおうあんあいうえあおいいいあんおうえうえあんあうあお?」私は圭兄ちゃんに聞いてみた。
「前にお父さんが言ってた俺の夢?」! 1回で伝わった! 頭の回転早い!
「どうした?」私が驚いていると、圭兄ちゃんは心配してくれた。
「いあ……おんおういうああうああうえ」
「本当に伝わったなって? おう!」
「うおいお!」
「ありがとう!」
「おええおええ?」
「俺の夢は映画監督になることだった」圭兄ちゃんは遠くを見つめて教えてくれた。
「えいああんおう!?」驚きのあまり声が裏返ってしまった。
「そうだよ、俺昔から映画大好きだから、いつか自分で作ってみたい!って思ってたんだ!」
と圭兄ちゃんは目を輝かせた。
「おおうえおおうあんいいえいあええあいあえあうおえあうあうあんあんあえ……」
「あぁ……でもいいんだ! 夢奈の夢を応援できるから!」
「圭兄ちゃん……」
「なんだ、その顔は……」
「あうえ……」私は肩を落とした。
「大丈夫!」そんな私を圭兄ちゃんは
「おいいあんあえいああんおういあいあいうえいうあおああんあいおおお?」
「10歳かな」!
「え! 10あい!?」
「うん」
「ああいあうあえあおいあ……」
「そうだな、それと重なってたのもあるかもしれない」
「おいああいあえいいいあんおうえをおうえん
えいえああ……」私は圭兄ちゃんの夢を応援できなかった自分を悔やんだ。
「何言ってるんだよ……仕方ないだろ」
「うん……」私は俯いた。
「映画監督になりたかった俺がまさか公認会計士になるなんてな」
「おういんあいえいいあんえうおいお! えいああんおうあいあええおうあんあんいあえるおうおうああいお」
「ありがと」圭兄ちゃんは控えめにお礼を言った。
「あうえこうあいえんうかうえうんあお? おんえいいあう!」
「尊敬するなよぉ〜ハズいじゃん!」圭兄ちゃんは顔を赤面させた。
「おんおうおいお!」
「でもこれが本当にしたいことじゃないからさ」
「おうあ」