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キスを何度かくり返した後で、
「今度の連休は、私の別荘で過ごしませんか?」
ふと思いついたように彼が話した。
「別荘って、どうして急に?」
何か意図があってと思い尋ねると、
「久しぶりに行ってみたくなって」
とだけ、答えが返った。
「そうなんですね…」頷いて、わけは教えてくれないのかなと、少し戸惑っていると、
「理由は、秘密にさせてください」
彼がフッと微笑んで、人差し指を唇に当てた。
こくりともう一度頷いて、「行くのを、楽しみにしてますね」そう返事をして笑って見せると、
「では今一度ホテルへ戻りますか?」
彼が口にして、腰にまわした手で私の身体を誘《いざな》うように、またホテル内へと引き返した。
「先生、そういえば車はどうするんですか?」
気になって訊いてみると、
「運転はできないので、このままホテルに泊まろうかと」
なぜ再びホテルへ戻ったのかが知れた。
「予約は、もうしていて?」
ディナータイムの遅い時間帯に部屋が取れるんだろうかと感じていると、
「幸いスウィートルームは空いていましたので」
彼がさらりと話して、
「えっ、スウィートルーム?」
と、思わず聞き返した。