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時間軸ブレブレですしょっちゅう変わります、適応してください…m(*_ _)m
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lp視点
好きな人がいる。
近いのに、遠くて…絶対に、俺とは結ばれない人。
…わかっているから。今日も言葉を突きつける。
lp「…ろぜ、嫌い。」
rz「…またかよ。わかってるから、わざわざ言いに来ないで。」
冷静に言い放つ背中は妙に冷たくて、胸の内を棘でぐさぐさ刺されるような感覚に陥る。
ロゼは、俺に嫌いって言われてなんも思わないのか。…まぁ、そうだろうな。何回も言ってんだから、もう効かないか。
今。嫌いなんて言わなかったらこんな気持ちにはならなかったかもしれない。自業自得なのに、なにをこんなことで落ち込んでいるのか。
…毎日、嫌いって言うって決めたのは自分のくせに。
俺とロゼ、2人だけの空間に沈黙が騒ぐ。時計の秒針が進む音だけが沈黙の中を走っていた。
発端は、ほんの数週間前。ロゼへの片思いはもうとっくに自覚していて。
ロゼを、自然に目で追っているうちに、ロゼはらいとのことが好きなんじゃないかと思い始めた。
思わなければ良かったものの、思い込みというのは加速していくもので。
ロゼがらいとに向ける顔、行動、言葉、声でさえも自分に向けるものとは何もかも違うように思えてきた。
らいと専用のロゼ。そんな感じがして、耐えられなかった。俺にそのロゼが向いていたらどんなにいいことか、そんなこと何度も思った。俺も、ロゼに好きになってもらいたかった。自分ができる限りのアピールはもう全部やった。…全部、伝わらなかったけれど。
俺の好きは伝わらなくて。全部全部、何もかもかけても、俺はらいとには勝てない。らいとより好きになって貰えない。…だから。
一緒に幸せになれなくたっていい。一緒に喜びを分かち合えなくたって、1番そばにいるのが俺じゃなくたっていい。…ただ、ロゼが死ぬ時に、最期に思い出す顔は俺がいい。それだけ叶えられれば、それでいい。
最期に思い出すのが恋人との思い出でも、家族との思い出でも、他でもない俺の顔だったら何より嬉しい。そうなるためなら何をしたって厭わない。たとえその時には嫌われてたって、構わない。
そう、言い聞かせた。
人の心に1番残る人物像ってなんだろう、毎日考えた。可愛い人?1番愛してくれた人?1番長く一緒にいた人?だとしても、全部俺には当てはまらない。可愛いなんて以ての外だし、愛していても伝えられなきゃ意味がない。恋人でもない俺が1番愛してるなんて言っても心残りにはならないだろうから。…一緒にいる歴なんて、らいとにはもちろん、みかさにだって負けてるのに。ありきたりな思い出だけじゃ勝てないに決まってる、ロゼにとって俺への印象はそれほどのものでもないんだから。俺でも何かロゼの心残りになれるか、何をすれば強く心に残ってくれるのか。
人は、好きな人より憎くて憎くてたまらない人の方が心残りになると言う。皮肉にも、前好きな人、よりも前嫌いだった人の方が鮮明に顔を思い出せる。もっとも、好きな人に強い執着を抱いている場合は別だが。
言葉だってそう。好きの一言より嫌いの一言の方がより強く心に突き刺さる。ネガティビティ・バイアスって言うらしい。負の感情の方がより強く心に刺さりやすいんだって。
好きより強く残るのは、嫌い。…つまり、俺もロゼを嫌いといえばらいとのことが好きって気持ちよりも、俺のことが嫌いっていう気持ちの方が、強くなってくれるだろうか。俺のことを嫌って、憎んで、嫌がってくれるだろうか。それなら。らいとより強くロゼの心に残ってくれるなら、そっちの方がずっといい。…だって 、嫌われたって構わないんだろう?
嫌われたくない、なんて心の奥の小さな叫びを押さえ込んで、閉じ込めて。”ロゼの嫌いな人”になることを決意した。
2人きりの空間。うれしいはずなのに、悲しい。好きな人に嫌いって言うのがこんなにきついなんて知らなかった。心が、張り裂けそうなくらい痛む。苦しい。…でも、頑張らな。俺が、ロゼの一生の心残りになるんだから。
相も変わらず、静寂の中に時計の秒針の進む音だけが響いていた。
rz side
嫌いって言葉を流すように返事をして、後ろに立ち尽くすらぴすを内カメに写す。もちろん、スマホをいじっているふうを装って、バレないように。らぴすは、辛そうな顔をして俯いている。親指をもう片方の手で包んで、立ち尽くしている。
…そんなに辛そうな顔をするなら、そんな嘘をつかなければいいのに笑
らぴすは嘘をつく時、大抵親指を握る。多分、優しいから嘘をつく時くせが出てしまうのだと思う。
最初はなんでらぴすがそんなことを言うのか分からなかった。だって最初から嘘だと気づいた訳でもないから。嫌いなんて言われて苦しかった。なんで俺がそんなことを、らぴすに、想い人に言われなきゃならないのか。だって嫌われるようなことするはずない。むしろ気を惹くために行動していたはず。そしてそれは順調で、確実に。…らいとと仲良くしている俺に嫉妬してもらえるくらいには惚れさせられていた、はず。
なのに俺に嫌いなんて言う。どうしてだろう。らぴはらいとが好きだった?だかららいとと仲良くしてる俺に嫌いなんて言ったのか?あの嫉妬の視線もらいとに向けて?…いや 、有り得ない。らいとは他に好きな人がいて、らぴになんもしてないのに惚れられるはずがない。声だって、性格だってらぴはらいとより俺の方が好きなはずだし。…本当にらいとに惚れてるんだったら、奪ってやる。だってらぴを1番愛してるのは俺で、らぴが好きな人も俺でありたい。
…くらいには思ってたし、思い詰めてた。毎日言ってくるのでそのたび嫌な気持ちが濃くなった。それでもらぴすの心の内を知りたくて、嫌いって言うらぴすを見てみると、嫌いって言ったあといつも俯いている。寂しそうな、辛そうな顔をしている。極めつけに、親指のくせ。
嘘だって 、気づいた。
…でも、俺のことが嫌いは嘘でもらいとのことは好きかもしれない。自分がらいとに近づくために俺に嫌いと言うのかもしれない。だったらなおさら引いてやんない。絶対に俺に惚れさせて、らいとのこと見たことなんて後悔させてやる。だってらぴのことこんなに好きなやつなんて絶対に俺以外にいないんだから。
でも 、冷たい反応なんてしたら本当に嫌われるかもしれない。…なんて、わかってるのに。
らぴすが嫌いって言ったあとの表情、肩の震え、くせ。何もかもにきゅんとしてしまう自分がいて、やめようにもやめられない。好奇心まで沸くくらい。「俺も嫌い」なんて返したらどうなるんだろう。逆に、「俺は好き」なんて返したらどうなるんだろう。そんなことをメルトに詳細までは言わずとも話したら軽く引かれた。
なんなら今日、俺も好きって返してみてもいい。らぴすはどんな反応をするだろうか。しかし後ろを内カメで見てもらぴすはそこにいなかった。
…いつの間に?
なんて入口を見ると扉が少し開いていたので、俺は椅子から立ち上がり、扉へと向かった。
lp side
いつまでも静寂が続く2人きりの部屋。だんだん後悔に苛まれて息苦しくなってくる。だんだんだんだん、追い込まれて。ついには耐えきれなくなって、後ろの扉にゆっくりと歩き出す。2人きりの部屋、好きな人と。本来は嬉しいはずなのに今はここにいるのが苦しくてたまらなかった。出ようと扉を開けると、ちょうどこの部屋に入ろうとしたのからいとが扉の前に現れて、軽くびくっと肩を震わせた。
li「…らぴす、なんかあったん…?そんな顔、しよって。」
lp「っえ、なんも…ないよ。…なんも。」
li「絶対あるやん、お前さぁ…言えや、そんな辛そうな顔見とったらウザったいわ。」
らいとはそんな態度だけどなんか俺は期待して、気づけばらいとに話していた。
lp「おれ…ろぜに、毎日嫌いって、言ってて…それが、だんだん辛くなってきて、さぁ、俺が嫌いって言ってるから、ろぜも俺のこと嫌いになってるんやないかなぁ、って、それが、…いやや、…おれ、嫌われたくないよ、らいと…っ」
気づけば頬に熱いものが伝い、縋るようにらいとの胸元に頭を預けていた。
らいとは暫し考えるような素振りを見せたあと、俺の肩に手を置く。
li「らぴす。…ロゼはお前んこと嫌ってなんかないけん。親友やし、公式ペアやし、わかるよ、大丈夫。まぁ、すいとーやつに嫌いなんていうお前は馬鹿やけど」
らいとのその言葉が一層涙腺を刺激して、余計涙が溢れてくる。
lp「だって…っだって、ろぜらいとのこと好きやし…こんな方法やないと、俺なんかがろぜの頭ん中に一生いることとか…無理やん…、っ」
li「らぴすさぁお前、ガチで馬鹿なん?視野狭くなってんなよ。もっと他に方法あったやろ。あと、ロゼが俺んこと好きとかないしな」
lp「でも、いつもろぜの近くにいるのはらいとやし、らいとといるときのろぜがいちばん楽しそうな顔してると思うし、らいとは気づかんかもしれんけど、ろぜはらいとのことが好きなんよ、…」
li「お前…めんどくさっ!!すいとーなら諦めてんなよ、ロゼには好…いや、相手がまだおらんねんから。チャンスだと思っとけよ」
…らいとは、分かってへんねん。希望がないことの虚しさが。ロゼがたとえらいとのことが好きじゃなかったとしても俺なんかに到底希望はないのに。
無性に虚しくなって、らいとを抱く力を強める。瞬間、肩を強い力で引かれる。
rz「…何してんの?」
低い、威圧感のある声。振り向くと、見たことない、怖い顔をしたロゼがいた。…あ、これは、俺がらいとに抱きついてたから怒ってるんやな。自然にそう理解できて。
lp「っぁ、ごめん、あの…俺が泣いてて、らいとは慰めてくれてただけやから、俺が悪くて、らいとは悪ないからっ…ごめんろぜ、」
必死で自分のせいだって、らいとは悪くないって、主張する。嫉妬に染まった視線も声も、矛先は全部らいとへの好意によるものだろうから。俺はすぐにらいとから離れる。それでも変わらずロゼは俺に冷たい視線を向ける。
rz「なんで、らいとに抱きついてんの?さっきまで俺の後ろにいたのに、いなくなったと思ったららいとに抱きついてんのおかしくない?俺のことは嫌いでらいとのことは好きなの?なんで?俺なんかした?逆にらいとはらぴすに好かれるような何かしたの?ねぇ、なんなの?」
肩を強く掴まれて、問い詰められる。
lp「らいと、が、いつもの調子で…安心して…そういうとこが、好きなんやなぁって…思って……ぁ…」
気づけばまた、頬に熱いものが伝っていた。好きな人の前で泣くとか、情けないな、なんて思いながらも溢れて止まらない涙を袖口で拭う。
実際、らいとと話していて気づいたのは好きになられる要素ばっかり。悪態はつきながらも決して適当に言葉を返すことはなくて、元気づけようとしてくれる。俺は勝てないな、なんて当たり前に思ったことだし。
俺にはやっぱり、無理やったんや。ロゼの心に一生焼き付くことなんて。…好きな人に、忘れられない人でいたかった。そんなタラレバが、俺の一生の心残りになるんだろうな。
ロゼは今、俺から離れてらいとと話しているのだろう。何を話しているかなんて、知りたくない。聞きたくない。都合よく、ちょうどよく、話を聞き流す。
…もう、いいや。最後にしよう。次で、最後。気持ちをぶつけて、終わりにしよう。
lp「…ろぜ。」
rz「は?なに。」
機嫌が悪そうに答える、ロゼ。でもいい。このまま振られたらすっきりする気がする。
lp「…好きやったよ。ろぜの、ぜんぶ。大好きやった。全部俺のものにしたかった」
rz「…え?」
lp「…はは、冗談やって、もう……俺の事なんか気にせず、幸せになってや。」
そう言って無理やり笑顔を作って見せる。こんな自分も嫌になる。本当は、俺以外と幸せになって欲しくないし、死ぬ時に思い出す顔は俺がいいという考えも変わってすらいない。でもそれ以上に、嫌われたくないから、嫌われるのが辛いから、独占欲に蓋をして。
次の瞬間、ロゼに勢いよく胸元を掴まれ、詰められる。
rz「なにそれ、じゃあなんで嫌いなんて言ったの?俺ほんとにらぴに嫌われたのかと思ったし、なんでかとかずっと考えてたんだけど。それを忘れてとか出来るわけないだろ!?」
lp「嫌いって、言ったんは…俺に言われるなら、嫌いの方が脳に焼き付くかと、思って…俺は、ろぜが好きで、ろぜに好かれたかったけど、それが無理やって分かったからせめて毎日嫌いって言って脳に焼き付けようと、…ごめん、こんなんずるいよな、」
rz「何言ってんの?好きなら好きって言えば良かったじゃん、好きの方がずっとずっと嬉しいんだけど」
lp「っでも…ロゼは、らいとのことが好きなんやろ…?やから、諦めんねん、もういいの。」
rz「もういいって、そっちで勝手にキリ付けられても困るんだけど。らぴはなんで泣いてたの?なんでらいとに抱きついてたの?教えてよ、早く」
lp「…好きやったから、やっぱ、嫌いって言うの辛くてさ、…らいとが話聞いてくれて、安心して、抱きついてもーて…」
rz「ふーん…で?俺の事まだ好きなの?」
lp「ぇ…?」
ここで好きって言ったら俺は救われるのか、それとも絶望を突きつけられるのか。俺にはその2分の1が怖くて、日和ることしかできなくて。
lp「嫌いに、なるから…もう近づかへんから……不快にさせて、ごめん、」
rz「は?なんで?俺がいつ不快になったって言ったの?嫌いになって欲しいって言ったの??ふざけんのも大概にしろよ」
lp「なんで、?好きやないやつから言われる好きが1番不快やろ…?」
rz「だから、誰が好きじゃないって言ったんだよ。俺はらぴのこと好きなんだけど?」
一瞬の事で、その言葉が瞬時に理解できなくて。
理解した途端、言い聞かせる。これは、そっちの好きじゃない、絶対に。自惚れるなよ俺、
lp「ありがとう、やけど…もう、諦めとるからさ、?罪悪感とか持たなくてへーきやで…っ?」
rz「罪悪感とかさぁ、酷くない?俺の告白そんな風に受け取るんだね、らぴ」
lp「だってそっちの意味で言ってへんやろし…これで嘘とか言われたら、立ち直れへんもん」
rz「はーぁ…じゃあ勝手に諦めてればいいんじゃない?俺は一生離れてやんないけど。俺の顔見る度に後悔しとけば?」
lp「いや…なかったことにする、から。好きだったこと。」
うそ。たぶん、一生忘れらんないし。
rz「っめんどくせーならぴって…っ!おい、よく聞けよ!?俺はらぴのことが好きだよ、愛してる!ずっとずっと、振り向かせようと必死だった!」
lp「…え。」
rz「はぁ、もう…俺もさ 、らぴがらいとのこと好きだと思ってたの。急に、俺に嫌いだなんて言い出すから。…馬鹿」
lp「…俺の嫌い、傷ついた?」
rz「すっっごい傷ついたし、ふっかい傷なんだけどどうしてくれんの。」
lp「誰から言われる嫌いよりも何よりも、俺から言われる方がつらい…?」
rz「そりゃそうだろ、好きって言われたいやつからの嫌いとかほんっとに…っ」
…じゃあ。ここで思うのはおかしいのかもしれない、けど…なんか……
lp「…嬉しい」
だってそれは、俺の思いどおりになれたってことだから。ロゼの脳に焼き付けたってことだから。心の奥底に深く刻み込めたってことだから。ロゼから見て俺の顔、声の記憶での嫌いが、ロゼの心を深く傷つけられたってことだから。それを俺ができたのが、なんか無性に嬉しくて。
rz「何ひとりで嬉しくなってんの、こっちは傷ついたんですけどー?」
1人で浸っていたらロゼに嫌味っぽく言われる。…俺がなんかしろってことなんかな、これ。
lp「ごめん、嫌いとか嘘やった。付き合ってないのに心残りになろうとか、ずるいよな、…嫌わないでほしい、」
rz「うん。で?」
ロゼは俺から一時も目を離さず瞳を見つめる。しかし俺は何を期待されているのかいまいちわからず、目を泳がす。
rz「…わかんないの?俺がいちばん腹立ってること」
lp「、ごめん、わからんかも」
気まずくてなんか目を合わせられなくて、目線を下にやる。
rz「はぁ…俺はね、わかんないのに謝られてんのが嫌。だし、なんで俺が勝手に、好意を寄せられてることに対して怒ってるとか不快に思ってるとか思われてんの?ずっと気まずそうにしてんの?俺はらぴのこと好きだって言ってんの、両思いだろ、なに気まずそうにしてんだよ、…ムカつく」
lp「…だって、ろぜが俺のこと好きとか、信じられへんの、!ずぅっと、ろぜに好かれるとか叶わんと思っとったから!…なぁ、もう、素直に信じれたら良かった、そっちのがろぜは可愛いと思ってくれたんやろ?もっと好いてくれたんやろ…?」
rz「んー…そうだな、信じてくんないのすっごい可愛くない。」
わかってたけど、効くなぁ、やっぱ。それでも、可愛くはなれないけど。
rz「でもさ、俺のことですっごい悩んで苦しんで、俺のこといっぱい考えてくれたんでしょ、らぴ。それはすっごい可愛いなって、思うけど。」
lp「は…、」
こんなんで可愛いって言われるとか、思わんやん。…俺はただ、付き合ってないのに独占欲を抱いていただけで、自分勝手でしかないのに。
lp「…俺のこと、好きなん?」
rz「そう言ってんじゃん、信じろよいい加減」
lp「ぅあ…、ぇ…」
気づいたらまた、視界が滲んでいて、目の前に滲むロゼは少し驚いたような顔をしていた気がする。俺はすぐに、目の際の露を拭い取る。
ロゼが俺のこと好いてくれてるっていう事実が、本当に信じられなくて、でも諦めずに伝えてくれるロゼの姿が嬉しくて。これは思わず出てしまったもの。
俺が、ごめん、ごめんって途切れ途切れに伝えると、ロゼが、なんで謝んのって言って涙を掬い取ってくれる。
lp「ろぜ、おれ、まだろぜのこと好きやわ、諦められんの、俺のにしたい、…です」
rz「それは何より。諦められてもこっちが困るし。」
lp「その…ろぜ、」
rz「…なぁに笑」
lp「近頃、さ…予定空けといてや、…その時、話すから。」
こんな醜い姿で告白しても、なんかかっこつかないからさ。んで、まだ話してないことも沢山あるんや、だから…その時までに、気持ちを整理しよう。全部、伝えるんや。俺の気持ち全部。
俺は深呼吸をして、ロゼの返事を待っていた。
li side
待機室の扉を開けた瞬間、見たことない顔をしたらぴすが目の前に現れてびびった。
その顔はなんか、思い詰めてそうで、今にも弾けてしまいそうに思えた。
こいつまた、ロゼのことで悩んでんやろうなって一瞬で勘づいた。にしてもこんな顔は見たことなかった。いつもの、俺とロゼが話しとるんを見とる目とは違う。自分を追い込んで限界を迎えたみたいな、顔。そう思えた。
俺はらぴすの腕を引いて、扉から少し遠ざけて話を聞く。
話を聞いてるうちにうざったくなってくる。ほんっまに拗らせてんなこいつ。早く告白すればいいだけの話だろ、と思いつつもこいつにも色々とあるんやろうなって思うから、あんまり刺激しないように話す。俺としても傷つけたくはないから。目の前で、思い悩んで泣くらぴすを宥めて、ふと、物音。扉の開く音だったと刹那の間に気づく。
少しもしないうちにロゼがその扉から出てきて、俺を抱きしめるらぴすの方を見たと思えば目を見開き、すぐに鬼のような形相を浮かべてこちらに向かってくる。らぴすは気づいていない。ロゼがこちらに向かってくる刹那の間にも、らぴす、こいつはアホなんやなって思う。らぴすを見て、らぴすに対して、こんな顔出来るやつがらぴすを嫌うなんてありえないだろ。ましてや、俺の事なんて少しも見ずに、こんなにまっすぐらぴすしか見てないやつが俺のこと好きとか有り得ない。ほんまに、アホ。ロゼのことばっか見とるのに肝心なとこ気付けてないこいつに苛立ちを覚える。そんな間にらぴすは俺の胸から引き剥がされた。
目の前で詰められてるらぴす。気まずくて少し距離をとるが話は気になるのでそれなりの距離をとりつつ耳を傾ける。こいつらの会話は聞いてるとすれ違いが多々感じられる。そりゃ「らいとのそういうとこが好きなんやな」とか言うたら、らぴすが俺のこと好きなんやとか思うやろ、ロゼも。ほどなくしないうちにロゼが俺の方へ向かってくる。怖いんやけど。
rz「らいと。らぴと何話した?らぴに何言われた?好きとか言われた??」
li「べつに、なーんも?ロゼに関係ないことやけん、言わんよ。」
rz「はぁ?関係大アリだろ、らぴは俺の… あ 、」
li「俺の、なぁ…笑本人に伝えられてすらおらんのに?笑」
rz「ダル…なぁ、好きって言われたのかよ、らい。」
ロゼはどことなく不安そうで、張り詰めた顔で問う。相当拗らせてんなぁ…こいつも。告白すりゃええだけやろ。
呆れつつも、これでこいつらのめんどくさい恋が叶うなら俺が手助けしたっていい。めんどくさいからってだけで、それ以降気にする事はないだろうけど。
li「…あいつは、ロゼのこと好きって言っとったよ」
rz「は?じゃあなんでお前に抱きつ…」
ロゼが文句を垂れようとした途端、らぴすがロゼの名を呼ぶ。そん時のらぴすは、どこか吹っ切れたような顔をしていて。
らぴすは気持ちを打ち明けたくせに、冗談だって笑いのける。いらつく。冗談でもなんでもないくせに、あんなにロゼのこと想っているくせに。無理やりな笑顔、見ればわかる。無理してるんや、あいつは。きっとまた、心の中で俺は報われないって割り切ってるんや。肝心なところ鈍感なの、本当に腹が立つ。
見てるうち、どんどん拗れていく。嫌いになるとか離れるとか、全くの見当違いやろって思う。ロゼはそんなことを言われる度、顔を顰めて言い返す。好きって言葉が出てきても、まだ拗れていく。本当にめんどくさい、こいつら。
漸く[[rb:蟠 > わだかま]]りが[[rb:解 > ほど]]けたところで、そいつらからさらに距離をとる。もう、話が聞こえなくてもいい。ただ邪魔になりたくなかった。そのまま後ろにいた心音のもとに合流する。
so「らいと、気づいてたの?」
li「さっきから視界にちらちら映ってウザイから見たらお前やったわ。どっから見てたと?」
so「うーん…らぴが泣いてるとこあたり?」
li「あいつはずっと泣いとるっちゃけど…がーちで、めんどかったわあいつら。」
そのまま心音に文句を吐きつける。優しいけんウザがったりせんくて、逆に共感してくれる。それをいいことに文句を吐き続けるとふと問われる。
so「ねぇ、らいとはさ、らぴすとロゼのこと、いつから気づいてたの?」
li「そうやな…いつやろ」
割と最近な気もするけど、なぜか、ずっと前から知っていたような気もする。でも、あんなに拗らせてるなんて知ったのは今日が初めて。てかお互い見てんのにお互いの視線に気づかない、果ては隣のやつへの視線だと思い込む、ってどんだけめんどくさくて、鈍感なやつらやねん。似たもの同士、お似合いなんちゃう。って思う。
so「…らいとさ、優しいよね。いつものキャラだったら、男同士とか気持ち悪い、って言いそうなのに。」
li「…まぁ、仮にもメンバーやし、否定はせんよ。あいつらがええならべつに、俺が気にすることないけん。」
so「そっかぁ 、やっぱ優しいんだ」
li「いや優しくはない。」
so「でもさ、すごいと思うよ、俺、らぴとロゼのことなんも気づかなかったもん。ロゼはまだしも、相方のらぴのことですら気づけてなかった。らいとは、みんなのことよく見ててすごいなって思う」
心音があまりにも俺をよく言うもんだから、否定もできず、目を逸らす。
li「…キモイけんそんな褒めんな」
so「あははっ照れてる〜笑 」
li「うっせーよ、照れとらんし、こっち見んな!」
目線を逸らして見えた先には、2人して笑い合うらぴすとロゼがいた。それを見て、良かった。って誰にも聞こえないように、小さく呟いた。
rz side
扉を開けて、外に出る。
扉の外に目を向けると、らいとに抱きついているらぴすがいた。状況を理解する前に体が動いてた。らぴすの方向へ体が向かっていく。気づけば肩を掴んで、らいとかららぴすを引き離していた。
さっきの、俺がなんかした?らいとが好かれるようなことをした?みたいな疑問がより一層濃くなって脳を怒りで屠っていく。らぴすの目は腫れていて、泣いてたことがすぐに分かる。
気づいた時には、脳で留まっていたはずの疑問は口をついて出ていて、そんな俺を見て目の前のらぴすは怯えているように見える。俺が言い終えたあと、らぴすが、途切れ途切れに言った言葉は、「らいとが」「好き」だった。ていうか、それ以外の言葉は聞こえなかった。らぴすがらいとのどんなところが好きって、どうでもいいし、腹が立つ。俺はすぐさまらいとに向かう。
本当に、らいとのことが好きだったらどうしよう。前までの、奪ってやるなんて威勢は消えて不安に成り代わっていた。らいとの言葉がさらに俺の不安を煽る。俺に関係ない内容で泣くまでの内容ってなんだ。俺のせいで泣いてるなら、どれほど良かっただろう。らいとの、らぴすが俺のこと好きって言ってたっていうのも、らいとがただ俺を落ち着かせるために言ってくれてるだけじゃないかなんて思ってくる。だって俺が好きでらいとに抱きつく理由なんてない。
瞬間、後ろかららぴすに声をかけられる。らぴすの声で、俺の名前を呼ぶ。いつもの、嫌いって言われる前の声の雰囲気とは違う。それがなんか嬉しくて、ちょっと当たり強く返事をしてしまった、次の瞬間。らぴすに告白される。しかし驚いてる間に、らぴすは冗談だって言って笑った。俺の事気にしないで、幸せになってって。
ほんとに何にもわかってない。俺が1番愛せるのはらぴすだって、俺にとってらぴすが、今までで1番好きになった人だって。そんなこと知りもしないらぴすは、早とちりで俺の前から消えようとする。そんならぴすはやっぱり辛そうな顔をしていた。それも、今まで見た中で1番。嫌いって言ったのは俺の心残りになるためだなんて、健気だな。そんなに好きだったんだ…なんて思うと俺まで辛くなってくる。なんで、好き同士なのに離れなきゃならないのか。その疑問をらぴすは、「ロゼはらいとが好きやから」なんてまた見当違いな理由で答える。と同時に、同じ気持ちだったんだって、同じ不安抱いてたんだって、少しだけ嬉しくなる。俺らずぅっと二人共、すれ違ってたんだ。
期待して「まだ俺のこと好き?」なんて聞いてみると、らぴすはまた、辛そうな顔で「嫌いになる」なんて言ってくる。馬鹿だ、俺はそんなこと望んでない。ただそれに腹が立って、怒鳴ってしまったのは反省。
なんでこいつはこんなに分かってくれないんだろう、苦しそうな顔をするくせに俺から離れようとするんだろう。腹が立つ、本当に。…けど、これはらぴすが俺に嫌われないようにしてるって、なんとなくわかった。…何したって嫌わないのに。らぴすはいつもそう、優しすぎるんだよ。優しすぎるから、俺を尊重してそんなことを言ってくれる。でも俺はそんなの求めてない。だから正直に気持ちを伝える。「嫌いって言われて傷ついた」って、「1番嫌だった」って、伝えると、らぴはなんだか少し嬉しそうに微笑みを浮かべた。その意味がわかるから、相当拗らせてたんだなって思う。かくいう俺もだけど。
でもひとりで嬉しくなってるらぴすはイラつくから、嫌味っぽく言葉をつく。だって俺はまだ、1番欲しい言葉を貰ってない。1番気づいて欲しいことに気づいて貰えてない。でも責めてもこいつは気づく要素がない、ほんとに鈍感。…そういうところも好きだけど。
仕方ないから、教えてあげた。俺の思ってたこと全部。めんどくさいって思われてもいいと思った。でも自分がめんどくさいって分かって言ったことにらぴすはさらにめんどくさいことを言って返す。どうやらまだ信じてないらしかった。さすがにそこまで疑われると、俺も傷つくけどな。思いつつも決して適当な言葉を返さないように。これで全部崩れたら、終わりだし。
慎重に、ひとつひとつ、言葉を返していく。素直に、正直に。そしたら急に、らぴすの大きな瞳に涙が滲んで、ごめんって言葉と一緒に雫がこぼれ落ちる。ろぜ、ごめんってずっとうわ言のようにこぼすらぴすはなんだか儚げで、目が離せなかった。俺はすぐに、涙をすくいとってあげる。そしたら、らぴすに再度告白される。
全部言われんのかな、今。って思ってたら、らぴすに予定を空けといてくれって言われたから少しがっかりした。なんか、焦らされてる気分。…まぁ、いいけど。
俺は、いいよって言って、らぴすに微笑みかける。そしたららぴすが嬉しそうにして、可愛かった。少し遠くでは、らいとと心音が笑いあってるのが見えた。