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前回に続き、セルシティの深夜にて──



コデマリ「情報によれば、ジガルデセルは3ケタを超える数があって…それを束ねる『コア』…本体は洞窟に隠されてるんだって。」

「地面の象徴ジガルデは、コアにジガルデセルが集まるほど真価を発揮するってわけ。全部集まると、『神級象徴』って言って…象徴の中で随一の実力を誇る、とか言う話らしいね。」

ヘリコニア「ああ、ジガルデセルはこの街の至る所に潜んでやがるみてえだ。この街の『目』だが、集まれば強いから隙がねえってもんだ。ムカつくぜ!このヘリコニアの邪魔すらしてきやがった…」

「完全犯罪っつっても何する気なんだ?まさかジガルデの討伐とか言い出すんじゃないだろうな?」

コデマリ「惜しくもハズレかな、そこまで出来たら面白いけどね。アタシとマツバはダーティアライアンスから正式に任務を受けてんの…『ジガルデの戦力を限界まで削ぎ落とせ』ってさ。」

ヘリコニア「ダーティアライアンスって…そんなこともすんのか?削ぎ落とした後はどうすんだ?」

コデマリ「それは知らない。ボスはいつも…おっと、聞かなかったことにして。」

「とにかく、命令は何があっても絶対に従う。それだけ。」

ヘリコニア「フゥン…?」

コデマリ「あと追加で、『だいちのプレート』のありかも調べろとは言われたね。見当もつかないまま命令されちゃあ、こっちも見当つかないよ。」

ヘリコニア「『プレート』…それもよく分かってねーんだよな。そんなに大事なもんなのか?」

コデマリ「…アンタ、プレートがどれだけ価値のあるものか分かってる?」

ヘリコニア「は…?いやあ、ただの小綺麗な板だとしか。」

コデマリ「アンタ馬鹿だね。プレートの価値も知らずに持ってたの?オークションでやりくりすれば12桁の価値は付くよ。」

ヘリコニア「じゅっ…十二桁ァァ!?!?」

「一、十、百……………せっ、千億!?!?」

(ち…チクショォォ〜〜〜ッ!!!!!!そんだけ価値のあるものをたった数万円で買えたのに!奪われちまったじゃねえかァ〜…!!ダーティアライアンスに入れるかもしれねえって浮かれが消し飛んだぜ!!この損失、デカすぎる…!!)

コデマリ「一応聞くけど。アンタ、どうやってこのプレートを手に入れたわけ?」

「このプレートは光が通ると特殊な通り方をするから、本物なわけだけど。尚更謎。『岩の象徴』はとっくの昔に死んでるから、市場に回ったか、誰かのコレクションと化したか、どっちかだと思うんだけど。」

ヘリコニア(知らねえよ!!なんであの貧乏っつってた奴が持ってて、しかもたった数万で売ったんだよ!?なんでだよ!?ワケわかんねえぞ!?)

コデマリ「…答えないの?」

ヘリコニア「…その辺に落ちてたんだよ!本当だって!」

コデマリ「へぇ〜〜?この世でトップクラスに貴重なものを?外に持ってって?うっかり落としちゃった人がいるわけか。へぇ〜〜。」

ヘリコニア(この態度…!ぜっってえ馬鹿にされてるぜ!畜生、俺もわけわかんねーんだからしょうがねえだろ!!)

「まあまあ!!んなことどーでも良いだろ!?結局プレートはお前の手に渡ってる!しっかり本物なんだろ!?だったらそれで良いじゃねえか!」

コデマリ「……ま、そうだね。もう深夜だし、あんまり時間を浪費するわけにゃいかないね。さっさとやりに行こう。」

「アンタを推薦するっつっても、変に離れられても困るし。ついてきてはもらうよ。」

ヘリコニア「へっ、ついてってやるよ!」

(どこかで…プレートを奪い返せたら、それが最善だ!ダーティアライアンスとか云々の前に、プレートが第一目標だぜ!この女が嘘をついてなけりゃ…一攫千金だぞ!!)




第11話

セルシティにて(1)




ふと横を見ると、道の横からこちらを眺める『セル』を発見する。

ヘリコニア「ジガルデの戦力を削ぐって話だよな。具体的にどうする気だ?削ぐってったら、セルの数を減らすくらいしか思いつかんが…」

コデマリ「アタシ、難しい策を考えるのは向いてなくてさ。でも、私と同じ『幹部』からちょっぴりヒントを貰って。」

「コアはセルとの距離がちょっと近ければいつでも軽い命令をできるけど、セルは見聞きしたことをコアに合体することで初めて情報が伝わって。だから、セルはコアに接触しなければコアに情報を伝えられない。」

「つまり…悪事を働いても、目撃したセルを潰せば、司令塔のジガルデに情報が伝わらない。」

ヘリコニア「…いや、できたらな!このセルシティにいるジガルデセルはドチャクソ多いんだ!それに小さいしすばしっこい。叩くのはかな〜り難しいんだぞ!?」

「つまりだな!セルを潰しても別のセルに見られてて!そのセルを潰してもまた〜…ってなりかねないわけだ!完全に目撃者を消すのが難しいから、この街の犯罪は少ねえんだ!」

コデマリ「良い?このセルシティでは好き勝手やっていいと言われたの…私とマツバは姿を覚えられても問題ないって。」

「やるって決めたら…」


近づいて構えを取る!


「やるのよ!!」

そして繰り出すパンチは────


跳ねて避けられる!!

ヘリコニア「何してんだあ!!」

しかし、かがんだ体制からすかさずキックを繰り出し…命中する!

かなり強烈だ…「セル」は動かなくなった。

セルは単体だと元々脆いものだ。これは…死んだだろうか?

ヘリコニア「おぉ……いや、オイ!!あれ!!」

屋根の上を指差す!

別のセルが…こちらを見ている。

コデマリ「マツ…」

名前を呼ぼうとすると同時に、ヘリコニアは駆け出す!

ヘリコニア「仕方ねえなあ!!奪(と)ってやるよ!!」

家の隙間をあっという間に駆け上り…セルを鷲掴みにして、降りてくる!

ヘリコニア「へんっ、どうだ。」

コデマリ「ヤッバ…猿ポケモンかい。」

ヘリコニア「……違えし!!せっかく助けてやったのにお前何を言いやがる!?」

コデマリ「結構余計なお世話なんだけど。まあ、その素早さなら戦闘の資質はありそうかな。」


潰されたセルの方を見る。


コデマリ「じきにセルはこの有り様を見るね。そうなったら、ジガルデに伝えに行くよね。」

ヘリコニア「んんん、だろうな…待ち伏せして目撃者も消すか?」

コデマリ「いや?待ち伏せする場所が違うよ。」

ヘリコニア「……は?ここしかないだろ?」

コデマリ「ジガルデのコアは洞窟にある……なら。」

「そこで待ち伏せする!そうすれば…出入りするセルはみんな始末できる!!」

ヘリコニア「なる…ほど?」

コデマリ「だからその洞窟に急ぐわよ。」

「あと…そのセル、早く潰して。」

ヘリコニア「…おぉ…これだよな?」

手に捕えたセルを持っている。

コデマリ「他に何があるわけ?早く潰さないと、色々不都合だよ。」

ヘリコニア「い…いやあ、でも……こいつ…一応……生き物…だろ…?」

セルに目を向ける。

ヘリコニア「ちょっと…気が引ける…っつーか…」

コデマリ「じゃあ潰してあげるよ」

頭をコデマリが握り潰す!

ヘリコニア「あぁ!?」

コデマリ「はい、終わり。な〜〜にが気が引けるよ。本当にダーティアライアンスに入る気ある?」

「さ、早く洞窟へ行くわ。善は急げってね、悪なんだけどさ。」

ヘリコニア「…………」




洞窟が見える位置の草むらに来た。身を隠せる。

洞窟の入り口には、衛兵が4人いる…

ヘリコニア「あの奥にジガルデがいんのか?だとしたら、警備が手薄だな…洞窟の奥にも人がいんのか?」

コデマリ「いや、居ないと思うよ。この洞窟の奥に人が入るのは許されてないの。」

ヘリコニア「ン〜、なら都合は良いか…で、あの衛兵はどうやって突破すんだ?」

ヘリコニア「まさか正面突破とか言」コデマリ「正面突破」

二人が同時に喋った。

ヘリコニア「……」

コデマリ「…何」

ヘリコニア「別に?俺から言うことはありゃしねえよ!アライアンスの幹部サマが責任を持ってる限りな。」

「具体的に…どうやる気だ?お前ら、手ぶらだろ!”特性”を使うのか?」

ヘリコニアが、さりげなくバレないようにプレートに手を出そうとした瞬間…

コデマリ「ピンポン。早くやるよ。」

コデマリは草むらから立ち上がり、マツバの乗った車椅子を押してゆく。

ヘリコニア「……」

真面目な衛兵「…ん?」

側から見ても『明らかに洞窟に向かっている』と思うほどに近づく…

真面目な衛兵「誰だ!お前ら、ここは立ち入り禁止だぞ!」

コデマリ達は喋らない。

ビビりな衛兵「お、おい…!なんだこいつら?」

大きい衛兵「知らねえよ!もっとデケえ声で言ってやった方がいいんじゃねえかあ?」

堅実な衛兵「難聴だったりしちゃうかもなぁ〜?オイ、もう一度叫んでやれよ。」

真面目な衛兵「結局人任せかよ、お前らよ…」

「スゥゥゥ…ここはー!!立ち入り!!禁止ですゥ〜!!」

大きい衛兵「おい、コイツマジか。マジで叫びやがったぞ、深夜なのに!」

真面目な衛兵「あっ!?ヤベ!!」

堅実な衛兵「あ〜あ、苦情が来るかもな。」

マツバ「だまって」

全く間を開けずして、空気がビリビリと震える。

何が起こったんだ?ただの子供が一言、喋っただけなのに。この圧力は?

堅実な衛兵「……オイ。謝ってやれよ。」

真面目な衛兵「あ〜…ハハッ。いやあ、ごめんね。ちょっと昂っちゃってさ。ついつい、ね。アハハ。」

マツバはギロリと目線をぶつける。

目立った表情の変化はないのに、なぜだか睨まれているような感覚がし、目の前の子供に恐怖を抱いてくる。

ビビりな衛兵「ヒッ…やっぱこの…親子?どこか変ですよお!追い払いましょうよお!」

大きい衛兵「オイオイ、慌てんなよ…あー、コホン。すまねえなあ、同僚が。悪気はないんだよ。謝るからさ、家に帰ってはくれねえかなあ?もう夜も更け切ってるしよ。流石に…」

マツバ「入らせて」

たった一言、また喋った。

まただ、妙に圧を感じるのだ。

ずっと指を咥えてるだけの、ただの子供だ。どこに恐れを抱くような要素があると言うのだろう?

ビビりな傭兵「うわああ!!やっぱり変です!変!追っ払ってくださいよお!」

大きい傭兵「…今回ばかりは、そうするのが良いかもしれねえなあ」

堅実な傭兵「おいおい、ククッ…お前マジでやる気かよ。バレなきゃ良いってもんじゃねえぞ。普通にバレそうだし。」

大きい傭兵「残念ながらなぁ!」

斧を上げる!

大きい傭兵「俺の器はなあ!んなにデッカくねえんだよオオ〜!!」

そして、振り下ろす…!

…が!

大きい傭兵「!?」

ビタッと止まる!大きい傭兵の体が、ビタッと…!

堅実な傭兵「おい、何してる!ああいや、踏みとどまる気になったか?ま、そっちのが堅実だ。」

大きい傭兵「ち、違う!!俺の体が!動かねえんだよお〜!!」

真面目な傭兵「なんだって!?!?」

ビビりな傭兵「うあああ〜!!」

動揺する暇もなく、突如!!傭兵達の背後から、ビビりな傭兵が斧を振り回す…!堅実な傭兵が背中を斬られる!

堅実な傭兵「ウオオオッ!?!?い…一体何をやってる!!とうとう気が狂ったか!!」

ビビりな傭兵「ち…違う!!体が勝手にぃぃ!!」

真面目な傭兵「でやァッ!」

斧でビビりな傭兵を…横に一刀両断する!

真面目な傭兵「クソ、いったい何だってんだ…」

堅実な傭兵「!?……」

真面目な傭兵「……おい、どうした?」

堅実な傭兵「体が勝手にって…話よお…」

「本当だったみてえ…だなぁ!」

斧を横に薙ぎ払い、衛兵二人を負傷させる!!

真面目な傭兵「何…だって!?!?」

大きい衛兵「ほ…本当だ…!体が…勝手にい!!」


傭兵達は争い合う…


コデマリ「これがマツバの特性…『お人形さんであそぼう(フォーザレイジネス)』!」

「2回もマツバの『お願い』を聞かなかったやつをマツバのために動かせちゃう、2度はないってやつだよ。こんなに可愛いマツバの命令を二度も無視したら、こうなるのは当然よね。」

ヘリコニア「なんつうか……残酷ってもんじゃねえぞ!?”特性”にゃこんなひでえもんもあんのか…」

コデマリ「へえ?たったこの程度で狼狽えるわけ?なら、ダーティアライアンスへの推薦は取り消しになるんだけど。」

ヘリコニア「………別に?何も狼狽えては居ねえよ。」

コデマリ「そ。なら良んだけど。」


真面目な傭兵「はぁ、はぁ…」

一人生き残った傭兵が、こちらを向き…斬りかかる!!

「全部…お前らのせいだ!!」


コデマリ「こんだけ時間が経っても操られてないってことは…無駄に心の強いやつだったってことかな。」

「マジで…虫唾走んだけど…!!」

前に踏み出す。

「マツバの命令にも特性にも背いて…!アンタなんかに存在価値は微塵も無えのよォッ!!!!」

傭兵の斧がコデマリに到達する前に、みぞおちを殴る!

特性発動…『起爆釦は逆鱗(カウント・シックス)』!!怒りに応じて、拳の威力が増大する…!!

衛兵は吐きながら吹き飛ぶ。

コデマリ「あ〜、スッキリ。」

ヘリコニア「ヒョ、ヒョエ〜……」

(プレートを奪い返そうなんて決断したのは、今取り消すぜ…プレートどころか、命まで奪われるところだった…!)

コデマリ「すぐセルに見つかるから、急いで洞窟に入ろう。」

ヘリコニア「ハイィ〜ッ!!幹部様!!」

コデマリ「…?」





第11話

セルシティにて(1)

END







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