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4件
皆さんたくさん読んでくれてありがとうございます😭
北斗 side(事務所・廊下)
「北斗んちは?」
その一言
空気が一瞬止まる
北斗「……」
全員の視線が集まる
〇〇も
少しだけ戸惑った顔でこっち見る
正直
予想してなかったわけじゃない
でも
実際にその流れになると
少しだけ思考止まる
頭の中
この2週間のこと
〇〇の話
風磨の反応
“まだ終わってないかもしれない”
全部一瞬で繋がる
北斗「……別に」
口から出たのはそれ
いつものトーン
でも
内側は違う
(断る理由はある)
(でも)
〇〇の顔
さっき少しだけ不安そうだったの
浮かぶ
〇〇「いいの?」
真っ直ぐ
北斗、少しだけ視線逸らす
北斗「嫌なら言ってる」
短く
〇〇「……じゃあ」
少しだけ間
〇〇「お願いしていい?」
その言葉
軽くない
北斗
一瞬だけ息止めて
北斗「……いいよ」
決まる
周りは軽く流れる
でも
北斗の中だけ
少し違う
(守れる距離になる)
それが一番大きい
でも同時に
(距離、近すぎだろ)
小さく
自分で思う
北斗「……めんど」
ぽつり
でも
嫌じゃない
ーーーーーーーーー
〇〇 side(その日の夜・恭平の家)
リビング
少し静か
さっきまでの外の空気と違う
〇〇「……決まった」
恭平「うん」
分かってる顔
〇〇「北斗の家」
恭平「へぇ」
少しだけ反応
恭平「意外ではないな」
〇〇「そう?」
恭平「一番現実的」
〇〇「まぁね」
少し間
〇〇「……明日か」
ぽつり
恭平「うん」
恭平「朝には出る」
〇〇「早」
恭平「大阪やからな」
少し静か
〇〇、クッションいじる
〇〇「……ありがとね」
急に
恭平「なにが」
〇〇「この2週間」
〇〇「普通に助かった」
恭平、少しだけ笑う
恭平「今さらかよ」
〇〇「今さら」
〇〇も少し笑う
〇〇「なんかさ」
〇〇「最初めっちゃ怖かったけど」
〇〇「途中から普通だった」
恭平「それならよかった」
〇〇「うん」
また少し静か
でも
嫌な静けさじゃない
恭平「まぁ」
恭平「北斗なら大丈夫だろ」
〇〇「なにそれ」
恭平「なんとなく」
〇〇「雑」
でも
その一言で
少しだけ安心する
〇〇「……ちゃんと帰ってきてよ」
恭平「ライブ終わったらな」
〇〇「うん」
そのまま
夜は静かに過ぎる
ーーーーーーーーー
☀️次の日 朝
7:00前
部屋
準備の音
恭平、荷物まとめてる
〇〇、少し眠そうに起きる
〇〇「……早」
恭平「起きたか」
〇〇「うん」
軽く準備
玄関
〇〇「いってらっしゃい」
恭平「おう」
一瞬だけ
軽く頭ポン
〇〇「子供扱いすんな」
恭平「してねぇよ」
ドア開ける
外
そこに
北斗。
SixTONESのマネ車の横
静かに立ってる
〇〇「……」
一瞬止まる
北斗「おはよ」
いつも通り
〇〇「おはよ」
恭平、北斗見る
恭平「よろしく」
北斗「任せろ」
短く
でもちゃんとした声
恭平、〇〇見る
恭平「なんかあったらすぐ連絡しろよ」
〇〇「分かってる」
恭平「無理すんな」
〇〇「そっちも」
数秒
沈黙
恭平「じゃあな」
〇〇「うん」
恭平、車で離れていく
〇〇、見送る
見えなくなるまで
静か
北斗「……行くぞ」
〇〇「うん」
車乗り込む
後ろには警備の車
完全に守られてる状態
発進
〇〇、窓の外見ながら
小さく息吐く
〇〇「……なんか変な感じ」
北斗「何が」
〇〇「場所変わるの」
北斗「すぐ慣れる」
短い会話
でも
不思議と落ち着く
車はそのまま
北斗の家へ向かう
新しい場所
新しい距離感
そして
まだ終わってない“何か”
全部抱えたまま
次の時間が始まる
ーーーーーーーーー
警備車両・後部座席
ドアが閉まる音
外の空気と切り離される
北斗と〇〇
並んで座る
前にはマネと警備
完全に守られた空間
でも
その分
距離が近い
〇〇「……なんかさ」
小さく
北斗「ん?」
〇〇「ガチで守られてる感すごい」
少しだけ笑う
北斗「そりゃそうだろ」
北斗「普通じゃねぇし状況」
〇〇「まぁね」
少し頷く
沈黙
車がゆっくり走り出す
〇〇、窓の外見る
でも
前みたいに“探す”感じはない
警備がいるだけで
少しだけ違う
北斗、横目で見る
北斗「昨日ちゃんと寝た?」
〇〇「うん」
〇〇「恭平いたし」
その名前
一瞬だけ空気変わる
でも北斗は崩さない
北斗「ならいい」
短く
〇〇「今日さ」
北斗「ん」
〇〇「久しぶりに一人じゃない家になる」
少しだけ考えながら
北斗「一人じゃねぇだろ」
〇〇「え?」
北斗「俺いるし」
さらっと
〇〇、少し止まる
〇〇「……そうだけど」
ちょっとだけ視線逸らす
北斗「何」
〇〇「いや」
〇〇「なんか変な感じ」
北斗「何が」
〇〇「北斗の家にいるの」
北斗、少しだけ笑う
北斗「今さらだろ」
〇〇「いや今までないじゃん」
北斗「まぁな」
一瞬
静かになる
北斗「でも」
〇〇「?」
北斗「その方が安心だろ」
少しだけ低い声
〇〇
その言葉で
少しだけ息抜ける
〇〇「……うん」
小さく
車は進む
しばらくして
信号で止まる
その瞬間
〇〇、ふと外見る
一瞬
“視線”
〇〇「……」
固まる
でも
次の瞬間
ただの通行人
〇〇「……気のせいか」
小さく
北斗、気づく
北斗「どうした」
〇〇「いや」
〇〇「なんでもない」
北斗、数秒見る
でも深くは聞かない
北斗「もうすぐ着く」
〇〇「うん」
車が再び動き出す
“まだ終わってないかもしれない”
その感覚
完全には消えてない
でも今は
隣に北斗がいる
警備もいる
少しだけ
安心の方が勝ってる
やがて
車はゆっくりと減速する
北斗の家、到着
ーーーーーーーーーーー
北斗の家 前
車がゆっくり止まる
エンジン音が静かに落ちる
前の席から
「到着しました」
低い声
北斗、先にドア開ける
外に出る
視線を一周
左右、奥
癖みたいに確認
〇〇も続いて降りる
地面に足ついた瞬間
少しだけ現実感戻る
後ろの警備も降りて
自然に配置につく
〇〇「……なんかすごいね」
小さく笑う
でも
ちょっとだけ緊張混じり
北斗「すぐ慣れる」
鍵取り出しながら
マンションの入口へ
自動ドア
静かに開く
中
外より落ち着いた空気
エレベーター前
少しの待ち時間
〇〇、無意識に後ろ見る
誰もいない
でも
癖みたいになってる
北斗、気づく
北斗「大丈夫」
短く
〇〇「……うん」
少しだけ息吐く
エレベーター到着
乗る
扉閉まる
外と完全に遮断される
狭い空間
二人だけ
〇〇「……なんかさ」
北斗「ん」
〇〇「変な感じ続いてる」
正直に
北斗、少しだけ見る
北斗「そりゃそうだろ」
北斗「環境変わってんだから」
〇〇「それもあるけどさ」
少しだけ間
〇〇「まだ終わってない気がする」
北斗
一瞬だけ目細める
でも
すぐ戻す
北斗「終わらせる」
ぽつり
〇〇「え?」
北斗「何も起きねぇようにするって意味」
さらっと言う
でも
軽くない
〇〇
少しだけ黙る
〇〇「……ありがと」
小さく
北斗「だから気にすんな」
ちょうど
チン
到着音
扉開く
廊下
静か
北斗、先に歩く
〇〇、その後に続く
部屋の前
止まる
鍵差し込む
カチャ
開く
北斗「入れ」
〇〇
一瞬だけ躊躇
でも
そのまま一歩踏み込む
新しい空間
知らない匂い
静かな部屋
ドア閉まる
外と完全に切り離される
〇〇「……お邪魔します」
ドア閉まる音
静けさ
〇〇、数歩進む
そのまま止まる
〇〇「……え」
小さく
でも
ちゃんと驚いてる
視界いっぱいに広がる部屋
天井、高い
リビング、奥まで一直線
大きな窓から光
〇〇「広…」
ぽつり
北斗、後ろで靴脱ぎながら
北斗「普通」
〇〇「普通じゃない」
即
少し歩く
ソファ
ローテーブル
テレビ
全部余裕ある配置
〇〇「…余白すご」
北斗「うるせぇ」
でも
ちょっとだけ口元緩む
〇〇、窓の方行く
外、上の景色
〇〇「……高」
北斗「だからタワマンだって」
〇〇「聞いてない」
カーテン少し触る
一瞬だけ
外を見る
“外”
〇〇の動き
少し止まる
北斗、気づく
北斗「閉めとけ」
低く
〇〇「…うん」
すぐ閉める
さっきまでの軽さ
少しだけ戻る前に
現実が入る
北斗、キッチンの方へ
北斗「飲むもんあるけど」
〇〇「水でいい」
グラスに水入れる音
〇〇、ソファ座る
少しだけ沈む
〇〇「……なんか」
北斗「ん」
〇〇「安心するけど」
〇〇「変な感じ」
北斗、水渡す
北斗「どっちだよ」
〇〇「両方」
グラス受け取る
少し飲む
北斗、向かい座る
距離
今までより近い
北斗「とりあえず」
〇〇「?」
北斗「ここいれば大丈夫」
〇〇
その言葉で
少しだけ肩の力抜ける
〇〇「……うん」
でも
完全じゃない
〇〇の中
まだ消えない違和感
でも
ここは
恭平の家とはまた違う
“守られてる場所”
じゃなくて
“北斗がいる場所”
それが
少しだけ
違う安心を作ってる
北斗
さりげなく
玄関の方確認
鍵、チェーン
もう一度見る
その背中
〇〇、少しだけ見つめる
〇〇「…ちゃんとしてるじゃん」
北斗「当たり前」
少しだけ笑う
空気
ゆっくり落ち着いていく
広い部屋の中
二人だけ
静かな時間
でも
この静けさの中に
まだ見えない何かがある
それを
まだ誰も知らないまま
夜に向かっていく
ーーーーーーーーー
少しずつ空気が落ち着いていく
〇〇、ソファに体預けたまま天井見上げる
〇〇「……広すぎて逆に落ち着かないかも」
北斗「贅沢」
〇〇「ほんとそれ」
小さく笑う
さっきまでの緊張が少しだけほどける
北斗「部屋使う?」
〇〇「え?」
北斗「寝るとこ」
〇〇「あー…ソファでもいいけど」
北斗「ダメ」
即
〇〇「なんで」
北斗「ちゃんと寝ろ」
〇〇「寝れるし」
北斗「疲れてんだろ」
〇〇、少し止まる
言い返さない
〇〇「……まぁ」
北斗、立ち上がる
北斗「こっち」
廊下に出る
〇〇もついていく
静かな廊下
少しだけ緊張戻る
一つの部屋の前で止まる
ドア開ける
北斗「ここ」
中はシンプルな部屋
ベッドと最低限の家具
〇〇「……普通にいい」
北斗「客用」
〇〇「あるんだ」
北斗「たまに来る」
〇〇、少し中に入る
ベッド触る
〇〇「ふかふか」
北斗「そりゃな」
少し間
〇〇「……ありがと」
後ろ向いたまま
北斗「何回目だよ」
〇〇「いいじゃん」
北斗、軽く息吐く
北斗「なんかあったら呼べ」
〇〇「うん」
北斗「遠慮すんな」
〇〇「しない」
北斗、部屋を出る
ドアを少しだけ開けたままにする
完全には閉めない
〇〇、それに気づく
ベッドに座る
体が沈む
〇〇「……はぁ」
やっと力抜ける
天井見上げる
知らない部屋なのに
ちゃんと落ち着いてる
スマホを見る
何もない
でも
もうさっきみたいな怖さはない
リビング
北斗、ソファに座る
でも落ち着かない
視線が無意識に廊下の方へ向く
〇〇がいる部屋
北斗「……」
小さく息吐く
玄関をもう一度確認
鍵、チェーン
窓も見る
異常なし
(とりあえず今は大丈夫)
でも完全には抜けない
あの違和感
北斗、ソファにもたれる
目閉じる
でもすぐ開ける
眠る気はない
静かな時間が流れる
同じ家の中
別の部屋
でも距離は近い
〇〇、ベッドの上で横になる
目閉じる
少しして
ゆっくり呼吸が落ち着いていく
久しぶりに
安心してる状態
北斗は起きたまま
音に敏感に反応できる位置で
ーーーー
カーテン越しに夕方の光
時計は17:00
ソファ
北斗、横になったまま寝てる
完全に力抜けてる顔
廊下の部屋のドアが少し開く
〇〇、ゆっくり出てくる
まだ少し寝ぼけてる
〇〇「……え、こんな寝た?」
小さく呟く
リビングの方を見る
北斗の姿に気づく
少しだけ近づく
足音を抑えながら
ソファの横でしゃがむ
〇〇「……」
じっと見る
普段の北斗じゃない
柔らかい寝顔
〇〇「……レア」
スマホ取り出す
カメラ起動
〇〇「バレないよね」
小さく笑う
カシャ
その瞬間
北斗「……何してんの」
目が開く
〇〇「うわっ」
びくっとする
北斗、ゆっくり体起こす
まだ眠そう
北斗「今の音なに」
〇〇「え?」
とぼける
北斗「撮っただろ」
〇〇「撮ってないし」
即答
北斗、じっと見る
〇〇、視線逸らす
北斗「見せろ」
手差し出す
〇〇「やだ」
北斗「は?」
〇〇「消すからいいじゃん」
北斗「今見せろ」
少し距離詰める
〇〇、後ろに下がる
〇〇「ちょっと待って」
北斗、腕伸ばす
スマホ取ろうとする
〇〇「近いって!」
笑いながら逃げる
ソファの周りで軽く攻防
北斗「ガキかよ」
〇〇「そっちでしょ」
結局
北斗、スマホ取る
〇〇「あー!!」
画面を見る
さっきの寝顔
北斗「……消せ」
低く
〇〇「やだ」
北斗「なんでだよ」
〇〇「レアだから」
北斗、少し黙る
北斗「…ほんと消せ」
〇〇「やだ」
数秒の沈黙
北斗、ため息
北斗「勝手にしろ」
スマホ返す
〇〇「え、いいの?」
北斗「拡散したら終わりだからな」
〇〇「しないし」
笑う
空気が少し軽くなる
〇〇「てかさ」
北斗「ん」
〇〇「めっちゃ寝たね」
北斗「だな」
〇〇「久しぶりにこんな寝た」
北斗「俺も」
少し静かになる
〇〇「……ちょっと楽になったかも」
ぽつり
北斗、横目で見る
北斗「ならいい」
短く
その一言で
また少し空気が落ち着く
夕方の光が部屋に広がってる
何も起きてない時間
でもそれが今はちゃんと意味ある時間になってる
ーーー
冷蔵庫開ける音
北斗、中身ざっと見る
北斗「……まぁいけるか」
小さく
野菜取り出して
まな板に置く
包丁の音、トントン響く
リビング
〇〇、ソファに座りながらスマホ
着信
マネ
〇〇「もしもし」
少し仕事モードの声に変わる
マネ「今大丈夫?」
〇〇「うん、平気」
キッチンの方ちらっと見る
北斗、普通に料理してる
その光景
少しだけ不思議
マネ「ドラマの件なんだけど」
〇〇「あ、うん」
姿勢少し正す
〇〇「延期になった台本読み、来週で調整入ってる」
〇〇「あと警備は継続」
〇〇「外仕事は引き続き同行あり」
淡々と確認
マネ「そう、それで」
マネ「一応だけど、今回の件まだ完全には終わってない可能性あるから」
トーン少し低い
〇〇「……うん」
分かってる
〇〇「今、北斗の家にいる」
マネ「聞いてる」
マネ「それが一番安全」
〇〇「うん」
少し間
マネ「無理してない?」
〇〇「してない」
〇〇「普通に…大丈夫」
完全な強がりじゃない
マネ「ならいいけど」
〇〇「うん」
キッチンからいい匂い
少しだけ気が緩む
マネ「あと」
〇〇「?」
マネ「明後日、軽く打ち合わせ入るかも」
〇〇「OK」
〇〇「そこは大丈夫」
マネ「じゃあまた連絡する」
〇〇「了解」
通話切る
スマホ下ろす
少しだけ息吐く
〇〇「……仕事って感じ」
ぽつり
キッチン
北斗「終わった?」
振り返らず
〇〇「うん」
ソファから立ち上がる
キッチンの方へ歩く
〇〇「何作ってんの?」
北斗「適当」
フライパン振りながら
〇〇「絶対適当じゃないでしょそれ」
覗き込む
北斗「危ねぇから離れろ」
〇〇「大丈夫だって」
でもちょっと下がる
〇〇「…普通にうまそう」
北斗「普通にうまいから」
〇〇「出た自信」
北斗「事実」
少しだけ笑う
さっきまでの仕事モードと違う
完全にオフの空気
〇〇「なんかさ」
北斗「ん」
〇〇「こういうの久しぶりかも」
北斗「何が」
〇〇「普通に家でご飯」
北斗、少しだけ手止める
でもすぐ戻る
北斗「外ばっかだもんな」
〇〇「うん」
少し静か
〇〇「……ありがとね」
また
北斗「またそれ」
〇〇「いいじゃん」
北斗「はいはい」
火止める
皿に盛る
北斗「持ってけ」
〇〇「はーい」
皿受け取る
テーブルに料理並ぶ
〇〇「普通にすごくない?」
北斗「普通」
〇〇「いや普通じゃない」
向かいに座る
箸持つ
〇〇「いただきます」
北斗「どうぞ」
一口
〇〇「……うま」
北斗「だろ」
〇〇「悔しい」
北斗「なんでだよ」
〇〇「できる男感出してくるのやめて」
北斗「出してねぇよ」
少し笑う
食べ進める
久しぶりのちゃんとしたご飯
〇〇「最近ずっと適当だったからさ」
北斗「顔に出てた」
〇〇「出てた?」
北斗「出てた」
〇〇「最悪」
でも笑ってる
少し間
〇〇「てかさ」
北斗「ん」
〇〇「ここ来てからさ」
〇〇「なんかあの感じ減った」
北斗「……あの感じ?」
〇〇「見られてるやつ」
北斗、少しだけ手止める
北斗「ならいい」
短く
〇〇「うん」
でも完全に消えたわけじゃない
〇〇「たまに思い出すけど」
北斗「気にすんな」
〇〇「無理」
即
北斗「だろうな」
食べながら返す
少し沈黙
〇〇「でも」
北斗「ん」
〇〇「前よりはマシ」
北斗「ならそれでいい」
また短く
〇〇、少しだけ北斗見る
〇〇「……ありがと」
北斗「はいはい」
軽く流す
食べ終わる頃
〇〇「ごちそうさま」
北斗「お粗末」
〇〇「これ毎日でいい」
北斗「図々しい」
〇〇「だって美味しいし」
北斗、皿持つ
北斗「洗うから置いとけ」
〇〇「手伝う」
北斗「いい」
〇〇「やる」
北斗「いいって」
〇〇「やるって」
結局並んでキッチン
軽くぶつかる距離
〇〇「狭」
北斗「お前が来るからだろ」
〇〇「元々広いじゃん」
北斗「キッチンは別」
少し笑う
皿洗う音
水の音だけ響く
その時
リビングの方から
カタン
小さい音
二人とも止まる
一瞬で空気変わる
北斗、手止めたまま
北斗「……今の」
〇〇「私じゃない」
即
静かになる
水の音止める
完全に無音
北斗、ゆっくり顔上げる
リビングの方を見る
北斗「ここいろ」
小さく
〇〇「うん」
声も小さい
北斗、ゆっくりキッチン出る
足音ほとんど立てない
リビング
テーブル
ソファ
異常なし
でも
窓のカーテン
少しだけ揺れてる
北斗「……」
ゆっくり近づく
外は見えない
カーテン越しの気配だけ
北斗、勢いよく開ける
外
何もいない
ただの風
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
後ろ
〇〇、少し距離あけて立ってる
〇〇「……なに」
北斗「風」
〇〇「ほんとに?」
北斗「たぶん」
完全には言い切らない
〇〇、少しだけ顔曇る
〇〇「……やだな」
北斗「大丈夫だって」
〇〇「その“たぶん”が怖い」
北斗、少し黙る
北斗「俺いるだろ」
その一言
〇〇、少しだけ止まる
〇〇「……うん」
完全には消えないけど
さっきよりは落ち着く
北斗、カーテンしっかり閉める
鍵も確認
もう一度
北斗「とりあえず中には入ってねぇよ」
〇〇「…ならいいけど」
まだ少しだけ不安残る顔
でも
そのまま大きくはならない
北斗「続きやるぞ」
キッチン戻る
〇〇もついていく
さっきより少しだけ距離近いまま
水の音がまた戻る
さっきの音の余韻だけ
少し残りながら
ーー
キッチン
最後の皿、水で流す
北斗「終わり」
タオルで手拭く
〇〇「ありがと」
北斗「お前ほぼ何もしてねぇけどな」
〇〇「いたじゃん、隣に」
北斗「それは仕事じゃねぇ」
〇〇「精神的サポート」
北斗「いらねぇ」
少しだけ笑う
リビング戻る
さっきの音のこと
完全には消えてない
でも
さっきより空気は落ち着いてる
〇〇、ソファに座る
少しだけ力抜ける
〇〇「……なんか疲れた」
北斗「だろうな」
〇〇「お風呂入りたい」
北斗「じゃあ溜める」
〇〇「え、いいの」
北斗「別に」
そのまま浴室へ
スイッチ入れる音
水の流れる音が静かに響き始める
北斗、戻ってくる
北斗「その間どうすんの」
〇〇「ここいる」
ソファに沈む
クッション抱える
北斗「寝んなよ」
〇〇「寝ない」
即答
でももう少し目とろい
北斗、向かいに座る
スマホいじるふり
ちらっと見る
〇〇、ぼーっと天井見てる
〇〇「……今日さ」
北斗「ん」
〇〇「なんか普通だったね」
北斗「何が」
〇〇「全部」
少し間
〇〇「変な感じもあったけど」
〇〇「こうやってご飯食べて」
〇〇「普通に喋って」
〇〇「…なんか久しぶり」
北斗、少しだけ視線上げる
北斗「まぁな」
短く
〇〇「こういうのが一番いいわ」
北斗「年寄りかよ」
〇〇「うるさい」
少し笑う
浴室から
お湯が溜まっていく音
静かに続く
その中
〇〇、少しだけ視線落とす
〇〇「……でもさ」
北斗「ん」
〇〇「またあの感じ来たらって思うと」
小さく
〇〇「ちょっと怖い」
北斗
スマホ置く
北斗「来ねぇよ」
〇〇「なんで言い切れるの」
北斗「言い切ってねぇ」
〇〇「じゃん」
北斗「でも」
少しだけ間
北斗「来ても大丈夫だろ」
〇〇「なんで」
北斗「俺いるし」
また同じ言葉
でも
さっきより少しだけ重みある
〇〇、少し黙る
〇〇「……それさ」
北斗「ん」
〇〇「結構強いよ」
北斗「何が」
〇〇「その安心感」
北斗「知らねぇよ」
照れ隠しみたいに逸らす
〇〇、小さく笑う
その時
ピッ
浴室の音止まる
北斗「溜まったな」
立ち上がる
〇〇「先いいよ」
北斗「いいのかよ」
〇〇「うん」
北斗「じゃあ先入れ」
〇〇「ありがと」
〇〇、ゆっくり立つ
まだ少しだけ眠そう
でも
さっきより顔は落ち着いてる
そのまま浴室へ向かう
北斗
リビングに一人
一瞬だけ
窓の方見る
カーテン閉まってる
動いてない
北斗「……」
何もない
でも
完全には消えない違和感
そのままソファに座り直す
静かに時間が流れていく
ーーーーー
北斗side
リビング
北斗、一人
浴室の方から
シャワーの音
水音が一定に響く
北斗「……」
ソファに座ったまま
スマホ持ってるけど
画面ほぼ見てない
さっきの流れ
頭の中でゆっくり再生される
玄関入ってきた〇〇
少し安心した顔
キッチン並んで立った距離
「うま」って言った時の顔
ソファでぼーっとしてた姿
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
手で顔軽く覆う
北斗「落ち着けって」
誰に言ってるのか分かんない独り言
風呂
入ってる
今
同じ家で
ドア一枚隔てた向こう
北斗「……無理だろ」
ぼそっと
でも顔には出さない
さっきまで普通にしてたのに
急に意識が追いついてくる
頭かく
立ち上がる
落ち着かない
キッチン行って
水飲む
でも意味ない
北斗「……」
グラス置く
また思い出す
「俺いるし」
自分で言った言葉
〇〇の反応
「結構強いよ」
あの時の顔
北斗「……やめろって」
思い出すの止めようとする
でも止まらない
ソファ戻る
座る
背もたれに倒れる
天井見る
北斗「……好きすぎだろ」
ぽつり
誰もいないから出る本音
いつもは抑えてる
でも今は無理
同じ空間にいるだけで
こんなになるのかってくらい
落ち着かない
でも
同時に
今日のこと
少しだけ安心もしてる
〇〇が笑ってた
普通にご飯食べてた
あの“見られてる感じ”も
少しだけ薄れてた
北斗「……それならいいけど」
小さく
でも
カタンって音
カーテンの揺れ
あれは残ってる
北斗、視線横に流す
窓の方
じっと見る
北斗「……来るなら来てみろよ」
低く
独り言
守るって決めてる
でも
“どこまで近づいてるか分かんねぇ”
それが一番気に食わない
拳、軽く握る
その時
浴室の音
少し変わる
シャワー止まる音
北斗、ピクッと反応する
北斗「……」
視線逸らす
北斗「普通にしろ」
深く息吐く
顔叩く軽く
北斗「バレたら終わりだろ」
小さく
いつもの顔に戻す準備
でも
心臓だけは
全然落ち着かないまま
北斗、ソファに座ったまま
ふと止まる
北斗「……あ」
一瞬で思考止まる
次の瞬間
北斗「服…」
〇〇の着替え
ない
持ってきてない
一気に現実に引き戻される
北斗「は??」
小さく焦る声
浴室の方
シャワーの音が止まる
タイミング悪すぎる
北斗「ちょっと待てって…」
立ち上がる
そのままクローゼット開ける
中、ざっと見る
北斗の服しかない
当たり前
北斗「……終わった」
でも止まれない
手当たり次第に探す
まだマシそうなやつ
サイズ
絶対デカい
でも他にない
北斗「これ…か?」
白のTシャツ引っ張り出す
次、スウェット
シンプルなやつ
北斗「……これしかねぇだろ」
独り言
その時
浴室のドアの向こう
〇〇「ねえー」
声
北斗、固まる
〇〇「タオルはあったけどさー」
〇〇「服ないんだけど」
完全にバレた
北斗「……あー」
一回天井見る
北斗「今持ってく」
短く返す
手に持った服見る
自分の
想像する
着た〇〇
北斗「……やめろ」
頭振る
考えるな
そのまま浴室の前まで行く
ドアの前で止まる
北斗「開けるぞ」
〇〇「ちょい待って」
中でバタバタ音
数秒
〇〇「いいよ」
北斗、ドア少し開けて
顔は逸らしたまま
手だけ入れる
北斗「これでいい?」
〇〇「ありがと」
受け取る気配
でも
少し間
〇〇「……北斗?」
北斗「ん」
〇〇「これさ」
〇〇「絶対デカいよね」
北斗「当たり前だろ」
〇〇「だよね」
少し笑ってる声
北斗、ドアの外で固まる
その笑い声だけで
心臓うるさい
〇〇「まぁいいや」
〇〇「着るわ」
北斗「……おう」
ドア閉める
そのまま一歩離れる
北斗「……無理」
小さく
額押さえる
完全に想像した
抑えられてない
でも
顔には出せない
深く息吐く
北斗「落ち着けって」
ーーーー
浴室のドア
ガチャ
ゆっくり開く
湯気がふわっと流れる
〇〇、出てくる
髪は上でまとめてる
まだ少し濡れてて
水がぽたっと落ちる
大きめのTシャツ
完全に北斗の
肩も落ちてるし
袖も長い
丈も太ももくらいまである
〇〇「……寒」
小さく呟きながら出てくる
北斗
一瞬で固まる
北斗「……」
目逸らす
でも一瞬見た
サイズ感
違いすぎる
北斗「……それでいいのかよ」
声ちょっと低い
〇〇「ズボン無理」
〇〇「落ちる」
そのまま軽く引っ張る
ウエストぶかぶか
〇〇「一歩で終わる」
北斗「だろうな」
短く
でも
視線どこ置けばいいか分かってない
〇〇、普通にソファの方行く
タオルで髪拭きながら
〇〇「ドライヤー借りるね」
北斗「洗面所」
〇〇「知ってる」
当たり前みたいに言う
北斗「……」
そのまま少し後ろ姿見る
Tシャツ一枚
完全に自分の
北斗「……やば」
小さく
聞こえないくらいで
顔逸らす
深く息吐く
北斗「落ち着けって」
自分に言う
洗面所から
ドライヤーの音
その間
北斗、リビングで一人
さっきより無理
さっきはドア越し
今は普通に同じ空間
北斗「……はぁ」
ソファ座る
でも落ち着かない
さっきの光景
頭から離れない
北斗「……何やってんだよ」
独り言
数分後
ドライヤーの音止まる
また出てくる気配
北斗
反射で姿勢正す
無駄に
〇〇、戻ってくる
髪少し乾いて
さっきより落ち着いた感じ
でも服はそのまま
〇〇「ふー」
ソファ座る
足も軽く上げて
完全リラックス
〇〇「ねぇ」
北斗「ん」
〇〇「この服さ」
〇〇「普通に楽」
北斗「だろうな」
〇〇「ちょっと欲しい」
北斗「やらねぇよ」
〇〇「ケチ」
北斗「当たり前だろ」
少し笑う
空気は普通
でも
北斗の中だけ
全然普通じゃない
それでも
顔には出さない
必死に隠したまま
浴室
ドア閉まる
カチッ
北斗、一歩入ったところで止まる
北斗「……はぁぁ」
深く息吐く
そのまま壁に手つく
顔少し伏せる
さっきのまま
頭から離れない
濡れた髪
大きいTシャツ
サイズ合ってなさすぎる感じ
北斗「……やば」
小さく
誰もいないから出る声
シャワーひねる
水の音
少し強め
誤魔化すみたいに
北斗「落ち着けって…」
自分に言う
でも無理
思い出すたびに
余計に意識する
同じ家
今すぐ外出たら普通にいる
距離感おかしい
北斗「……なんで平気なんだよあいつ」
〇〇の顔浮かぶ
普通にしてた
何も気にしてないみたいに
ソファでくつろいで
笑ってて
北斗「……こっちの気も知らねぇで」
でも
それが〇〇
だから余計に
北斗「……好きすぎだろ」
ぽつり
シャワーの音に消える
顔上げる
水かぶる
少しだけ冷静になる
今日のこと思い出す
玄関での空気
ご飯食べてた時間
「見られてる感じ減った」って言った声
少し安心してた顔
北斗「……ちゃんと守れてんのか」
低く
あの音
カーテン
完全に何もないとは言い切れない
でも
今はここにいる
同じ空間
北斗「……来るなら来てみろっての」
小さく
さっきと同じ言葉
拳軽く握る
シャワーの水
強くなる
北斗「……守るって言ったしな」
自分で言った言葉
「俺いるし」
軽く言ったつもりだったのに
今はちゃんと重い
北斗「……」
少しだけ静かになる
さっきのドキドキ
完全には消えないけど
少しだけ変わる
ただの緊張じゃない
覚悟みたいなもの混ざる
でも
最後にもう一回
頭よぎる
Tシャツ姿の〇〇
北斗「……」
目閉じる
北斗「無理」
即
シャワー強める
全部流すみたいに
ーーーーーーーーー
〇〇side
リビング
〇〇、ソファ
足上げて座ってる
北斗のTシャツの裾いじりながら
ぼーっとしてる
浴室から
シャワーの音
ふとスマホ取る
〇〇「……あ」
名前見つける
そのままタップ
コール音
数回
ガチャ
橋本環奈「もしもしー?」
明るい声
〇〇「もしもし」
少し安心した声
環奈「なに珍し、こんな時間に」
〇〇「ちょっと聞いてよ」
環奈「なにそのテンション」
笑ってる
〇〇「今さ」
〇〇「人ん家いる」
環奈「は?」
一瞬でトーン上がる
環奈「誰の?」
〇〇「北斗」
間
環奈「……は????」
〇〇、ちょっと笑う
〇〇「やばいでしょ」
環奈「やばいでしょじゃないのよ!!」
環奈「どういう状況!?」
〇〇「かくかくしかじか」
少し雑に説明
環奈、途中から真面目に聞く
環奈「……え、それ普通に怖いじゃん」
〇〇「でしょ」
〇〇「だから今避難中」
環奈「なるほどね」
環奈「で、なんで北斗?」
〇〇「流れ」
環奈「絶対違う」
即ツッコミ
〇〇「いやほんとに」
環奈「はいはい」
でも笑ってる
環奈「で?今何してんの」
〇〇「北斗風呂入ってる」
環奈「……待って情報量」
〇〇「だから今1人」
環奈「え、同じ家で?」
〇〇「そう」
環奈「……」
一瞬黙る
次の瞬間
環奈「いや無理無理無理無理」
笑いながら
環奈「それ普通にドキドキするやつじゃん」
〇〇「しないけど」
即答
環奈「嘘つけ」
〇〇「しないって」
〇〇、クッション抱える
〇〇「普通だよ」
環奈「普通じゃない」
環奈「絶対向こうしてるよ」
〇〇「してないでしょ」
軽く言う
環奈「いやしてるって」
環奈「絶対今風呂で落ち着けってなってる」
〇〇「なにそれ」
少し笑う
環奈「で、服どうしてんの」
〇〇「北斗の」
環奈「……は??」
〇〇「着替えないから」
環奈「待って」
環奈「それはダメ」
〇〇「なんで」
環奈「距離バグってる」
〇〇「そう?」
環奈「そうだよ!!」
環奈の声ちょっと大きい
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「でもさ」
〇〇「安心はする」
少しトーン落ちる
環奈、少し静かになる
環奈「……そっか」
〇〇「なんかさ」
〇〇「“いる”ってだけで違う」
環奈「うん」
〇〇「最近ずっと変だったから」
〇〇「今の方がマシ」
環奈「それならいいけどさ」
少し優しい声
環奈「無理はすんなよ」
〇〇「してない」
〇〇「多分」
環奈「多分ってなに」
〇〇「わかんない」
少し笑う
浴室の方
水の音まだ続いてる
〇〇「てかさ」
環奈「ん?」
〇〇「今日ご飯作ってくれた」
環奈「え」
環奈「何それ最高じゃん」
〇〇「普通に美味かった」
環奈「ポイント高」
〇〇「でしょ」
環奈「それ落ちるやつ」
〇〇「落ちない」
即
環奈「はいはい」
また笑う
少し間
〇〇、ふと静かになる
〇〇「……でもさ」
環奈「ん」
〇〇「まだちょっと怖い」
小さく
環奈「……うん」
〇〇「なんもないといいけど」
環奈「何かあったらすぐ言いなよ」
〇〇「うん」
環奈「私でも行くから」
〇〇「遠いでしょ」
環奈「行くって言ってんの」
少し強め
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「ありがと」
環奈「当たり前」
その時
浴室の音
少し変わる
そろそろ出てきそう
〇〇「北斗もう出るかも」
環奈「タイミング」
〇〇「また連絡する」
環奈「ちゃんと寝なよ」
〇〇「はーい」
通話切る
画面消える
〇〇、少しだけ深呼吸
さっきより少しだけ
気持ち落ち着いてる
でも
完全には消えないものもある
そのまま
浴室の方を見る
静かに待つ
ーーー
北斗side
浴室
シャワー止める
北斗、少しだけ動かず立つ
北斗「……よし」
タオルで髪拭く
顔叩くみたいに軽く
北斗「普通でいけ」
自分に言う
そのまま着替え
Tシャツ
スウェット
鏡の前で一瞬止まる
北斗「……バレてねぇよな」
表情確認
いつも通り
無理やり整える
北斗「……いける」
小さく
ドア開ける
ガチャ
リビング
〇〇がソファにいる
北斗の服のまま
クッション抱えてる
北斗、視界に入った瞬間
一瞬だけ止まる
北斗「……」
でもすぐ戻す
何もなかった顔
北斗「上がった」
〇〇「おかえり」
普通に返ってくる
その温度差
ちょっとだけ助かる
北斗、ソファの反対側座る
少し距離空ける
北斗「電話してた?」
〇〇「うん」
北斗「誰」
〇〇「環奈」
北斗「……あー」
納得
〇〇「全部話した」
北斗「だろうな」
〇〇「めっちゃ騒がれた」
北斗「想像つく」
少し笑う
少し静かになる
テレビついてない
音もない
ただ二人
〇〇「ねぇ」
北斗「ん」
〇〇「今日さ」
北斗「うん」
〇〇「ありがとね」
北斗「何が」
〇〇「いろいろ」
北斗、少しだけ視線逸らす
北斗「別に」
いつも通り
でも
少しだけトーン柔らかい
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「あとご飯も」
北斗「それは普通」
〇〇「普通じゃない」
また同じやり取り
でも
さっきより落ち着いてる
北斗、少しだけ〇〇見る
やっぱりサイズ感おかしい
でも今はもう
さっきほど動揺しない
北斗「……寒くねぇの」
〇〇「ちょっと」
北斗「だろうな」
立ち上がる
クローゼットの方行く
ブランケット取る
〇〇の方に投げる
〇〇「お」
キャッチ
〇〇「優し」
北斗「うるせぇ」
でも
ちゃんとかけるの確認してから座る
その時
ふと
また窓の方見る
カーテン閉まってる
動いてない
北斗「……」
一瞬だけ真顔
でもすぐ戻す
〇〇「どうした」
北斗「なんでもねぇ」
短く
〇〇「そ」
それ以上聞かない
ソファ
少し距離あるまま
同じ空間
さっきより
静かで
落ち着いてる
でも
どこかまだ
完全には気抜けないまま
ーーー
リビング
〇〇、リモコン持ったまま
〇〇「映画見よー」
北斗「何見るんだよ」
〇〇「ホラー」
北斗「やめとけ」
即
〇〇「なんで」
北斗「お前無理だろ」
〇〇「いけるって」
北斗「いけてねぇの知ってる」
〇〇「今回はいける」
北斗「無理」
少し間
〇〇「じゃあいい、一人で見る」
そのままテレビつけようとする
北斗「は?」
リモコン軽く奪う
〇〇「ちょっと」
北斗「一人で見て騒ぐ未来見えてんだけど」
〇〇「騒がないし」
北斗「嘘つけ」
〇〇「じゃあ一緒に見ればいいじゃん」
さらっと
北斗「……は?」
〇〇「隣いれば平気でしょ」
北斗、少し止まる
その言い方
軽いのに
妙に引っかかる
北斗「……お前な」
〇〇「なに」
北斗「後で無理とか言うなよ」
〇〇「言わない」
北斗「絶対言う」
〇〇「言わないって」
北斗「……はぁ」
ため息
でも断らない
北斗「一本だけな」
〇〇「やった」
すぐ嬉しそう
ソファ
〇〇、自然に横寄る
距離、さっきより近い
ブランケット少し広げる
〇〇「入る?」
北斗「入らねぇよ」
〇〇「寒いよ」
北斗「平気」
〇〇「強がり」
北斗「うるせぇ」
でも少しだけ距離そのまま
テレビつく
暗い画面
ホラー映画のタイトル
〇〇「……きた」
ちょっとワクワクしてる
北斗「もう無理そうじゃん」
〇〇「いける」
画面進む
最初は静か
〇〇、普通に見てる
北斗、横目でちらっと見る
北斗「……」
絶対後で来る
分かってる
数分後
不穏な音
〇〇「……」
少しだけ体強張る
北斗「ほら」
〇〇「まだ大丈夫」
その直後
ドンッ
大きい音
〇〇「っ、」
一瞬で北斗の腕掴む
北斗「……ほらな」
〇〇「今のはびっくりしただけ」
手離さない
北斗「離せよ」
〇〇「無理」
即
北斗「は?」
〇〇「今の無理」
もう目少し逸らしてる
北斗「だから言っただろ」
でも
振り払わない
そのまま
〇〇の手
北斗の腕掴んだまま
映画続く
音だけでビビる
〇〇「え、なにこれ」
北斗「知らねぇよ」
〇〇「やば」
さらに寄る
肩当たる
北斗「……」
一瞬固まる
でも動かない
〇〇「ちょっと無理かも」
北斗「もうやめるか」
〇〇「いや」
即
北斗「は?」
〇〇「気になる」
北斗「お前さ」
〇〇「でも怖い」
矛盾
北斗「めんどくせぇ」
でも少し笑う
そのまま
二人で画面見る
〇〇は半分見てない
ほぼ北斗側寄ってる
北斗は普通に見てるふり
でも
意識は隣
距離
触れてる腕
全部入ってきてる
北斗「……」
小さく息吐く
逃げない
そのまま一緒に見る
静かな夜
テレビの光だけが揺れてる
〇〇、画面を見ながら小さく震える
〇〇「……北斗、怖い……」
北斗、隣でドキドキを必死に隠す
北斗「……大丈夫だって」
〇〇、自然に北斗の腕に手を伸ばす
顔を少し北斗の方へ寄せて、腕を掴む
北斗、息を整えようとするけど、心臓は早まる
北斗(心の声)「……近すぎ……」
〇〇「ちょっとだけ…いい?」
北斗、無言で頷く
〇〇、ほんの少し身を寄せる
北斗、視線は画面に向けるふりをしながらも、肩越しの距離に緊張
〇〇「怖いけど、……北斗がいるから平気かも」
北斗、軽く息を吐く
その距離、触れるか触れないかで、二人の鼓動が重なる
暗いリビングで、二人だけの時間が、ゆっくり流れていく
映画の音が怖くて、〇〇はもう画面を見ずに北斗の腕に顔をぐっと近づける
耳をしっかり腕に押し付けて、小さく震える
北斗、すぐに気づく
北斗「……おい、大丈夫か?」
〇〇、かすかにうなずくけど、声は出せず
北斗、腕を少し引き寄せて包み込むように支える
北斗(心の声)「……近すぎ……でも、可愛い……」
〇〇、安心したように腕に顔をうずめ、鼓動が伝わる
北斗も、そっと呼吸を整えながら、その距離感に心臓が高鳴る
画面はもうほとんど見ず、二人だけの時間が静かに流れる
ーーーーーー
映画が終わると、部屋の明かりだけが優しく二人を照らしている。
〇〇は少しホッとした表情で北斗から腕を離す。
〇〇「……やっと終わった」
北斗は画面から目を離し、〇〇をちらっと見て小さく笑う。
北斗「お疲れ、お前、最後まで見れたな」
〇〇「うん、なんとか…」
少し照れた声で、でも笑顔。
北斗「……怖かった?」
〇〇「めっちゃ怖かったけど、でも…楽しかった」
北斗はその言葉を聞いて、少し安心したように肩の力を抜く。
北斗「ならよかった」
二人は少しの沈黙のあと、それぞれソファでリラックスした体勢に戻る。
ホラー映画見終わった後
〇〇、ソファから立ち上がる
〇〇「なんかさ、アイス食べたくない?」
北斗「急だな」
〇〇「いいじゃん」
そのままキッチンへ向かって、冷蔵庫を開ける
〇〇「……あ」
中を見ると、アイスはひとつだけ
〇〇「一個しかない」
北斗、後ろから覗く
北斗「まぁ一人暮らしだしな」
〇〇、少しだけ安心した顔になる
〇〇「……なんか、安心した」
北斗「は?」
〇〇「いや、ちゃんとしてるっていうか」
〇〇「変なの入ってなくてよかった」
北斗、少しだけ表情緩む
北斗「どんな心配だよ」
〇〇「最近ちょっと敏感なの」
北斗「……まぁ、分かるけど」
少し間
〇〇「じゃ、ジャンケンで決めよ」
北斗「ガキかよ」
〇〇「いいから」
二人向き合う
〇〇「最初はグー」
北斗「最初はグー」
〇〇・北斗「ジャンケンポン」
〇〇、負け
〇〇「……はぁ!?今のずるくない!?」
北斗「普通に勝っただけだろ」
〇〇「最悪」
北斗、アイス取る
北斗「いただきます」
ソファ戻って座る
〇〇も隣に座るけど、少しだけ不満そう
北斗、一口食べる
〇〇、じーっと見る
北斗「……何」
〇〇「一口ちょうだい」
北斗「は?」
〇〇「いいじゃん、ちょっとだけ」
北斗「自分で負けたんだろ」
〇〇「ケチ」
少し間
北斗「……一口な」
しぶしぶスプーン差し出す
〇〇「やった」
そのまま
思ってたより大きく、ガブっといく
北斗「おい」
〇〇、もぐもぐしながら
〇〇「んー、おいしい」
北斗「一口じゃねぇだろ今の」
〇〇「一口だよ」
北斗「でかすぎ」
〇〇、少し笑う
〇〇「いいじゃん」
北斗、ため息つきながらもどこか緩い
北斗「……ほんと自由だな」
〇〇、満足そうに背もたれに寄りかかる
気づけば時計は深夜
テレビも消えて、部屋の明かりだけが静かに残ってる
〇〇「……もうこんな時間?」
北斗「さすがに寝るか」
〇〇「うん」
軽く伸びをして立ち上がる
北斗、寝室の方を指さす
北斗「ベッド使えよ」
〇〇「え、いいの?」
北斗「俺ソファでいいし」
〇〇「いやいや無理でしょ」
〇〇、首振る
〇〇「来客用あるって言ってたじゃん」
北斗「まぁあるけど」
〇〇「そこ使う」
迷いなく言う
北斗、少しだけ見る
北斗「……いいのかよ」
〇〇「いいの」
〇〇「気使われる方が落ち着かない」
北斗、小さく息吐く
北斗「……分かった」
寝室
来客用の布団を出して、〇〇が準備する
〇〇「なんかさ」
北斗「ん?」
〇〇「こういうの久しぶりかも」
北斗「何が」
〇〇「人の家泊まるの」
北斗「まぁな」
〇〇、布団に座る
少しだけリラックスした顔
〇〇「なんか安心する」
北斗、ドアのところで腕組んでる
北斗「……ならよかった」
一瞬静かになる
〇〇「北斗は?」
北斗「俺はあっち」
リビングの方指す
〇〇「ちゃんと寝なよ」
北斗「お前に言われたくねぇ」
少しだけ笑う
〇〇も小さく笑う
〇〇「おやすみ」
北斗「……おやすみ」
ドアが少し閉まる
部屋の灯りが落ちる
静かな夜
それぞれ別の場所で横になりながら
同じ空間にいる安心感だけが、静かに残ってる
ーーーーーーーーー
北斗side
リビング
電気は落として、ソファに横になる北斗
でも
目、閉じても全然眠れない
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
頭の中、さっきのことばっかり
アイス
スプーン
そのまま〇〇が――
北斗「……いや、マジで何してんだよ俺」
目、開ける
天井見たまま固まる
あれ
完全に間接キスだろって思った瞬間
自分で余計に意識してるの分かる
北斗「……別に普通だろ」
小さく言う
でも
〇〇の顔、思い出す
普通に
何も気にしてない顔で食べてた
北斗「……あいつ絶対気にしてねぇ」
苦く笑う
北斗「まぁ、そりゃそうか」
9歳からこの世界
周りほぼ男
距離感とか慣れてるに決まってる
頭では分かってる
でも
北斗、片手で目元覆う
北斗「……なんで俺だけこんな意識してんだよ」
少しだけ声低くなる
悔しいような
情けないような
でも
さっき腕掴まれた感覚
まだ残ってる
北斗「……」
無意識にその腕見る
北斗「……ダメだ」
完全に引きずってる
横向きになる
寝ようとするけど
〇〇がすぐ近くの部屋にいるってだけで
意識が全部そっちにいく
北斗「……ほんと無理」
小さく呟く
でも
どこかで安心してるのも事実
同じ空間にいるってだけで
北斗、ゆっくり目閉じる
落ち着かせるみたいに呼吸整えながら
(ちゃんと守れる距離にいんだろ)
心の中でそう言い聞かせて
やっと少しずつ、眠りに落ちていく
深夜
静まり返ったリビング
やっと少しだけ眠気がきたところで
――ブブッ
スマホが震える
北斗「……誰だよ」
目を細めながら画面見る
「恭平」
北斗「……は?」
こんな時間に?
少し迷ってから出る
北斗「……もしもし」
恭平『あ、北斗くん?ごめんこんな時間に』
北斗「いや…どうした」
恭平『言い忘れてたことあって』
北斗、体起こす
北斗「言い忘れ?」
恭平『〇〇のことなんやけどさ』
北斗、無意識に真剣になる
北斗「……うん」
恭平『あいつ、結構マイペースやろ』
北斗「知ってる」
恭平『あと、怖いのダメやのに見るし』
北斗「さっき見てた」
恭平『やろな笑』
少しだけ空気緩む
恭平『でさ、服なんやけど』
北斗「服?」
恭平『あいつ、家では基本ラフやし』
恭平『俺ん家おる時も、ほぼ俺の服着てたで』
北斗「……は?」
一瞬止まる
恭平『サイズ気にせんし』
恭平『でかいの普通に着るし』
北斗、さっきの姿思い出す
北斗「……あー……」
恭平『あとズボンはすぐ落ちるから嫌がる』
北斗「……見た」
恭平『やろ?笑』
北斗、顔しかめる
北斗「……なんでそれ今言うんだよ」
恭平『いや一応?』
軽いトーン
でも次の一言
恭平『あとさ』
北斗「まだあんのかよ」
恭平『距離感バグってる時あるから気つけてな』
北斗、無言
恭平『悪気ないんよあれ』
北斗「……分かってる」
恭平『まぁでも』
少しだけ間
恭平『任せていいよ』
北斗「……は?」
恭平『〇〇のこと』
恭平『ちゃんと見てくれそうやし』
北斗、言葉止まる
恭平『あいつさ』
恭平『強そうに見えて普通に弱いとこあるから』
北斗「……知ってる」
恭平『そっか』
少しだけ安心した声
恭平『じゃあ頼んだで』
北斗「……あぁ」
恭平『おやすみ』
北斗「おやすみ」
通話切れる
静寂
北斗、スマホ見つめたまま固まる
北斗「……マジで余計な情報だけ残していったな」
小さく呟く
頭の中
さっきの〇〇の姿
オーバーサイズの服
無防備な距離感
全部一気に繋がる
北斗、片手で顔覆う
北斗「……無理だろこれ」
理性、ギリギリ
でも
ゆっくり息吐く
北斗「……ちゃんとしろ」
自分に言い聞かせる
視線、〇〇がいる部屋の方へ向く
北斗「……守るって決めただろ」
低く
そのままソファに倒れる
目閉じる
さっきより余計に眠れないのに
無理やりでも落ちようとする
静かな夜の中
北斗だけが、完全に目覚めたまま
朝を待つみたいに時間が過ぎていく
ーーーーーーーーー
☀️北斗side
朝
アラームの音
北斗、先に目を覚ます
北斗「……ん」
少しだけ寝不足のまま体起こす
時計を見る
まだ早い時間
ふと
〇〇のこと思い出す
北斗、静かに立ち上がる
足音立てないように寝室の方へ
ドア、少しだけ開ける
〇〇、布団の中でぐっすり寝てる
呼吸も落ち着いてて
顔も穏やか
北斗「……」
少しだけ安心する
北斗「よかった…」
小さく呟く
ドアを静かに閉めてリビングへ戻る
そのままキッチンへ
北斗「……朝から会議だっけ」
昨日の会話思い出す
北斗「時間ねぇな」
冷蔵庫開けて、あるもので考える
手際よく動き始める
フライパンに火
簡単に食べれるものを優先
北斗「……ちゃんと食わせねぇと」
ぼそっと
途中で時計確認
北斗「やべ」
少しペース上げる
皿並べて、盛り付けして
テーブルに置く
その時
寝室の方から物音
〇〇「……ん……」
北斗、振り向く
北斗「起きたか」
〇〇、少し寝ぼけたまま出てくる
髪まだ乱れてて、目も半分閉じてる
〇〇「……おはよ」
北斗「おはよ」
〇〇、テーブル見る
〇〇「……なにこれ」
北斗「朝飯」
〇〇「え、作ったの?」
北斗「他に誰がいんだよ」
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「ありがと」
そのまま椅子に座る
北斗「時間大丈夫か」
〇〇「あ、マネ来るんだよね」
スマホ確認
〇〇「あとちょい」
北斗「じゃあ早く食え」
〇〇「はーい」
急ぎながらもちゃんと食べる
北斗、少し離れたところで見ながら
北斗(ちゃんと食ってるな)
少しだけ安心
外から車の音
〇〇「あ、来たかも」
急いで食べ終わる
〇〇「ごちそうさま!」
立ち上がる
北斗「送る」
〇〇「いいよ下までで」
北斗「いいから」
少し強め
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「はいはい」
二人で玄関へ
〇〇、靴履きながら
〇〇「ほんとありがとね」
北斗「……気にすんな」
ドア開ける
外、マネの車
〇〇、振り返る
〇〇「行ってきます」
北斗「行ってこい」
〇〇、車へ
ドア閉まる
走り出す
北斗、その場で少しだけ見送る
北斗「……無事に帰ってこいよ」
小さく
静かになった部屋
さっきまでいた気配だけが残ってる
北斗、ゆっくり部屋に戻る
まだ少しだけ
落ち着かないまま
朝が進んでいく
部屋に戻って、静かになるリビング
北斗、ソファに腰落とす
北斗「……静か」
さっきまで〇〇がいた空気がまだ残ってる
テーブルの上のコップ
少しだけズレたクッション
北斗、ぼーっと眺める
北斗「……変な感じ」
小さく呟く
その時
スマホが鳴る
画面
風磨
北斗「……なんだよ」
出る
北斗「もしもし」
風磨『おはよ』
北斗「おはよ」
風磨『昨日どうだった』
ストレート
北斗「……は?」
風磨『〇〇泊めただろ』
北斗、少し黙る
北斗「……まぁ」
風磨『大丈夫だった?』
少しトーン落ちる
北斗「大丈夫」
北斗「普通に寝たし」
風磨『ほんとに?』
北斗「疑いすぎだろ」
風磨『いやお前だから聞いてんの』
北斗「どういう意味だよ」
風磨『理性飛ばしてないか確認』
北斗「飛ばすか」
即答
でも
一瞬、間
風磨『……間あったな今』
北斗「うるせぇよ」
風磨、少し笑う
風磨『まぁでもさ』
風磨『〇〇どうだった』
北斗、少し考える
北斗「……普通」
風磨『絶対普通じゃねぇだろ』
北斗「いや普通だって」
北斗「怖がって、騒いで、勝手に人のアイス食って」
風磨『想像できるわ』
北斗「……で、何も考えてねぇ」
ぽつり
風磨、少し静かになる
風磨『だろうな』
北斗「……あいつ、ほんと無防備」
風磨『だから言ってんじゃん』
風磨『ちゃんと見とけって』
北斗、少しだけ目閉じる
北斗「見てるよ」
低く
風磨『ならいいけど』
少し間
風磨『なんかあったらすぐ言えよ』
北斗「……あぁ」
風磨『あと』
北斗「まだあんのかよ」
風磨『変なことすんなよ』
北斗「しねぇよ」
風磨『信用してねぇ』
北斗「切るぞ」
風磨『はいはい』
通話切れる
北斗、スマホ見つめる
北斗「……なんなんだよほんと」
でも
どこかで分かってる
風磨も同じように心配してること
北斗、ソファに深くもたれる
天井見る
北斗「……仕事まで時間あるし」
でも
頭の中
〇〇のことばっかり
北斗「……ダメだなこれ」
小さく笑って
目閉じる
少しだけ
ゆっくり流れる時間の中で
体を休めるように、静かに過ごしていく
ーーーーーーーーー
〇〇side
事務所
会議室
長テーブル
資料が広がってる
〇〇、椅子に座る
少しだけ背筋伸ばしてる
さっきまでの空気を切り替えるみたいに
マネ「じゃあ、今後の話するね」
〇〇「うん」
マネ、資料をめくる
マネ「まず現状」
マネ「警備は継続」
マネ「移動は基本全部同行」
〇〇、静かに聞く
〇〇「外で1人は無しってこと?」
マネ「うん、しばらくは」
〇〇「……そっか」
一瞬だけ間
マネ「あと、泊まる場所」
〇〇、少し顔上げる
マネ「社長とも話したけど」
マネ「今の家に戻るのはまだ早い」
〇〇「……うん」
分かってる顔
マネ「だから今みたいに」
マネ「誰かの家にいる状態を続ける」
〇〇「北斗のとこでいい?」
マネ、一瞬見る
マネ「本人がいいなら」
〇〇「多分大丈夫」
少しだけ小さく
マネ「ちゃんと確認して」
〇〇「する」
資料めくる音
マネ「で、仕事」
〇〇、少し姿勢戻す
マネ「ドラマは一旦スケジュール調整中」
マネ「台本読みも少し後ろにずらす」
〇〇「結構動く?」
マネ「うん、安全優先」
〇〇「了解」
マネ「ただ完全に止めるわけじゃない」
〇〇「うん」
マネ「できる範囲で進める」
〇〇、頷く
〇〇「仕事はやるよ」
マネ「分かってる」
少しだけ柔らかい声
マネ「でも無理はしない」
〇〇「してないし」
即答
マネ、少しだけ笑う
マネ「その言い方する時はしてる」
〇〇「してないって」
軽く返す
少し沈黙
マネ「あと」
〇〇「ん?」
マネ「何かあったらすぐ言うこと」
〇〇「うん」
マネ「小さいことでも」
〇〇「分かった」
テーブルの上の資料に視線落とす
〇〇「……なんかさ」
マネ「?」
〇〇「思ったより大事になってるね」
マネ、少しだけ間を置く
マネ「大事だよ」
はっきり
〇〇、少し黙る
〇〇「……そっか」
小さく息吐く
でも
顔はちゃんとしてる
〇〇「じゃあ、やることやるだけだね」
マネ「そう」
短く
会議室の空気
静かだけど、ちゃんと現実的で
〇〇もその中にちゃんと立ってる
少しずつ
日常を取り戻すために進みながら
ーーーーーーーーー
夜
20:00
北斗、先に帰宅
玄関の鍵を閉めて、そのままリビングへ
北斗「……はぁ」
軽く息吐いてソファに座る
一日終わった疲れ
でも
ふと、思い出す
北斗「……あ」
〇〇のこと
北斗「鍵……」
小さく呟く
この家、一人暮らし
合鍵なんてそもそも作ってない
北斗「……やば」
頭の中で整理する
発注しても完成まで1週間
その間
北斗「……毎回俺がいねぇと入れねぇじゃん」
普通に問題
〇〇は仕事で先に帰る日もある
そのたび外で待たせる?
北斗「……ありえねぇ」
少し眉寄せる
警備もついてるとはいえ
外で待機させるのはリスク高い
北斗「どうすんだよ……」
考え込む
合鍵ができるまでの間の対応
スタッフに預ける?
いや、それも微妙
オートロックは?
でも部屋の鍵は必要
北斗「……めんどくせぇ」
でも放置はできない
その時
外から車の音
北斗、顔上げる
北斗「……来たか」
カーテンの隙間から少しだけ確認
マネの車
そのまま玄関へ向かう
数秒後
インターホン
ピンポーン
北斗、すぐ開ける
ドアの向こう
〇〇とマネ
〇〇「ただいま」
北斗「おかえり」
マネ「送ってきました」
北斗「ありがとうございます」
マネ、軽く頷いて戻る
車、去る
〇〇、靴脱ぎながら
〇〇「今日ちょっと長かった」
北斗「会議?」
〇〇「うん」
そのまま中に入る
〇〇「……あ、落ち着く」
ぽつり
北斗、少しだけ見る
北斗「……なぁ」
〇〇「ん?」
北斗「鍵のことなんだけど」
〇〇、止まる
〇〇「鍵?」
北斗「合鍵ないだろ」
〇〇「あー…」
〇〇も気づく
〇〇「たしかに」
北斗「作るにしても時間かかる」
〇〇「どれくらい?」
北斗「1週間くらい」
〇〇「え、そんな?」
北斗「その間どうすんのって話」
少し沈黙
〇〇「……外で待つのは無理だよね」
北斗「無理」即答
〇〇「だよね」
〇〇、少し考える
〇〇「じゃあさ」
北斗「ん?」
〇〇「マネに鍵預ける?」
北斗、少し考える顔
北斗「……一番現実的か」
〇〇「だよね」
北斗「でも最低限だな」
〇〇「うん」
北斗「とりあえず明日作る」
〇〇「ありがと」
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「なんかさ」
北斗「?」
〇〇「こういうの、ちょっと一緒に住んでる感あるね」
北斗、固まる
北斗「……は?」
〇〇「いや、変な意味じゃなくて」
〇〇「生活の話してる感じ」
北斗、視線逸らす
北斗「……そうだな」
短く
でも
少しだけ意識する
〇〇は普通に言ってるだけ
北斗だけ、勝手に引っかかる
北斗「……とりあえず飯食うか」
話切り替える
〇〇「賛成」
そのまま二人でリビングへ
さっきまで考えてた問題も
まだ解決途中のまま
でも
同じ空間で過ごす夜が
また始まる
玄関からリビングに入る直前
北斗のポケットの中でスマホが震える
――ブブッ
北斗「……っ」
反射的に取り出す
さっきまでのゆるい空気が一瞬で切り替わる
画面を見る
北斗「……」
少しだけ眉が動く
〇〇「誰?」
後ろから覗く〇〇
北斗、ほんの一瞬だけ迷う
北斗「……マネ」
短く答える
すぐ通話に出る
北斗「もしもし」
声、低く落ち着いてる
相手の声を聞くうちに
北斗の表情が少しずつ変わる
さっきまでの空気とは違う
北斗「……今?」
短く
〇〇、少しだけ空気を察する
北斗「分かった」
それだけ言って通話を切る
数秒
静か
〇〇「……どうした?」
北斗、スマホを握ったまま
北斗「……ちょっと動きあったかも」
〇〇「え」
北斗「例のやつ」
空気、一気に変わる
さっきまでの安心感が少しだけ揺れる
〇〇、無意識に息止まる
〇〇「……なに?」
北斗、短く答える
北斗「事務所側で、怪しい動き見つけたらしい」
〇〇「……」
北斗「詳しくはまだだけど」
北斗「今日中に確認入る」
〇〇、少しだけ不安な顔になる
〇〇「大丈夫かな」
北斗、すぐ見る
北斗「大丈夫」
はっきり
〇〇「……ほんと?」
北斗「俺いるだろ」
低く
〇〇、少しだけ止まる
その言い方に
少しだけ安心する
〇〇「……うん」
北斗、息吐く
北斗「とりあえず」
北斗「今日は外出ない」
〇〇「出る気ないし」
北斗「ならいい」
少しだけ空気戻る
でも
完全には戻らない
北斗、スマホをテーブルに置く
北斗「……飯にするか」
〇〇「うん」
リビングに入る前
北斗、玄関の方を思い出す
北斗「……ちょい待って」
〇〇「?」
北斗、玄関へ戻る
置きっぱなしにしてたスーパーの袋を持ってくる
ガサッ
テーブルに置く
〇〇「なにそれ」
北斗「帰りに買った」
袋の中、出していく
卵
カット野菜
鶏肉
豆腐
牛乳
あと
小さめのアイスがいくつか
〇〇「……ちゃんとしてる」
北斗「普通だろ」
〇〇「いや、なんか意外」
北斗「どういう意味だよ」
〇〇、アイス手に取る
〇〇「増えてるじゃん」
北斗「昨日のやつ一個しかなかったし」
〇〇「優しい」
北斗「違ぇよ」
すぐ否定
でも少しだけ照れてる
〇〇、くすっと笑う
〇〇「じゃあ今日は奪わなくていいね」
北斗「奪う前提やめろ」
〇〇「一口ならいいでしょ」
北斗「一口じゃねぇんだよお前の場合」
〇〇「バレてる」
軽く笑う
そのまま北斗、食材を冷蔵庫に入れていく
慣れた手つき
〇〇、それを横でぼーっと見る
〇〇「……なんかさ」
北斗「ん?」
〇〇「普通だね」
北斗「何が」
〇〇「こういうの」
少しだけ間
〇〇「安心する」
北斗、手止まる
でもすぐ戻す
北斗「……そうか」
短く
それ以上は言わない
でも
さっきまでの張り詰めた空気が
少しだけほどける
静かな部屋に
生活の音だけが戻ってくる
〇〇「これさ」
テーブルの上の料理を見る
〇〇「朝のやつ?」
北斗「そう」
〇〇「え、ちゃんと残してくれてたの?」
北斗「食う時間なかっただけ」
〇〇「絶対嘘」
北斗「うるせぇ」
〇〇、座る
箸持ちながら
〇〇「いただきます」
一口食べる
〇〇「……おいしい」
北斗「普通だろ」
〇〇「普通にうまいって意味」
北斗、少しだけ視線逸らす
〇〇「料理できるの強いよね」
北斗「別に」
〇〇「いや普通に助かる」
北斗「じゃあ食え」
〇〇「食べてるって」
もぐもぐしながら
〇〇「なんかさ」
北斗「ん?」
〇〇「朝バタバタだったのに、こうやって夜食べれるのいいね」
北斗「……まぁな」
〇〇、また一口
〇〇「今日さ、結構話した」
北斗「マネと?」
〇〇「うん」
〇〇「しばらく今の状態続くって」
北斗「だろうな」
〇〇「外も基本1人無理」
北斗「当たり前」
〇〇「やっぱ大事になってるね」
北斗「なってるよ」
〇〇、少しだけ黙る
〇〇「……でもさ」
北斗「?」
〇〇「こうやって普通にご飯食べてると、あんま実感ない」
北斗「……」
北斗「それでいいだろ」
〇〇「まぁね」
少し笑う
〇〇「ありがと」
北斗「何が」
〇〇「いろいろ」
北斗、少しだけ止まる
北斗「……別に」
短く返す
〇〇、気にせず食べ続ける
〇〇「これ明日も食べていい?」
北斗「残ってたらな」
〇〇「じゃあ残す」
北斗「食えよ」
〇〇「どっち」
少し笑う
北斗も小さくため息つきながら、箸を持つ
二人で同じご飯を食べながら、いつも通りみたいな会話が続いていく
ーーー
食べ終わって、北斗が皿を手に取る
北斗「いい、置いとけ」
〇〇「やるよ」
北斗「いいって」
そのままキッチンへ
水を出して、洗い始める
〇〇はそのまま座って見てる
しばらくして、立ち上がって少し近づく
北斗、黙々と手を動かしてる
〇〇「……すごいね」
北斗「何が」
手は止めないまま
〇〇「なんでもできるじゃん」
北斗「普通だろ」
〇〇「普通じゃないって」
少し笑いながら
〇〇「料理もできるし、ちゃんと片付けもするし」
北斗「一人暮らしならやる」
〇〇「いや、やらない人いるって」
北斗、少しだけ息吐く
北斗「……そうか?」
〇〇「うん」
少し間
〇〇「なんか、すごいなーって思っただけ」
北斗、洗いながら少しだけ視線下げる
北斗「……別に」
短く
でも
少しだけペースが乱れる
〇〇はそれに気づかず、そのまま隣で見てる
〇〇「いいなー」
北斗「何が」
〇〇「こういうの」
北斗、少しだけ止まる
北斗「……どれ」
〇〇「普通に生活できるの」
北斗、数秒黙る
北斗「……できてるだろ、お前も」
〇〇「仕事はね」
小さく笑う
北斗、何も言わずにまた手動かす
水の音だけが続く
〇〇はそのまま隣に立ったまま、ぼーっと見てる
キッチン
水の音が続く中
――ブブッ
〇〇のスマホが鳴る
〇〇「……あ」
画面を見る
〇〇「マネだ」
北斗「出ろ」
〇〇、少し離れて通話に出る
〇〇「もしもし」
マネ『今大丈夫?』
〇〇「うん」
マネ『一応、共有の件なんだけど』
〇〇、少し真面目な顔になる
〇〇「うん」
マネ『今の状況』
マネ『北斗の家に泊まってることは』
〇〇、ちらっと北斗の方を見る
マネ『SixTONESとtimelesz、両方のマネージャーには共有済み』
〇〇「……うん」
マネ『あと、上の人と社長も把握してる』
〇〇「結構知ってるね」
マネ『でも一般のスタッフには一切出してない』
〇〇「……そっか」
マネ『情報はかなり絞ってるから安心して』
〇〇「ありがと」
少し間
マネ『それと』
〇〇「?」
マネ『新しい動きがあった』
〇〇、表情が変わる
〇〇「……なに?」
マネ『事務所の近くで』
マネ『不審な人物が数回目撃されてる』
〇〇「……え」
マネ『同じ時間帯、同じ場所』
マネ『出入りを見てるような動き』
〇〇、無意識に息止まる
〇〇「特徴は?」
マネ『フードを深く被ってる』
その言葉で
〇〇、北斗の方を見る
北斗も気づく
視線が合う
マネ『まだ断定はできないけど』
マネ『可能性は高い』
〇〇「……わかった」
マネ『しばらくは今の体制を崩さない』
〇〇「うん」
マネ『外出は必ず同行』
〇〇「了解」
マネ『何かあればすぐ連絡』
〇〇「する」
マネ『北斗にも伝えて』
〇〇「うん」
通話切れる
静かになる
〇〇、スマホを握ったまま立ってる
北斗、水を止める
北斗「……新しい動きか」
〇〇「事務所の近くで、不審者」
北斗「特徴」
〇〇「フード」
一瞬の沈黙
北斗「……やっぱりか」
〇〇「知ってるの?」
北斗「この前見た」
〇〇「え」
北斗「お前送った日の夜」
〇〇、少し息詰まる
〇〇「……なんで言わなかったの」
北斗「不安になるだけだろ」
短く
〇〇、何も言えない
北斗「でも」
少しだけトーン落ちる
北斗「今ので繋がったな」
〇〇「……うん」
北斗、スマホ取り出す
北斗「俺からも連絡入れる」
〇〇「わかった」
北斗、操作しながら
北斗「外の動き、完全に見てる可能性ある」
〇〇「ここは…?」
北斗「バレてるとは思わない方がいい」
〇〇、静かに頷く
北斗「でも警備いるし」
北斗「簡単には来れねぇ」
〇〇「……うん」
さっきまでの空気は完全に消えて
部屋の中に緊張だけが残る
北斗はもう完全に警戒に入っていて
〇〇もそれを感じながら、静かに立っている
少し重くなった空気のまま
〇〇「……はぁ」
そのままソファに座る
北斗もスマホ置いて、軽く息吐く
数秒の沈黙
〇〇「……ねぇ」
北斗「ん?」
〇〇「お風呂どうする?」
北斗「……は?」
〇〇「いや、今日も入るじゃん」
北斗、少しだけ考える顔
北斗「……あー」
昨日のこと思い出す
服
北斗「……またねぇのか」
〇〇「ない」即答
北斗「お前さ」
〇〇「しょうがないじゃん」
〇〇「急に泊まることになったんだし」
北斗、頭かく
北斗「……今日買いに行くべきだったな」
〇〇「外出れないし」
北斗「……だな」
詰む
〇〇「どうする?」
北斗、少し考える
北斗「……昨日と同じでいいだろ」
〇〇「また借りるの?」
北斗「それしかねぇ」
〇〇、少し笑う
〇〇「じゃあ今日はちゃんとズボンも貸して」
北斗「昨日も貸しただろ」
〇〇「落ちる」
北斗「知ってる」
〇〇「ほんとに落ちる」
北斗「分かってる」
少し沈黙
北斗「……紐あるやつ探す」
〇〇「あるの?」
北斗「多分」
〇〇「助かる」
少し空気が緩む
〇〇「あとさ」
北斗「ん?」
〇〇「お風呂順番どうする?」
北斗「どっちでもいい」
〇〇「じゃあ今日も先いい?」
北斗「……いいけど」
〇〇「やった」
北斗、小さく息吐く
北斗「準備しとく」
〇〇「ありがと」
〇〇、立ち上がる
北斗はクローゼットの方へ向かう
頭の中
また同じ状況になることを理解して
北斗「……ほんと勘弁してくれ」
小さく呟きながら
服を探し始める
クローゼットの前
北斗、無言で服を探してる
北斗「……これと」
小さめのTシャツ
紐付きのスウェット
北斗「……多分これなら」
手に取って、少しだけ固まる
昨日のこと思い出す
北斗「……はぁ」
一回深く息吐く
そのままリビング戻る
〇〇「見つかった?」
北斗「一応」
服を差し出す
〇〇「お、紐あるじゃん」
北斗「落ちねぇやつな」
〇〇「助かる」
そのまま受け取る
〇〇「じゃあ先入るね」
北斗「……あぁ」
〇〇、風呂場の方へ
扉閉まる音
しばらくして
シャワーの音
北斗、ソファに座る
でも落ち着かない
北斗「……またこれかよ」
小さく呟く
頭の中
昨日の光景
オーバーサイズの服
濡れた髪
北斗、片手で顔覆う
北斗「……やめろって」
自分に言い聞かせる
でも
シャワーの音が余計に意識させる
北斗「……無理だろ普通に」
立ち上がってキッチン行く
水飲む
落ち着かせるみたいに
北斗「……平常心」
低く
何回も繰り返す
時間、ゆっくり過ぎる
やっと
風呂場の音が止まる
北斗、反応してしまう
北斗「……」
無意識にそっちを見る
ドアが開く音
〇〇、出てくる
髪は少し濡れてて
軽くまとめてる
北斗のTシャツ
少し大きめで肩が落ちてる
下はスウェット
〇〇「おー、落ちない」
少し嬉しそう
北斗、目逸らす
北斗「……ならよかったな」
〇〇「うん」
そのままソファへ
〇〇「次どうぞ」
北斗「……行ってくる」
すぐ立ち上がる
距離取るみたいに
風呂場に入ってドア閉める
北斗「……はぁぁ」
一気に息吐く
壁に手つく
北斗「……ほんとやばいって」
頭抱える
さっきの姿
離れない
北斗「……落ち着け」
水出す
顔にかける
強制的にリセットするみたいに
北斗「……ちゃんとしろ」
低く
何度も自分に言い聞かせながら
シャワーを浴び始める
風呂のドアが開く
北斗、髪をタオルで拭きながら出てくる
北斗「……ふぅ」
リビングに視線向ける
〇〇はソファでくつろいでる
さっき借りた服のまま
〇〇「おかえり」
北斗「ただいまじゃねぇよ」
〇〇「いいじゃん」
軽く笑う
北斗、少しだけ目逸らす
そのまま距離を空けて座る
〇〇「遠くない?」
北斗「普通」
〇〇「絶対遠い」
北斗「気のせい」
〇〇、少し笑う
〇〇「まぁいいけど」
少し間
テレビの音だけ流れる
〇〇、クッション抱えながら
〇〇「今日さ」
北斗「ん?」
〇〇「ちょっと怖かったかも」
北斗、すぐ見る
北斗「さっきのやつ?」
〇〇「うん」
〇〇「最初は大丈夫だったけど」
〇〇「なんか繋がってきて」
北斗、少しだけ真剣な顔
北斗「……大丈夫」
〇〇「うん」
北斗「ここいる限りは問題ない」
〇〇、少しだけ安心した顔
〇〇「そっか」
北斗、少しだけ視線落とす
北斗「何かあったらすぐ言え」
〇〇「言う」
短い会話
でもちゃんと伝わる
〇〇、少し体勢崩して
〇〇「今日も寝れるかな」
北斗「寝ろ」
〇〇「雑」
北斗「寝ない方がきついだろ」
〇〇「まぁね」
少し笑う
〇〇「じゃあ今日もちゃんと寝るわ」
北斗「そうしろ」
〇〇、立ち上がる
〇〇「おやすみ」
北斗「……おやすみ」
〇〇、寝室へ
ドアが閉まる
北斗はそのままソファに残る
静かな部屋
さっきよりは落ち着いてるけど
まだ少しだけ、警戒は解けてない
北斗、ゆっくり息吐いて
そのまま天井見上げる
目閉じるまで少し時間がかかるまま
夜が進んでいく
ーーーーーーーーー
北斗side
リビング
一人
静かすぎるくらいの空気
北斗、ソファに座ったまま動かない
さっき閉まった寝室のドアの方
一瞬だけ見る
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
そのまま背もたれに体預ける
目、閉じる
今日一日が頭の中で流れる
朝
寝てる〇〇見て安心したこと
バタバタしながら作った朝飯
仕事
帰ってきて
普通に「ただいま」って入ってくる〇〇
北斗「……普通すぎだろ」
ぽつり
でも
それが逆に変な感じ
あの状況の中で
こんな風に過ごしてるのが
北斗「……感覚バグる」
小さく笑う
でもすぐ
今日の電話
“新しい動き”
フードの男
北斗の表情、少し固くなる
北斗「……同じやつだよな」
確信に近い
あの夜の違和感
間違ってなかった
北斗「……めんどくせぇ」
低く
でも
その後のことも思い出す
〇〇の顔
不安そうにしてた瞬間
北斗「……」
少しだけ視線落とす
北斗「ビビってんじゃねぇよ」
自分に言うみたいに
でも
完全に怖がってないわけじゃないのも分かる
北斗「……ちゃんと見とくって言ったしな」
ぽつり
それから
アイス
風呂
距離感
北斗、片手で顔覆う
北斗「……ほんと無防備すぎるだろ」
思い出すだけで
余計に意識する
北斗「……あいつは何も考えてねぇのに」
少しだけ苦い声
北斗「……俺だけかよ」
小さく
沈黙
でも
どこかで分かってる
この状況で
自分が崩れるわけにはいかないこと
北斗「……優先順位間違えんな」
低く
はっきり
守ることが先
それ以外は後
北斗、ゆっくり息吐く
目、閉じる
北斗「……明日も気抜くな」
小さく呟いて
そのまま静かに横になる
すぐには寝れないまま
でも
意識を落とすように
ゆっくり夜が過ぎていく