テラーノベル
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1,419
朝
カーテンの隙間から光
キッチン
北斗、すでに起きてる
フライパンの音
トースト
卵焼き
簡単な朝ごはん
リビングの方から足音
〇〇「……おはよ」
少し眠そう
北斗「おはよ」
〇〇「早いね」
北斗「目覚めただけ」
〇〇、椅子に座る
テーブル見る
〇〇「え、朝からちゃんとしてる」
北斗「軽くだけどな」
〇〇「十分すごいって」
〇〇「いただきます」
北斗「どうぞ」
二人で食べ始める
〇〇、一口
〇〇「……おいしい」
北斗「朝だから軽めにしてる」
〇〇「ちょうどいい」
少し間
〇〇「今日夕方からだよね」
北斗「あぁ」
〇〇「久しぶりにゆっくりだね」
北斗「まぁな」
〇〇、パンかじりながら
〇〇「この時間好きかも」
北斗「どの時間」
〇〇「こういう普通の朝」
北斗、少しだけ止まる
北斗「……そうか」
短く
食べ終わって
〇〇、スマホ触る
〇〇「あ」
北斗「?」
〇〇「これ」
画面見せる
配信情報
3/24の公演 松竹座お別れの会
〇〇「あ、これ配信されるんだ」
北斗、少し身乗り出す
北斗「……あー」
〇〇「期間限定って書いてある」
北斗「見るか」
〇〇「見る」即答
少し笑う
二人でソファへ
テレビつける
再生
――映像
大阪の会場
熱気
〇〇、自分なのに少し静かに見る
北斗も何も言わない
MCパート
康二「なあちょっと待って!?〇〇おるの普通にやばない!?」
〇〇「うわ、これやだ」
顔少し隠す
北斗「ちゃんと見ろよ」
〇〇「恥ずかしいって」
でも指の隙間から見る
廉「ここに〇〇おるの、ちょっとバグってる感じする」
〇〇「バグってるってなに」
小さく笑う
北斗、画面見たまま
北斗「まぁ言いたくなるだろ」
〇〇「やめて」
後輩たちの言葉
〇〇、少しずつ静かになる
道枝の言葉のあたりで
〇〇「……」
北斗、横目で少し見る
でも何も言わない
ラスト挨拶
〇〇の声
部屋の空気も少し変わる
〇〇、じっと見てる
自分の涙のシーン
〇〇「……やば」
小さく
北斗は何も言わず最後まで見る
映像終わる
少しの静けさ
〇〇「……恥ずかし」
北斗「いや」
少しだけ間
北斗「普通にすごいだろ」
〇〇「……」
〇〇、少しだけ笑う
〇〇「ありがと」
北斗「事実」
短く
〇〇、もう一回画面見る
〇〇「なんかさ」
北斗「ん?」
〇〇「ちゃんとやってきたんだなって思った」
北斗「やってるだろ」
〇〇「うん」
少しだけ頷く
〇〇「だから今あるんだなって」
北斗、何も言わず聞いてる
〇〇、リモコン置く
〇〇「よし」
北斗「切り替え早」
〇〇「仕事あるし」
テレビを消して
〇〇、立ち上がる
〇〇「準備しよ」
北斗「あぁ」
それぞれ動き出す
でも
〇〇の中
さっきの映像が少し残ってる
MCの空気
ステージの光
そして
廉の言葉
「ここに〇〇おるの、ちょっとバグってる感じする」
あの時の表情
少し照れた感じで
でもちゃんと見てた目
〇〇、手を止める
ほんの一瞬
〇〇「……」
すぐ動き出す
気のせいみたいに
でも
頭のどこかに残る
入所したての頃の距離感
“テレビの人”って言われた時
そこから少しずつ変わっていった関係
〇〇「……懐かし」
小さく
誰にも聞こえない声
北斗は気づいてない
〇〇はそのまま準備を続ける
でも
ほんの少しだけ
心の奥で
あの時の言葉と空気が
静かに残ったまま
今日に戻っていく
ーーーーーーーーー
北斗side
リビング
〇〇が準備で部屋を出ていく
ドアが閉まる音
北斗、一人
さっきまでの映像の余韻
まだ頭に残ってる
ソファに座ったまま
北斗「……」
無意識にさっきのシーン思い出す
MC
廉の言葉
“バグってる感じする”
北斗「……」
小さく息吐く
あの時の廉の顔
軽く笑ってるのに
ちゃんと見てる感じ
北斗「……分かりやす」
ぽつり
ただの昔話じゃない
あの距離感
あの空気
北斗「……」
視線落とす
〇〇の反応も思い出す
ちょっと照れて
でもちゃんと受け取ってた感じ
北斗「……はぁ」
少し強めに息吐く
なんで引っかかるのか
自分でも分かってる
北斗「……関係ねぇだろ」
低く
今はそんなこと考えてる場合じゃない
ストーカーのこと
守ること
そっちが優先
頭では分かってる
でも
北斗「……タイミング悪すぎだろ」
苦く笑う
あの映像
あの言葉
今じゃなくていいのに
よりによって今
北斗、立ち上がる
北斗「……くだらねぇ」
小さく
でも
完全には切り替えられない
胸の奥に残る違和感
もやっとしたまま
北斗、準備を始める
顔はいつも通り
でも
内側だけ少しだけ乱れたまま
ーーーーーー
玄関
〇〇、準備を終えて靴を履く
〇〇「そろそろ来る」
北斗「下?」
〇〇「うん、マネ」
タイミングよく
インターホンが鳴る
〇〇「きた」
北斗、先に動く
玄関のモニター確認
北斗「……大丈夫」
ロック外す
ドアを少し開ける
外にはマネと警備
〇〇「お願いします」
マネ「おはよう」
北斗、軽く会釈
マネも頷く
〇〇、振り返る
〇〇「行ってくるね」
北斗「……あぁ」
少しだけ間
北斗「終わったら連絡」
〇〇「する」
短く
でもちゃんと返す
〇〇、外へ出る
警備に囲まれる形で移動
ドア閉まる
静かになる
北斗、少しだけそのまま立ってる
さっきまでいた気配
まだ残ってる感じ
北斗「……」
小さく息吐く
すぐに気持ち切り替える
北斗も準備に戻る
一方
車の中
〇〇、シートに座る
マネ「体調大丈夫?」
〇〇「うん」
マネ「昨日は問題なかった?」
〇〇「大丈夫」
短く答える
でも
窓の外見ながら
頭の中
さっきの映像
あの言葉
廉
一瞬だけ浮かぶ
〇〇「……」
すぐに視線戻す
マネ「どうした?」
〇〇「なんでもない」
軽く笑う
車はそのまま動き出す
それぞれ別の場所へ向かいながら
少しだけ違うことを考えたまま
同じ一日が始まっていく
車はそのまま走る
信号で一度止まる
〇〇、窓の外を見たまま
マネ「今日ちょっと押すかも」
〇〇「了解」
マネ「終わりも遅くなる」
〇〇「大丈夫」
短く返す
でも
頭の中
さっきの映像
廉の声
〇〇「……」
ほんの一瞬だけ浮かぶ
すぐに視線戻す
〇〇「台本ある?」
マネ「あるよ」
そのまま受け取る
〇〇、ページめくる
もう仕事モード
車はそのまま現場へ
ーーーーーーーーー
一方
北斗の家
クローゼットの前
北斗、Tシャツとパーカー手に取る
一瞬止まる
北斗「……」
そのまま着替える
でも
頭の中
さっきの映像
廉の言葉
北斗「……はぁ」
小さく息吐く
パーカー被りながら
北斗「関係ねぇだろ」
低く
自分に言い聞かせる
でも
完全には消えない
北斗、スマホと鍵持つ
玄関へ
ドア開ける前
一瞬だけ止まる
北斗「……ちゃんとやれ」
小さく
自分に言って
そのまま外へ出る
ーーーーーーーーー
〇〇の現場
楽屋
〇〇、椅子に座って台本確認
スタッフ「おはようございます」
〇〇「おはようございます」
いつも通りのやり取り
メイク始まる
マネ「今日シーン多いからね」
〇〇「うん」
台本めくる手、止まらない
でも
ふとしたタイミングで
昨日のこと
さっきの映像
一瞬だけ浮かぶ
〇〇「……」
すぐに消す
〇〇「次ここからだよね?」
スタッフ「そうです」
完全に仕事モード
表情も切り替わる
一方
北斗の現場
スタジオ
メンバー数人
樹「おはよ」
北斗「おはよ」
慎太郎「今日遅くね?」
北斗「普通」
ジェシー「絶対遅いって」
軽く笑い
いつもの空気
でも
北斗だけ少しだけ静か
樹「……なんかあった?」
小さく聞く
北斗「別に」
短く
でも
少し間がある
樹、少しだけ察する
樹「昨日のやつか?」
北斗「まぁな」
それだけじゃない
頭の中
廉の言葉
〇〇の反応
北斗「……」
慎太郎「今日何すんの?」
ジェシー「収録だよー」
話は進む
北斗も混ざる
でも
どこか少しだけズレてる
一方
〇〇
撮影現場
カメラ前
監督「よーい」
〇〇、立つ
一瞬でスイッチ入る
さっきまでの思考
全部消える
監督「スタート」
セリフ
表情
完璧にこなす
カット
スタッフ「OKです!」
現場の空気が動く
〇〇、軽く息吐く
でも
ほんの一瞬だけ
頭の奥に残ってる感覚
それには触れないまま
また次のシーンへ進んでいく
北斗も同じ
現場で笑って
話して
ちゃんとこなしてる
でも
内側だけ少しだけ引っかかったまま
それぞれの場所で
それぞれの時間が進んでいく
ーーーーーーーーー
夕方すぎ
〇〇の現場
スタッフ「お疲れ様でした!」
〇〇「お疲れ様です」
軽く頭下げて現場を出る
外
マネの車に乗る
マネ「今日は早かったね」
〇〇「うん」
シートに体預ける
ふっと息抜く
〇〇「……疲れた」
マネ「明日もあるからね」
〇〇「分かってる」
少し笑う
車が走り出す
数分後
〇〇、ふと気づく
〇〇「……あ」
マネ「どうした?」
〇〇「鍵」
マネ「鍵?」
〇〇「合鍵ない」
マネ「あー…」
〇〇「北斗まだだよね」
マネ「連絡は?」
〇〇、スマホ見る
まだ来てない
〇〇「まだ終わってないと思う」
マネ「どうする?」
〇〇、少し考える
〇〇「……待つしかない?」
マネ「車で待機でもいいし」
〇〇「それもありだけど…」
〇〇、少し外を見る
〇〇「目立つよね」
マネ「まぁな」
少し沈黙
〇〇「……コンビニとかも無理だよね」
マネ「基本は」
〇〇「だよね」
小さく息吐く
〇〇「電話するか」
マネ「それが早い」
〇〇、スマホ持つ
少しだけ迷う
〇〇「……忙しかったらどうしよ」
マネ「出れる時出るでしょ」
〇〇「だよね」
そのまま発信
コール音
1回
2回
〇〇「……」
3回目
繋がるかどうかの間
〇〇、少しだけ緊張しながら待つ
ーーーー
北斗side
スタジオ
収録終わり
スタッフ「お疲れ様でした!」
北斗「お疲れ様です」
軽く頭下げて、セットから外れる
樹「今日長かったな」
北斗「まぁな」
慎太郎「腹減った〜」
ジェシー「帰りなんか食べる?」
軽い会話
北斗も混ざる
でも
ポケットの中でスマホが震える
――ブブッ
北斗「……」
取り出す
画面
〇〇
一瞬、目止まる
北斗「……」
すぐ出る
北斗「もしもし」
少し周りの音がある中
〇〇『もしもし?』
北斗「どうした」
〇〇『今終わった?』
北斗「今終わったとこ」
〇〇『あ、よかった』
少しだけ安心した声
北斗「なんかあった?」
〇〇『いや…』
少し間
〇〇『鍵ない』
北斗「……あー」
一瞬で理解
北斗「今どこ」
〇〇『もう移動中』
〇〇『そっち戻ってる』
北斗、時計見る
北斗「どれくらいで着く」
〇〇『あと20分くらい』
北斗「……」
少し考える
北斗「俺も今出る」
〇〇『大丈夫?』
北斗「間に合う」
〇〇『無理しなくていいよ』
北斗「してねぇよ」
短く
〇〇『じゃあ…待ってる』
北斗「あぁ」
通話切る
北斗、すぐ動く
樹「帰る?」
北斗「あぁ」
慎太郎「早くね?」
北斗「用事」
短く
ジェシー「なんかあった?」
北斗「大丈夫」
それだけ
荷物持ってそのままスタジオ出る
足早い
頭の中
〇〇が外で待つ状況
北斗「……」
少しだけ表情締まる
北斗「待たせんなよ…」
小さく呟いて
そのまま外へ出る
いつもより少しだけ急いだ足取りで
車へ向かう
ーーー
スタジオの外
夜の空気
北斗、足早に外へ出る
スタッフに軽く会釈だけして、そのまま進む
少し離れたところ
自分のマネの車が止まってる
マネ「お疲れ」
北斗「お疲れ様です」
ドア開けて後部座席に乗り込む
マネ「どこ行く?」
北斗「〇〇のとこ」
マネ「もう向かってるって連絡きてたよ」
北斗「……どれくらいで着くって?」
マネ「20分くらいって」
北斗「……」
少しだけ間
北斗「間に合います?」
マネ「急げば」
北斗「お願いします」
マネ「了解」
車、発進
車内
北斗「……」
スマホ握ったまま
画面は暗い
頭の中
“外で待つ〇〇”
北斗「……」
小さく息吐く
時計確認
無意識に足先揺れてる
マネ「そんな急ぐ?」
北斗「……いや」
否定するけど
間がある
マネ「待たせたくないんだろ」
北斗「……」
少しだけ視線逸らす
北斗「まぁ」
それ以上言わない
マネ、少しだけ笑う
車のスピード、ほんの少し上がる
――一方
〇〇side
マンション前
マネの車がゆっくり停まる
マネ「着いた」
〇〇「ありがと」
シートから体起こす
少しだけ伸びる
〇〇「……疲れた」
マネ「鍵ないのほんとやばいな」
〇〇「ほんとそれ」
小さく笑う
でも少し困った顔
マネ「車で待つ?」
〇〇「……」
外見る
人は少ない
でも目立つ可能性はある
〇〇「外で待つ」
マネ「大丈夫か?」
〇〇「うん、すぐ来るし」
マネ「何かあったらすぐ戻れよ」
〇〇「はーい」
ドア開ける
外の空気
ひんやり
〇〇「さむ…」
腕さする
フード深くかぶる
壁際に寄る
〇〇「……」
スマホ見る
まだ少し時間ある
でも
落ち着かない
〇〇「コンビニとか無理だよね…」
小さく呟く
〇〇「……」
でも動かない
理由は一つ
〇〇「来るって言ったし」
ぽつり
――数分後
北斗side
車内
マネ「もうすぐ着く」
北斗「……」
外見る
見慣れた景色
マンション近く
北斗「……あ」
少し身乗り出す
視線の先
壁際にいる人影
フードかぶってる
でも分かる
北斗「そこ、止めてください」
マネ「はいはい」
車、ゆっくり寄せて停まる
ドア開ける
北斗、すぐ降りる
〇〇「……」
顔上げる
目、合う
北斗「……」
〇〇「おかえり!」
北斗「……ただいま」
短い
いつも通り
でも
少しだけ息上がってる
〇〇「早くない?」
北斗「普通」
〇〇「いや絶対急いだでしょ」
北斗「急いでねぇよ」
視線逸らす
〇〇「……ありがと」
小さく言う
北斗「別に」
すぐポケットから鍵出す
北斗「ほら」
〇〇「助かった」
受け取る
指、少し触れる
一瞬だけ
北斗「……」
〇〇「……」
〇〇の手が冷たい。きっと冷えてる。
北斗は無言で〇〇に自分の上着をかける
〇〇「え?」
北斗「…」
〇〇「ありがと」
北斗「ん」
そのままエントランスへ向かう
背中並ぶけど
少しだけ距離あるまま
夜の静けさの中で
二人の足音だけが揃っていく――
エレベーター
静かに上がる
〇〇、北斗の上着の袖ちょっといじる
〇〇「これあったかい」
北斗「だろ」
〇〇「返すのめんどくさくなるやつ」
北斗「ちゃんと返せ」
〇〇「はーい」
軽い空気
でもどこか疲れてる
チンッ
止まる
部屋の前
〇〇、鍵開ける
カチッ
ドア開く
〇〇「ただいまー」
北斗「……ただいま」
中入る
電気つける
一気に生活感
〇〇、靴脱いでそのままリビングへ
〇〇「はぁ…」
ソファに倒れる
北斗、少し遅れて入る
ドア閉める
鍵かける
北斗「ちゃんと確認しろよ、鍵」
〇〇「してたんだけどなー」
顔埋めたまま
〇〇「普通にミス」
北斗「だろうな」
〇〇「助けてもらった人に言われたくない」
北斗「俺いなかったら詰んでたろ」
〇〇「それはそう」
少し笑う
少し沈黙
〇〇、天井見ながら
〇〇「……ご飯どうする」
北斗「……」
一瞬考える
北斗「食ってないのか」
〇〇「まだ」
〇〇「現場で軽くしか食べてない」
北斗「俺もだな」
〇〇「だよね」
〇〇、起き上がる
キッチンの方ちらっと見る
〇〇「作る気力は…ない」
北斗「だろうな」
〇〇「コンビニも無理だし」
北斗「……」
少し考える
北斗「デリバリーでいいだろ」
〇〇「何頼む?」
北斗「なんでもいい」
〇〇「それ一番困るやつ」
北斗「じゃあお前決めろ」
〇〇「責任重大じゃん」
北斗「別にハズレでも文句言わねぇよ」
〇〇「ほんと?」
北斗「多分」
〇〇「多分って何」
少し笑う
スマホ取り出す
〇〇「重いの食べれる?」
北斗「いける」
〇〇「じゃあ肉系かな」
北斗「任せる」
〇〇「ラーメンもあり」
北斗「伸びるだろ」
〇〇「確かに」
〇〇「じゃあ丼系?」
北斗「いいんじゃね」
〇〇「優柔不断すぎる」
北斗「お前がな」
〇〇「今決めてる側なんだけど」
北斗「だから任せてる」
〇〇「……ずる」
小さく笑う
そのままソファ座り直して
二人でスマホ覗く距離になる
近い
でも
意識してないふりの距離
〇〇「これどう?」
北斗「いいじゃん」
〇〇「ほんとに見てる?」
北斗「見てる」
〇〇「絶対適当」
北斗「適当じゃねぇよ」
〇〇「怪しい」
でもそのまま注文押す
〇〇「はい、決定」
北斗「サンキュ」
〇〇「あと30分くらい」
北斗「ちょうどいいな」
〇〇「何が?」
北斗「風呂とか」
〇〇「あーね」
少しだけ間
〇〇、ふと気づく
肩にかかってる上着
〇〇「……これ」
袖つまむ
〇〇「そのまま着といていい?」
北斗「別にいいけど」
〇〇「返すのめんどくさくなってきた」
北斗「返せ」
即答
〇〇「やだ」
北斗「は?」
〇〇「これ普通に部屋着でよくない?」
北斗「よくねぇよ」
〇〇「なんで」
北斗「俺のだから」
〇〇「ケチ」
北斗「ケチじゃねぇ」
〇〇、立ち上がる
そのままクローゼットの方ちらっと見る
〇〇「他にもなんかないの?」
北斗「何が」
〇〇「着れるやつ」
北斗「なんでだよ」
〇〇「風呂上がり用」
北斗「自分のあるだろ」
〇〇「今日なんかゆるいの着たい」
北斗「知らねぇよ」
〇〇「貸して」
北斗「やだ」
即答
〇〇「えー」
振り返る
〇〇「いいじゃん一着くらい」
北斗「増えるからやだ」
〇〇「増えないって」
北斗「絶対増える」
〇〇「偏見」
北斗「事実」
〇〇、じりっと近づく
〇〇「パーカーとかあるでしょ」
北斗「あるけど」
〇〇「それ」
北斗「やだ」
〇〇「なんでそんな嫌なの」
北斗「……」
一瞬詰まる
北斗「普通に困る」
〇〇「何が」
北斗「……色々」
曖昧
〇〇、少しじっと見る
でもすぐ崩す
〇〇「じゃあ一回だけ」
北斗「一回が信用できない」
〇〇「ひど」
笑う
〇〇「じゃあこれ返さない」
肩の上着ぎゅっと押さえる
北斗「それは返せ」
〇〇「やだ」
北斗「それ外」
〇〇「もう中入ったからセーフ」
北斗「ルールおかしいだろ」
〇〇、ソファに戻って座る
そのまま上着に顔半分埋める
〇〇「これ落ち着く」
北斗「……」
一瞬だけ黙る
視線逸らす
〇〇「で、パーカー」
北斗「まだ言う?」
〇〇「言う」
北斗「……」
小さくため息
北斗「一枚だけな」
〇〇「やった」
即笑顔
北斗「次はねぇから」
〇〇「はーい」
全然聞いてない返事
北斗、クローゼット向かう
一着取る
振り返る
〇〇、普通に待ってる
北斗「……」
少しだけ間
そのまま投げる
〇〇「ありがと」
キャッチ
そのまま嬉しそうに見る
北斗「……返せよ」
〇〇「気分次第」
北斗「おい」
〇〇「うそ、返すって」
笑う
でもその顔
少しだけ柔らかくて
北斗、目逸らす
北斗「……早く風呂入れ」
〇〇「はーい」
〇〇、パーカー持ってそのまま浴室へ
ドア閉まる音
北斗「……」
ソファに座る
さっきまで〇〇がいた場所
まだ少し温かい気がして
北斗「……はぁ」
小さく息吐いて
天井見上げる
浴室から水の音がする
シャワー
一定のリズム
北斗「……」
天井見たまま
動かない
さっきまでの空気
頭の中でそのまま残ってる
北斗「……」
腕で目元軽く押さえる
〇〇が着てた上着
ソファの端に置いてある
北斗、ちらっと見る
北斗「……」
手伸ばしかけて
止める
やめる
視線逸らす
――コンコン
浴室のドア
〇〇「北斗ー」
北斗「……なに」
〇〇「タオルどこ?」
北斗「洗面所」
〇〇「ない」
北斗「あるだろ」
〇〇「ほんとにない」
北斗「……」
ため息ついて立ち上がる
洗面所行く
タオル取り出す
ドアの前まで行く
北斗「ほら」
ドア少し開く
手だけ出てくる
〇〇「ありがと」
北斗「……」
その手
少しだけ濡れてる
北斗「ちゃんと閉めろよ」
〇〇「閉めてるって」
パタン
また水の音
北斗、少しだけその場に立ったまま
北斗「……」
何も言わず戻る
スマホ鳴る
――ブブッ
北斗「……」
画面見る
廉
北斗「……」
一瞬止まる
でも切らない
出る
北斗「もしもし」
低い声
廉『今大丈夫?』
北斗「まぁ」
短い返事
浴室から水の音
変わらず聞こえる
廉『〇〇、そっち?』
北斗「……いる」
少しだけ間
廉『そっか』
それだけ
北斗「……なんか用?」
廉『いや、ちょっと気になって』
北斗「……」
視線、浴室の方に向く
北斗「大丈夫だよ」
短く
廉『ならいいけど』
少し沈黙
廉『また連絡する』
北斗「あぁ」
通話切れる
北斗「……」
スマホ下ろす
何も変わってないはずなのに
空気だけ
少しだけ重くなる
その時
浴室のドア開く音
〇〇「はー、さっぱりした」
パーカーぶかぶかのまま出てくる
北斗「……」
視線止まる
〇〇「なに」
北斗「いや別に」
逸らす
〇〇、タオルで髪拭きながら
〇〇「電話してた?」
北斗「……あぁ」
〇〇「誰?」
北斗「……廉」
〇〇「……」
一瞬だけ止まる
でもすぐ
〇〇「そっか」
それだけ言って
そのままソファに座る
自然なはずの会話
でも
少しだけ
何かが引っかかるまま――
ーーーーーーーーー
北斗side
〇〇がソファに沈んで
テレビもつけずにぼーっとしてる中
北斗「……風呂入る」
〇〇「ん」
顔も上げずに返事
北斗、着替え持って浴室へ
ドア閉まる
――水の音
シャワー出す
一気に湯気が広がる
北斗「……」
そのまま壁に手ついて
少し俯く
今日のこと
一気に流れ込んでくる
マンション前で待ってた〇〇
“寒い”って言ってた声
当たり前みたいに「待ってる」って言ったこと
北斗「……はぁ」
シャワー頭からかぶる
でも消えない
“なんであいつ、あんな普通なんだよ”
自分の服着て
ソファで笑って
隣にいる距離で
北斗「……」
目閉じる
そのまま思い出す
さっきの会話
『電話してた?』
『誰?』
『……廉』
〇〇の一瞬の間
北斗「……」
あれが何だったのか
考えようとして
やめる
北斗「関係ねぇだろ…」
小さく呟く
シャワーの音に紛れる
でも
“関係ない”って言い切るには
距離が近すぎる
北斗、髪かき上げる
水滴が落ちる
北斗「……」
〇〇が外で待ってた時間
もし何かあったら
そう考えた瞬間
表情、少しだけ変わる
北斗「……ふざけんな」
誰に向けたか分からない一言
拳、少しだけ強く握る
“守らなきゃいけない”
それはもう迷いじゃない
でも同時に
“誰にも触れさせたくない”
そこまで考えて
北斗「……っ」
自分で止める
シャワー強くする
音で全部流すみたいに
北斗「……めんどくせぇ」
低く吐き捨てる
でも
止められてない感情が
ちゃんと残ってるまま
ーーーー
〇〇side
〇〇、ソファに座ったまま
北斗のパーカー、袖余らせながら
ぼーっとしてる
浴室からシャワーの音
一定のリズム
〇〇「……」
スマホ手に取る
画面つける
少しスクロール
指、止まる
廉の名前
〇〇「……」
開かない
でも閉じもしない
そのまま画面見てる
さっきのやりとり
思い出す
『電話してた?』
『誰?』
『……廉』
あの一瞬の間
〇〇「……」
小さく息吐く
背中、ソファに預ける
天井見る
〇〇「一年、か…」
ぽつり
ちゃんと別れた
ちゃんと終わった
はずなのに
〇〇「終わってないとか…ないでしょ」
自分に言い聞かせるみたいに
でも
この前の会話
思い出す
『ちゃんと話そ』
あの時の空気
あの時の目
〇〇「……」
目閉じる
言葉にしてないだけで
お互い分かってた
“終わってない”ってこと
〇〇「……めんどくさ」
小さく笑う
でも弱い
スマホ、少しだけ強く握る
北斗の家
北斗の服
北斗がいる空間
全部“安心するもの”なのに
その中で
廉のこと考えてる自分
〇〇「……はぁ」
顔、少しだけパーカーに埋める
柔らかい匂い
〇〇「……ほんと、なにしてんだろ」
呟く
でも
答えは出さない
出したら
何か変わる気がするから
浴室の水音
まだ続いてる
その音を聞きながら
〇〇はただ
何も決めないまま
そこにいる
ーーーーー
浴室のドアが開く
湯気がふわっと流れる
北斗、タオルで髪拭きながら出てくる
Tシャツにラフなパンツ
少しだけ濡れた髪
北斗「……」
リビング見る
〇〇、ソファ
さっきと同じ場所
パーカー着たまま
スマホ持ってるけど
画面は見てない
北斗「……」
一瞬だけ止まる
さっきと同じ空間なのに
少しだけ空気が違う気がする
北斗「風呂、あったまるぞ」
何でもないトーンで言う
〇〇「ん」
短い返事
顔上げる
目、少しだけ合う
でもすぐ逸らす
北斗、冷蔵庫の方行く
飲み物取り出す
一口飲む
北斗「もうすぐ来るだろ、飯」
〇〇「うん」
また短い
北斗「……」
そのままキッチンに寄りかかる
さっきまでの軽い空気と違う
北斗「なんかあった?」
自然に聞いたつもり
でも
少しだけ探る声
〇〇「別に」
即答
北斗「……そ」
それ以上は聞かない
聞けない
北斗、視線少し外す
その時
インターホン
――ピンポーン
〇〇「来た」
立ち上がる
いつも通りの動き
でも
さっきの“間”だけが
残ったまま
北斗「……俺出る」
〇〇「いいよ」
〇〇がそのまま玄関へ向かう
北斗は動かない
ただ見てる
パーカー着た背中
自分の服なのに
なんか距離を感じる
北斗「……」
小さく息吐く
何も言わないまま
玄関
〇〇「はーい」
ドア開ける
軽く受け取って
「ありがとうございます」
そのまま戻る
リビング
〇〇「パスタ来た」
袋テーブルに置く
北斗「早かったな」
〇〇「ね」
少しだけいつも通りのトーン
袋開ける
湯気、ふわっと上がる
トマトの匂い
〇〇「これにした」
北斗「……トマト系か」
〇〇「うん。北斗これ好きじゃん」
北斗「まぁな」
〇〇「自分も好きだし」
〇〇、容器取り出して並べる
二人分
自然に
北斗「……サンキュ」
〇〇「どういたしまして」
テーブル向かい合って座る
フォーク持つ
少しだけ間
〇〇「いただきます」
北斗「いただきます」
同時
一口食べる
〇〇「……あ、美味しい」
北斗「ん、うまい」
少しだけ空気が戻る
〇〇「当たりだったね」
北斗「だな」
また一口
静かだけど
嫌な沈黙じゃない
〇〇「パスタ久しぶりかも」
北斗「最近食ってなかったな」
〇〇「前さ」
〇〇、少し考える
〇〇「家で作ってくれたやつあったじゃん」
北斗「……あー」
〇〇「めっちゃニンニク入ってたやつ」
北斗「入れすぎたやつな」
〇〇「次の日最悪だった」
少し笑う
北斗「お前普通に全部食ってたろ」
〇〇「美味しかったからね」
北斗「ならいいだろ」
〇〇「よくない」
ちょっとした笑い
ほんの少し
空気が柔らぐ
でも
〇〇、ふと手止まる
北斗「……?」
〇〇「……いや」
また食べ始める
北斗も何も言わない
トマトソース
湯気
フォークの音
同じもの食べて
同じ空間にいる
それだけなのに
なんとなく
“前と同じじゃない感じ”が
少しだけ残るまま
〇〇、くるくるフォーク回しながら
ふと思い出したみたいに
〇〇「……あ、そうだ」
北斗「ん?」
〇〇「洗濯どうする?」
北斗「……洗濯?」
〇〇「うん」
〇〇「一人暮らしのときってさ、毎日回さなくてもよかったじゃん」
北斗「まぁな」
〇〇「でも今、二人分じゃん」
北斗「……」
〇〇「普通に増えるよね」
北斗「増えるな」
〇〇、少しだけ考える顔
〇〇「毎日回す?それともまとめる?」
北斗「どっちでもいいけど」
〇〇「どっちでもいいが一番困る」
北斗「任せる」
〇〇「またそれ」
小さく笑う
でも
少しだけ言いづらそうに
〇〇「……あとさ」
北斗「ん?」
〇〇「下着とか」
北斗「……」
一瞬だけ止まる
〇〇「別で洗う?一緒でいい?」
北斗「……」
フォーク止まる
北斗「お前がいいならどっちでも」
〇〇「自分は別にどっちでもいいんだけど」
〇〇「北斗が嫌かなって」
北斗「……いや」
少しだけ視線逸らす
北斗「気にしねぇよ」
〇〇「ほんと?」
北斗「うん」
〇〇「じゃあ一緒でいいか」
あっさり決める
北斗「……」
ほんの少しだけ間
北斗「……ネット入れろよ」
〇〇「え?」
北斗「そのままはやめろ」
〇〇「あー、はいはい」
〇〇、少し笑う
〇〇「ちゃんとしてるね」
北斗「普通だろ」
〇〇「えら」
北斗「やめろ」
軽く返す
でも
耳少しだけ赤い
〇〇は気づかない
そのまま話続ける
〇〇「干すときどうする?」
北斗「どうって」
〇〇「一緒に干すのか、分けるのか」
北斗「……」
また一瞬止まる
〇〇「自分は別に気にしないけど」
〇〇「なんかさ、気まずいとかある?」
北斗「……」
少しだけ息吐く
北斗「外はやめろ」
〇〇「え?」
北斗「中で干せ」
〇〇「あー、防犯的に?」
北斗「それもある」
短く
〇〇「じゃあ部屋干しね」
北斗「……あぁ」
〇〇「じゃあまとめて回す感じでいいか」
北斗「いいんじゃね」
〇〇「決まり」
またフォーク持つ
何も気にしてない顔で食べる
でも
北斗は少しだけ違う
さっきの“下着”って言葉とか
“干す”って話とか
妙にリアルに残ってる
北斗「……」
水飲む
目線逸らす
こんな話
普通のはずなのに
距離の近さを
変に実感させられる話でしかない
〇〇「てか洗剤なに使ってる?」
北斗「普通のやつ」
〇〇「普通ってなに」
北斗「適当に買ってる」
〇〇「雑」
北斗「困ってねぇし」
〇〇「匂いとか気にしないタイプ?」
北斗「強すぎなきゃなんでもいい」
〇〇「へー」
少し考える
〇〇「自分、ちょっと匂いあるやつ好きかも」
北斗「知ってる」
〇〇「なんで」
北斗「前使ってただろ」
〇〇「あー」
思い出す
〇〇「気づいてたんだ」
北斗「気づくだろ」
〇〇、少し笑う
〇〇「じゃあ混ざるね」
北斗「混ざるな」
〇〇「え、いいじゃん」
北斗「強くなるだろ」
〇〇「それはある」
〇〇「じゃあ半々?」
北斗「なんだそれ」
ちょっとした笑い
〇〇「てか干す場所足りる?」
北斗「一応ある」
〇〇「足りなかったらどうする?」
北斗「もう一本出す」
〇〇「準備いいね」
北斗「普通」
〇〇「家事ちゃんとしてる人だ」
北斗「一人だからな」
〇〇「……そっか」
少しだけ間
でもすぐ戻る
〇〇「じゃあ明日回す?」
北斗「夜でいいだろ」
〇〇「帰り遅くない?」
北斗「回すだけならいける」
〇〇「干すのは?」
北斗「帰ってから」
〇〇「えら」
北斗「やめろって」
〇〇「じゃあ手伝う」
北斗「いい」
〇〇「なんで」
北斗「いいから」
〇〇「いややる」
北斗「……」
少しだけ視線合わせる
北斗「じゃあ勝手にやれ」
〇〇「やる」
即答
〇〇、また食べる
満足そう
北斗「……ちゃんと寝ろよ明日」
〇〇「わかってるって」
〇〇「北斗もね」
北斗「……あぁ」
ーーー
テーブル
食べ終わった容器
〇〇「ごちそうさま」
北斗「ごちそうさま」
〇〇、軽く背伸び
〇〇「はー、食べた」
その時
――ブブッ
スマホ震える
〇〇「……」
画面見る
〇〇「海人だ」
北斗「海人?」
〇〇「うん」
そのまま出る
〇〇「もしもし」
少しだけトーン変わる
海人『もしもし、今大丈夫?』
〇〇「うん、大丈夫だよ」
北斗、何も言わずに片付け始める
でも
少しだけ耳に入ってくる
海人『今さ、ちょっといい?真面目な話』
〇〇「……なに?」
少しだけ空気変わる
海人『社長から話きてる?』
〇〇「……来てる」
短く
海人『そっか』
少し間
海人『ごめん、変な聞き方して』
〇〇「いいよ」
海人『なんかさ、うちの中でもちょっと広まってて』
〇〇「……うん」
海人『直接名前出して言われてるわけじゃないけど』
海人『“最近ちょっと気をつけろ”って』
〇〇「……」
〇〇、少しだけ視線落とす
海人『社長が自分から言ってるっぽい』
海人『タレントには一応共有してるって』
〇〇「そっか」
落ち着いた声
海人『一般のスタッフには言ってないらしいけど』
〇〇「うん、それは聞いてる」
海人『だからさ』
少しトーン柔らかくなる
海人『大丈夫?』
〇〇「……大丈夫だよ」
少しだけ間
〇〇「ちゃんと対策もしてるし」
海人『ならいいけど』
でも
少し食い下がる
海人『無理すんなよ』
〇〇「してないって」
小さく笑う
海人『いや、お前そういうとこあるから』
〇〇「ないない」
海人『あるって』
軽いやりとり
でも完全に軽くはならない
海人『なんかあったらすぐ言えよ』
〇〇「うん」
海人『ほんとに』
〇〇「分かってる」
短く
海人『……じゃあまた連絡する』
〇〇「うん、ありがと」
通話切る
〇〇「……」
スマホ下ろす
少しだけ静かになる
北斗、手止めずに
北斗「なんて」
自然に聞く
〇〇「……」
少し考えてから
〇〇「広まってるっぽい」
北斗「……どこまで」
〇〇「タレント内だけ」
北斗「……」
〇〇「社長が直接言ってるって」
北斗「そうか」
短く
〇〇「注意喚起みたいな感じ」
北斗「……だろうな」
また少し沈黙
〇〇「海人、心配してた」
北斗「まぁするだろ」
〇〇「うん」
〇〇、ソファに座る
さっきまでと同じ場所
でも
空気は少し変わってる
〇〇「……なんか大ごとになってきたね」
ぽつり
北斗、振り返る
北斗「最初から大ごとだろ」
少し低い声
〇〇「……」
少しだけ黙る
北斗「だから言ってんだろ」
北斗「一人で動くなって」
〇〇「分かってるって」
北斗「分かってねぇからこうなってんだろ」
少し強め
〇〇「……」
少しだけ空気張る
でも
〇〇「……ごめん」
小さく言う
北斗「……」
それで一瞬止まる
北斗「責めてねぇよ」
少しトーン落とす
〇〇「……うん」
そのまま目逸らす
さっきまでの“普通”が
少しだけ遠くなる感じのまま
夜が続いていく
少し重くなった空気
静かなリビング
〇〇「……」
ソファに座ったまま
少しだけ天井見て
急に
〇〇「ね、今度さ」
北斗「……?」
〇〇「ここでパーティー開こ!」
北斗「……は?」
一瞬で空気変わる
〇〇「みんな呼んでさ、普通にご飯会みたいな」
〇〇「絶対楽しいじゃん」
北斗「……いや待て」
〇〇「ん?」
北斗「ここ俺ん家な?」
〇〇「あ、知ってる」
北斗「知ってて言ってんのかよ」
〇〇「うん」
即答
北斗「勝手に決めんな」
〇〇「え、だめ?」
北斗「だめだろ」
〇〇「なんで」
北斗「なんでって…」
少し詰まる
北斗「人来るのめんどい」
〇〇「えー」
〇〇、ソファの上で少し前のめり
〇〇「たまにはいいじゃん」
北斗「たまにでも嫌だ」
〇〇「じゃあ少人数!」
北斗「人数の問題じゃねぇ」
〇〇「じゃあ誰呼ぶか選んでいいよ」
北斗「そういう問題でもねぇ」
〇〇「えー、絶対楽しいって」
北斗「……」
〇〇、勝手に想像し始める
〇〇「料理持ち寄りとかにしてさ」
〇〇「リビングでだらだらして」
〇〇「音楽流して」
北斗「……」
〇〇「で、誰か絶対酔っ払って騒ぐ」
〇〇「それで怒るの北斗」
北斗「怒るに決まってんだろ」
〇〇「でも最終的に許す」
北斗「許さねぇよ」
〇〇「いや許すって」
少し笑う
北斗「……お前楽しそうだな」
〇〇「楽しいよ」
即答
北斗「……」
〇〇「やろ?」
少しだけ首傾ける
北斗「……やらねぇ」
〇〇「えー」
〇〇、ソファに倒れる
〇〇「つまんな」
北斗「静かでいいだろ」
〇〇「静かすぎ」
北斗「それがいいんだよ」
〇〇「自分はやだ」
北斗「知るか」
〇〇「じゃあ外でやる?」
北斗「それなら勝手にしろ」
〇〇「でもここがいい」
北斗「なんでだよ」
〇〇「広いし」
北斗「理由浅いな」
〇〇「あと落ち着く」
北斗「……」
一瞬止まる
〇〇「だからここがいい」
さらっと言う
北斗「……」
何も返さない
〇〇「ね、お願い」
北斗「……」
小さくため息
北斗「絶対騒ぐだろ」
〇〇「騒がないって」
北斗「嘘つけ」
〇〇「ちょっとだけ」
北斗「ほらな」
〇〇「でも楽しいよ」
北斗「……」
少しだけ考える顔
〇〇、じっと見る
北斗「……少人数な」
〇〇「やった!」
即笑顔
北斗「時間も早めに終わらせる」
〇〇「はいはい」
全然聞いてない返事
北斗「ちゃんと守れよ」
〇〇「がんばる」
北斗「信用ねぇな」
〇〇「ひど」
笑う
さっきまでの重さが
一気に軽くなる
北斗「……めんどくせぇ」
小さく呟くけど
完全に止める気はもうない――
〇〇「でさ、誰呼ぶ?」
ソファの上で足組みながら
一気にテンション戻ってる
北斗「……もうやる前提なんだな」
〇〇「やるでしょ」
北斗「……はぁ」
諦めたみたいにソファ座る
〇〇「とりあえず樹は呼びたい」
北斗「まぁ来るだろうな」
〇〇「あときょも!」
北斗「……あいつも来るな」
〇〇「絶対楽しいじゃん」
北斗「うるさくなる未来しか見えねぇけどな」
〇〇「いいのいいの」
〇〇、楽しそうに指折る
〇〇「樹、きょも…」
〇〇「あと風磨とかも来そうじゃない?」
北斗「呼んでねぇのに来そうだな」
〇〇「でしょ」
〇〇「じゃあもう呼ぶ前提でいいか」
北斗「勝手に決めんな」
〇〇「えー」
〇〇、ちらっと北斗見る
〇〇「北斗は誰がいい?」
北斗「……」
少しだけ考える
北斗「別に誰でも」
〇〇「それ禁止」
北斗「なんでだよ」
〇〇「ちゃんと選んで」
北斗「……」
少し間
北斗「慎太郎くらいならいい」
〇〇「あー、いいね」
〇〇「場回してくれるし」
北斗「勝手に回るだけだろ」
〇〇「それが助かるんだよ」
少し笑う
〇〇「じゃあ樹、きょも、慎太郎」
北斗「……多いな」
〇〇「え、少なくない?」
北斗「十分だろ」
〇〇「えー」
〇〇、また考える
〇〇「海人も呼ぶ?」
北斗「……」
一瞬だけ止まる
〇〇「さっき電話だったし」
北斗「……まぁ、来るなら来るだろ」
〇〇「よし」
軽く決める
北斗「……ほんとにやんのかよ」
〇〇「やるよ」
即答
〇〇「絶対楽しいもん」
北斗「……」
そのテンション見て
北斗「……酒は制限な」
〇〇「えー」
北斗「絶対な」
〇〇「はいはい」
また適当な返事
北斗「絶対守れよ」
〇〇「たぶん」
北斗「もうダメだろそれ」
〇〇「大丈夫だって」
笑う
〇〇「楽しみだね」
北斗「……」
小さく息吐く
でも
止める気はもうないまま
話はどんどん進んでいく
そのとき
――ブブッ
〇〇「ん?」
スマホ見る
〇〇「樹だ」
北斗「タイミング」
〇〇、すぐ出る
〇〇「もしもしー」
樹『おー元気?』
〇〇「元気元気」
樹『なにしてんの今』
〇〇「今ね、北斗ん家」
樹『あー、例のやつな』
北斗「……例のってなんだよ」
〇〇、くすっと笑う
〇〇「でさ、ちょうどいいわ」
そのままスピーカーにする
〇〇「スピーカーにした」
樹『え、北斗いんの?』
北斗「いるけど」
樹『なにしてんの二人で』
北斗「飯食ってた」
樹『へー、平和じゃん』
〇〇「でね、今ちょうどパーティーの話してたの」
北斗「ちょうどじゃねぇよ」
樹『は?なにそれ、行くわ』
即答
〇〇「でしょ!」
北斗「まだ決まってねぇ」
樹『いつ?いつ?』
〇〇「まだ決めてないけど」
樹『じゃあ今決めよ』
北斗「決めねぇよ」
〇〇「えーじゃあ今度のオフの日とか?」
樹『いいね、それ』
北斗「勝手に進めんな」
樹『誰呼ぶ?』
〇〇「樹、きょも、慎太郎は確定」
樹『おー、いいじゃん』
樹『ジェシーも来るだろそれ』
北斗「増やすな」
〇〇「確かに来そう」
樹『あとさ、風磨も呼ぼうぜ』
北斗「呼ばねぇ」
〇〇「え、楽しそうじゃん」
樹『絶対来るってあいつ』
北斗「絶対うるせぇ」
樹『それがいいんだろ』
〇〇「それそれ」
北斗「いやよくねぇよ」
〇〇「あと海人も呼ぼうかなって」
樹『あーいいじゃん』
北斗「……」
樹『じゃあもうさ、結構な人数じゃね?』
〇〇「ね!」
北斗「ね、じゃねぇよ」
樹『北斗ん家広いし余裕だろ』
北斗「余裕じゃねぇ」
〇〇「いけるって」
樹『いけるいける』
北斗「お前ら適当すぎるだろ」
樹『てか俺酒持ってくわ』
北斗「制限するって言ってんだろ」
樹『え、無理』
〇〇「ちょっとだけにしよ」
北斗「ちょっとで済まねぇだろ絶対」
樹『北斗が管理すればいいじゃん』
北斗「なんで俺なんだよ」
〇〇「家主だから」
北斗「最悪だろそれ」
樹『楽しみだなー』
〇〇「楽しみ!」
北斗「……」
完全に置いていかれてる
樹『じゃあまたグループ作るわ』
〇〇「お願い!」
北斗「作んな」
樹『じゃあなー』
通話切れる
〇〇「決まったね」
北斗「決まってねぇよ」
〇〇「もう決まったって」
北斗「人数増えすぎだろ」
〇〇「大丈夫だって」
北斗「大丈夫じゃねぇ」
〇〇「楽しそうじゃん」
北斗「……」
〇〇のその顔見て
北斗「……片付けお前もやれよ」
〇〇「やるやる」
軽い返事
北斗「絶対やれよ」
〇〇「やるって」
笑う
北斗、ため息つきながらも
完全には止められないまま
流れに巻き込まれていく
ーー
☀️当日
夕方
北斗の家
チャイムが鳴る
ピンポーン
〇〇「来た来た!」
北斗「……ほんとに来たな」
玄関へ向かう
ドア開ける
樹「おー、来たわ」
両手に袋
〇〇「早い!」
樹「暇だったからな」
北斗「暇って言うな」
樹「いいじゃん別に」
そのまま中へ
リビング
〇〇「やば、もうパーティー感出てきた」
北斗「まだ二人目だろ」
樹「いや十分始まる雰囲気」
北斗「早すぎ」
またチャイム
ピンポーン
〇〇「次誰?」
北斗「絶対きょも」
〇〇「だよね!」
ドア開く
きょも「お邪魔しまーす」
手ぶら
樹「おい手ぶらかよ」
きょも「後で持ってくるタイプ」
北斗「一番迷惑」
〇〇「来てくれた時点で嬉しい!」
きょも「優しいね」
リビング入る
少しずつ人の気配増える
またチャイム
ピンポーン
〇〇「もう誰かわかんない」
北斗「慎太郎だろ」
ドア開く
慎太郎「よっしゃー!」
入る瞬間からテンション高い
樹「うるせぇ」
慎太郎「開いてるって聞いたからさ!」
北斗「聞くなそんなこと」
〇〇「来た来たー!」
徐々にリビングが埋まっていく
テーブルに飲み物・お菓子・持ち寄りの料理
樹「これもう始まってるよな」
きょも「だね」
慎太郎「最高じゃん」
北斗「まだ始めてねぇ」
〇〇「いやもう始まってるって」
北斗「勝手に決めんな」
そのとき
またチャイム
ピンポーン
樹「まだ来るの?」
〇〇「え、誰?」
北斗「……嫌な予感する」
ドア開く
ジェシー「やっほー!」
両手広げて登場
慎太郎「来たー!」
樹「うるせぇの来た」
ジェシー「パーティーって聞いたからさ!」
北斗「誰に聞いた」
ジェシー「風の噂!」
〇〇「もう完全に広まってるじゃん」
きょも「情報早すぎ」
リビング、ほぼ埋まる
北斗、立ち尽くす
北斗「……なんでこうなる」
〇〇「楽しいからでしょ」
即答
北斗「お前のせいだろ半分」
〇〇「半分ならセーフ」
北斗「セーフじゃねぇ」
樹「じゃあ乾杯するか!」
慎太郎「いいね!」
ジェシー「もうやろ!」
きょも「賛成」
〇〇「やろやろ!」
北斗「まだ早い」
全員「いいじゃんいいじゃん!」
北斗「……」
グラスが並ぶ
結局
北斗の家はもう完全に“会場”になっていて
北斗だけがまだ現実を受け入れきれていないまま
リビング
すでにかなりの人数
笑い声、音楽、グラスの音
北斗「……これ以上増えねぇよな?」
〇〇「さすがにもう来ないでしょ」
その瞬間
――ピンポーン
〇〇「え?」
樹「まだ来るの?」
北斗「……終わった」
ドア開く
高地「お邪魔しまーす」
両手に差し入れ
慎太郎「来た!」
樹「安心するやつ来た」
高地「なんか聞いたより人多いね?」
北斗「聞いてねぇだろこれ」
〇〇「増えました!」
高地「だと思った」
リビングに自然に溶け込む
その直後
――ピンポーン
〇〇「まただよねこれ」
北斗「もう分かんねぇ」
ドア開く
海人「こんばんはー」
〇〇「海人!」
海人「呼ばれたから来た」
樹「情報早すぎ」
きょも「もうネットワークあるだろこれ」
海人「なんか楽しそうだったから」
北斗「軽い理由だな」
海人「それがいいんでしょ?」
〇〇「正解!」
さらに
――ピンポーン
慎太郎「まだ来るの?」
北斗「来るな来るな来るな」
ドア開く
勝利「お邪魔します」
静かめに入ってくる
〇〇「勝利!」
樹「一番ちゃんとしてるの来た」
勝利「ちゃんと手土産あるよ」
北斗「それが普通」
〇〇「優秀!」
そして
――ピンポーン
全員「もう誰!?」
ドア開く
風磨「よっ」
片手で軽く入ってくる
樹「絶対来ると思った」
風磨「こういうの好きでしょ?」
北斗「お前が一番うるさくなるやつな」
風磨「正解」
慎太郎「完成したなこれ」
高地「ほぼ全員じゃん」
きょも「事務所の集まりだよね」
海人「普通に大人数すぎる」
〇〇「やば、ほんとにパーティーだ」
テーブルはもうぎゅうぎゅう
食べ物も飲み物も増え続ける
音楽も流れてる
笑い声も止まらない
北斗「……」
キッチン横で立ったまま
北斗「最初の話と違うんだけど」
〇〇「最高じゃん」
即答
北斗「管理不能だろこれ」
樹「もう無理だな」
風磨「諦めろ」
ジェシー「こういうのが一番楽しいんだよ」
慎太郎「乾杯しよ乾杯!」
高地「もう一回やる?」
〇〇「やるやる!」
きょも「2回目いく?」
北斗「何回やる気だよ」
海人「終わらないやつだねこれ」
風磨「いいじゃん、今日くらい」
北斗「今日“くらい”が長いんだよ」
〇〇「でも楽しいからOK」
北斗「お前が一番自由だろ」
〇〇「それ褒め言葉?」
北斗「違う」
でも
誰も止めない
止める気もない
グラスがまた上がって
リビングは完全に“夜の宴会”になっていく
リビング
テレビ前のスペースにどんどん人が集まっていく
ソファはもう埋まっていて
床にも自然に座る流れ
樹「ここ一番いい位置じゃん」
〇〇「そこ特等席ね」
きょも「じゃあここ取る」
スッとソファの端に座る
慎太郎「俺ここ!」
床にドンと座る
ジェシー「俺も床いく!」
そのまま隣にドン
高地「じゃあバランス考えてここかな」
ソファの反対側
海人「じゃあここ空いてる?」
〇〇「空いてる空いてる」
テレビ前がどんどん埋まる
風磨「ここ完全に実家だな」
北斗「誰の実家だよ」
風磨「お前の」
北斗「最悪だろ」
〇〇はソファの真ん中寄りに座って
足を少し崩しながら周り見てる
〇〇「この感じいいね」
北斗「どこがだよ」
〇〇「みんな集まってるの」
北斗「多すぎだろ」
樹「もうホームパーティー超えてる」
きょも「テレビ要らなくない?」
慎太郎「いやいるでしょ!」
ジェシー「なんか流そ!」
海人「何見る?」
高地「バラエティとか?」
風磨「適当でいいよ」
〇〇「じゃあ北斗決めて」
北斗「なんで俺」
〇〇「家主だから」
北斗「その理由やめろ」
でもリモコン渡される
北斗「……」
一瞬止まる
北斗「適当でいいだろ」
ポチ
バラエティ番組つく
樹「あ、これいいやつ」
きょも「ちょうどいい」
慎太郎「笑えるやつだ」
ジェシー「乾杯続きでいい感じ」
海人「ほんとにパーティーだね」
〇〇「ね!」
ソファ前
床
テーブル
ぐるっと人が囲んでる
北斗だけ少し後ろで座り直して
北斗「……これ収拾つくのか」
風磨「つかねぇな」
即答
北斗「だろうな」
〇〇は横で笑いながら
誰かと話してる
樹「〇〇さ、これいつもこんな感じなの?」
〇〇「さすがに今日は特別」
きょも「特別すぎる」
慎太郎「もうイベントだよこれ」
ジェシー「年一やるやつ」
高地「いや多いでしょ」
海人「でも楽しい」
風磨「結局それ」
テレビではバラエティの笑い声
現実のリビングでも笑い声
北斗「……」
その中で一人だけ少し遠くから見てる
でも
誰も気にしないくらい自然に混ざってる夜が続いていく
ーーーー
席はこう言う感じ↓
リビング
テレビ前
人でほぼ埋まってる
ソファは三人掛けで、
左端:きょも
真ん中:〇〇
右端:空いてるけど“半分荷物置き状態”
北斗はその少し後ろ
キッチンとリビングの境目あたりに立ったまま
〇〇「これめっちゃおもしろい」
きょも「ね、今のとこいい回」
〇〇、笑いながらテレビ見てる
その隣(右側)
空いてはいるけど
北斗の上着が置いてあったり
リモコンやグラスが置かれてたりで
実質“座るスペースじゃない状態”
樹「〇〇そこ真ん中なのいいな」
〇〇「ここ見やすい」
慎太郎「特等席じゃん」
〇〇「でしょ」
北斗「……」
少しだけ視線向ける
(あそこ座ると確実に人増やしていく流れになる位置)
北斗「そこ絶対動くなよ」
〇〇「え、なんで」
北斗「そこが一番危ない」
〇〇「危ないってなに」
風磨「それ北斗の警戒ポイントだな」
北斗「うるせぇ」
ジェシー「じゃあ俺もそこ座りたい」
北斗「やめろ」
即答
〇〇「ほら、いい席じゃん」
北斗「いい席じゃねぇよ」
〇〇「じゃあ隣ダメ?」
軽く聞く
北斗「……」
一瞬止まる
北斗「ダメとかじゃねぇけど」
〇〇「けど?」
北斗「そこ動線だからやめろ」
〇〇「動線ってなに」
北斗「人が寄ってくる」
樹「確かにそこ集まる位置だな」
慎太郎「中心だもんね」
〇〇「じゃあやっぱここが正解じゃん」
北斗「正解じゃねぇ」
〇〇はそのまま普通に座り続ける
きょも「じゃあ俺ここでいい?」(〇〇の左隣)
〇〇「いいよ」
北斗「そこもやめろ」
きょも「なんで俺まで」
北斗「いや……」
言いかけて止まる
風磨「はい出た」
海人「北斗のやつだ」
高地「いつものやつね」
北斗「違うって」
〇〇「何が?」
北斗「……」
説明できないまま
北斗「とにかくそこ詰めすぎ」
〇〇「狭くないよ?」
〇〇、普通にきょもと距離近いままテレビ見てる
ジェシー「ここいい感じにぎゅうぎゅうだな」
慎太郎「修学旅行みたい」
樹「いやそれより騒がしい」
〇〇「楽しいからOK」
北斗「お前のOK基準どうなってんだよ」
〇〇「楽しければOK」
即答
北斗「雑すぎる」
でも結局
誰もその配置を変えないまま
テレビの前で笑い声が続いていく
リビング
もう完全に“全員集合状態”
テーブルの上はほぼ空で
紙皿と空き缶、グラスだけが残ってる
樹「じゃあ席どうする?」
慎太郎「もうどこでもよくない?」
ジェシー「床でいいじゃん床」
高地「賛成」
風磨「ソファ争奪戦な」
きょも「いや俺もうここでいいし」
勝利「俺も床でいいよ」
北斗「だと思った」
〇〇「勝利も床なんだ」
勝利「その方が落ち着く」
〇〇「いいね、統一感ある」
きょもがソファ左端のまま
〇〇はその隣にいるけど、今は少し前に寄って床の方見てる
床側は完全に円形みたいになってて
樹
慎太郎
ジェシー
海人
高地
風磨
勝利
がそれぞれ適当に座ってる
まるで囲み飲み状態
樹「これもう床がメイン会場じゃん」
ジェシー「ソファが観覧席になってる」
高地「逆転してるの笑う」
風磨「北斗の家の使い方じゃない」
北斗「俺もそう思ってる」
〇〇「でもこっちの方が盛り上がってるよね」
即答
北斗「それ言うな」
〇〇「事実だし」
北斗「事実でも言うな」
慎太郎「北斗今日ずっとツッコミだな」
樹「疲れてるだろ」
北斗「疲れてるわ」
勝利「でも楽しいよね」
〇〇「ね!」
きょも「うん、これはこれでいい夜」
海人「なんかずっと笑ってる」
ジェシー「こういうの久しぶり」
風磨「たまにはいいな」
北斗「たまにでいい」
〇〇「またやろうよ」
北斗「やらねぇ」
即答
〇〇「えー」
でも〇〇は笑ってる
床では
誰かがまたお菓子開けてて
誰かがテレビに突っ込んでて
誰かが笑いすぎて倒れてる
勝利も普通にその輪の中で笑ってて
完全に溶け込んでる
北斗は少し離れた位置でそれを見てる
笑い声がまだ続いてる中で
〇〇「ねぇ北斗もこっち来なよ」
床の輪の中心を軽く指す
北斗「……」
一瞬だけ止まる
北斗「別にここでいい」
慎太郎「いやいや、そこ壁側じゃん」
樹「完全に観察ポジションだろそれ」
ジェシー「参加しなよ参加」
風磨「主催者が一番外側なの変だろ」
〇〇「ほら」
〇〇、少しだけ手伸ばす
〇〇「こっち」
北斗「……」
ため息
北斗「めんどくせぇな」
そう言いながら立ち上がる
テーブルの隙間を抜けて
そのまま床の輪へ
〇〇の近く
でも真正面じゃなくて少し横
樹「来た来た」
慎太郎「やっと揃った感ある」
海人「これで完成だね」
高地「遅い合流」
勝利「北斗も来た方がいいよここ」
北斗「最初からここだったら良かっただろ」
きょも「いや絶対来ないタイプだと思ってた」
北斗「正解」
風磨「でも結局来てんじゃん」
北斗「来させられただけ」
〇〇「自分で来たじゃん」
北斗「押された」
〇〇「優しさね」
北斗「違う」
軽く言い合い
でもそのまま北斗も床に座る
グラスがまた近くなる
視線も同じ高さになる
慎太郎「これもう円完成したな」
樹「ほんとだ」
ジェシー「座談会だ」
高地「夜の座談会」
勝利「落ち着くね」
風磨「やっとそれっぽくなった」
きょも「北斗も来たしね」
北斗「俺が一番最後なの納得いかねぇ」
〇〇「一番ツンだったから」
北斗「違う」
でも少しだけ口元ゆるむ
床の輪の中で
また新しい話題が始まっていく
ーーー
床の輪
グラスが何度か空になっては、また誰かが適当に注いでる
テーブルの上はもうほぼ空
お菓子の袋だけがしわしわになって残ってる
樹「いや今日さ、ほんと珍しいメンツだよな」
海人「確かに、全員そろうのレアすぎ」
高地「普通ありえないでしょこれ」
慎太郎「でも一番ありえないの北斗ん家だよね」
北斗「それはずっと思ってる」
〇〇「でも楽しいじゃん」
即答
きょも「うん、これは成功だね」
風磨「成功って言うな」
勝利「でも空気いいよね」
ジェシー「いい感じにできあがってる」
〇〇「できあがってるはやめて」
〇〇、笑いながらグラス回す
少しほろ酔いの空気
誰も声が大きすぎるわけじゃないけど
ずっと笑いが途切れない
樹「てかさ、〇〇って意外と飲むよね」
〇〇「え、そう?」
樹「普通にいける側だと思ってた」
北斗「いやお前調子乗ると危ないタイプだろ」
〇〇「それ北斗もでしょ」
北斗「俺は違う」
慎太郎「いや一番言い訳してるやつだ」
ジェシー「北斗今日ずっと面倒見役だもんね」
北斗「勝手にそうなってるだけ」
風磨「向いてるよそれ」
北斗「向いてねぇよ」
きょも「でもちゃんと見てるじゃん」
北斗「見てないと何かやらかすだろ」
〇〇「信用ないな」
北斗「信用じゃなくて事実」
〇〇「ひど」
笑い
その横で海人がポツリ
海人「でもさ、こういうのいいよね」
高地「わかる、ちょっと安心する」
勝利「普段バラバラだからね」
樹「集まるとこうなるの面白い」
慎太郎「またやりたいな」
北斗「もういい」
即答
〇〇「またやろうよ」
北斗「やらねぇ」
〇〇「絶対言うと思った」
〇〇、笑いながら床に寝転びかける
きょも「〇〇、完全にくつろいでる」
〇〇「ここ居心地いい」
北斗「それ俺の家な」
〇〇「知ってるって」
風磨「完全に居候の発想だな」
〇〇「一時的だからセーフ」
北斗「セーフの基準おかしい」
笑いがまた広がる
お酒も進んで
声も少しずつ柔らかくなっていく
誰かが昔の話をし始めて
誰かがそれに突っ込んで
また別の話に飛んでいく
床の輪の中は
もう完全に“終わりかけの楽しい空気”になっていた
時間は少しずつ遅くなっていく
さっきまでの騒がしさはそのままに
でも、空気はゆるくなってきてる
海人「じゃあ俺そろそろ行くわ」
樹「え、もう?」
海人「明日朝早いんだよ」
〇〇「えー早いの?」
海人「うん、仕事あるから」
北斗「ちゃんとしてるな」
海人「当たり前でしょ」
軽く笑って立ち上がる
高地「気をつけてね」
ジェシー「またやろうな」
海人「うん、また」
〇〇「ありがとね来てくれて」
海人「こちらこそ楽しかった」
風磨「真面目に帰るの早いの偉いな」
海人「大人だからね」
樹「言うじゃん」
そのまま玄関へ
ドアが閉まる音
少しだけ静かになる
〇〇「次は勝利?」
北斗「だろうな」
勝利、少し間を置いて立ち上がる
勝利「じゃあ俺もそろそろ行くね」
〇〇「勝利も早いの?」
勝利「明日撮影あるから」
きょも「ちゃんとしてる組だ」
慎太郎「対極だね俺らと」
勝利「また今度ゆっくり話そう」
〇〇「うん、来てくれてありがと」
勝利「楽しかったよ」
北斗「お前が一番落ち着いてたな今日」
勝利「そう?」
軽く笑う
樹「安定枠だったわ」
ジェシー「安心感あった」
風磨「真面目枠な」
勝利「それ褒めてる?」
〇〇「褒めてる褒めてる」
そのまま玄関へ
ドアが閉まる
リビング
少しだけスペースが空く
床の輪が少し小さくなる
〇〇「ちょっと静かになったね」
北斗「まぁな」
樹「でもまだ結構いるけどな」
慎太郎「だいぶ減った方でしょ」
きょも「一番ちゃんと帰ってるパターンだね」
ジェシー「ここからが第二ラウンド?」
風磨「もうラウンドいらねぇよ」
〇〇「でもまだ楽しい」
北斗「お前ほんとタフだな」
〇〇「楽しいのは続くでしょ」
北斗「続かねぇよ普通は」
軽く笑いながら
また少しだけ空気が落ち着いていく夜――
人が少し減って、床の輪はゆるくなってる
きょもがソファから降りて、そのまま床へ
きょも「こっちの方が落ち着くわ」
〇〇「でしょ」
〇〇もそのまま床に移動して
きょもの横に座る
北斗「お前らそこ好きだな」
きょも「ここが一番会話しやすい」
〇〇「なんか安心する位置」
慎太郎「そこペア席みたいになってるじゃん」
樹「確かに固定だなそこ」
〇〇「たまたまだって」
きょも「たまたまにしては定着してるけどね」
軽く笑いながらグラスを持つ
少しお酒が回ってきて
声がさらに柔らかくなる
〇〇「ねぇさ、さっきのバラエティのやつさ」
きょも「あーあれね」
〇〇「北斗めっちゃ真顔でツッコんでたのウケた」
北斗「仕事だろ」
〇〇「いやずっと仕事してた」
きょも「確かにずっと司会みたいだった」
北斗「うるせぇな」
ジェシー「完全に回し役だったよね」
風磨「適任すぎて笑う」
北斗「勝手に役割つけるな」
〇〇「でも助かってたよね」
北斗「……まぁな」
小さく認める
〇〇、少し笑って
グラスを口に運ぶ
〇〇「これさ、もうちょい飲んでもいい?」
北斗「お前それ一番危ないやつ」
〇〇「大丈夫だって」
きょも「大丈夫の基準どこ」
慎太郎「だいたい大丈夫じゃないやつ」
〇〇「ひど」
笑いがまた起きる
でも空気は重くなくて
むしろゆるい
きょも「〇〇って酔うとテンション上がるタイプ?」
樹「それ絶対そう」
〇〇「上がらない上がらない」
北斗「絶対上がるだろ」
〇〇「否定早い」
北斗「事実だからな」
〇〇「じゃあ見てて」
軽く挑戦みたいに笑う
きょも「やばいフラグ立てた」
ジェシー「来るぞこれ」
風磨「もう既に来てるだろ」
樹「テンション上げる宣言した時点で負け」
〇〇「うるさいうるさい」
笑いながらまた一口
床の輪の中で
会話がゆるく流れ続けていく
そのまま床の輪
まだ笑い声は続いてる
〇〇「ねぇこれさ〜」
きょも「うんうん」
〇〇「なんか今日さ〜」
言葉が少しゆっくりになる
北斗「……おい」
樹「ん?」
北斗「飲ませすぎだろそれ」
〇〇「んー?だいじょぶ〜」
完全に声がふわっとしてる
慎太郎「あ、これ入ってるな」
ジェシー「入ったね」
風磨「来たか」
きょも「ちょっと早いな」
〇〇、きょもに寄りかかるように笑う
〇〇「きょも〜」
きょも「なに」
〇〇「かっこいいね今日」
きょも「急にどうした」
〇〇「いやほんとに」
そのまま
〇〇、軽くきょもの肩に触れる
北斗「……」
一瞬空気止まる
樹「おい」
慎太郎「出たな」
ジェシー「これはやばい方のやつ」
風磨「完全にスイッチ入った」
きょも「いやいや落ち着いて」
〇〇「え〜なに〜」
そのまま今度は樹の方へふらっと行く
〇〇「樹〜」
樹「なに?」
〇〇「元気すぎ」
樹「それ褒め?」
〇〇「うん」
肩ポン
樹「軽いな」
北斗「……おい」
声少し低い
〇〇、今度は慎太郎の方
〇〇「慎太郎〜」
慎太郎「おう」
〇〇「うるさい」
慎太郎「ひどくね?」
笑いながら頭ポンポンされる
〇〇「んふふ」
完全に距離感がバグってる
きょも「これあれだな」
ジェシー「キス魔入ってる」
風磨「出たな」
高地「久々に見たそれ」
樹「止めるやついないと危ないタイプ」
北斗「……俺やる」
スッと立ち上がる
〇〇、ふらっと別方向に行こうとする
北斗「こっち」
腕つかむ
〇〇「え〜なにぃ」
北斗「座れ」
〇〇「やだ〜まだ話す〜」
北斗「話すな」
〇〇「え、なんでぇ」
北斗「酔ってる」
〇〇「酔ってない〜」
即否定
北斗「酔ってる」
〇〇「……」
一瞬止まる
そのまま
〇〇「北斗〜」
北斗「……なに」
〇〇、急に近づく
〇〇「かっこいい」
北斗「やめろ」
即座に顔背ける
〇〇「ほんとに」
北斗「いいから座れ」
〇〇「ちゅーは?」
北斗「しねぇよ」
即答
樹「出たww」
慎太郎「キス魔本領発揮」
ジェシー「ターゲット固定入った」
風磨「一番危ない相手行ったな」
きょも「北斗頑張れ」
北斗「頑張るとかじゃねぇ」
〇〇「けち〜」
北斗「ケチじゃねぇ」
〇〇「好きなのに〜」
空気が一瞬止まる
北斗「……っ」
言葉詰まる
樹「今のはダメだろww」
慎太郎「やばいなそれ」
ジェシー「完全に酔いの暴走」
風磨「北斗耐えろ」
北斗「耐えてるわ」
〇〇はふらふらしながら
まだ笑ってる
北斗はそのまま腕を引いて
無理やりソファ側に座らせる
北斗「ここ」
〇〇「ん〜……」
でもまだニコニコしてる
〇〇「北斗〜」
北斗「呼ぶな」
〇〇「好き〜」
北斗「……」
完全に固まる
周りは爆笑
樹「これは無理だろww」
ジェシー「北斗終わったw」
風磨「初見殺しすぎる」
きょも「耐えろしかないやつ」
夜はまだ続いてるけど
一気に“カオス寄りの空気”になっていく
ソファに座らせた〇〇はまだふわふわしてる
〇〇「北斗〜」
北斗「呼ぶな」
〇〇「なんで〜」
また立ち上がろうとする
北斗「動くな」
腕を軽く押さえる
〇〇「やだ〜まだ喋る〜」
北斗「喋らなくていい」
〇〇「え〜冷たい〜」
そのまま北斗の袖を掴む
北斗「……おい」
樹「完全にロックオンされてるな」
慎太郎「北斗だけ狙い撃ちじゃん」
ジェシー「逃げられないやつ」
風磨「一番やっかいなパターン」
きょも「これ無理ゲーだね」
北斗「笑ってんじゃねぇ」
〇〇「北斗〜」
もう一回呼ぶ
北斗「なに」
〇〇「こっちきて」
北斗「ここにいるだろ」
〇〇「もっと」
北斗「……」
一瞬止まる
樹「ほら来た“もっと”」
慎太郎「危険ワード」
ジェシー「これはダメなやつ」
風磨「耐えろ北斗」
北斗「……無理」
小さくため息
北斗「お前、酔ってるから」
〇〇「酔ってないもん」
即答
北斗「酔ってる」
〇〇「好きって言ったのに〜」
また空気が一瞬止まる
樹「今の二回目だぞ」
慎太郎「やばいってそれ」
ジェシー「完全に刺さるやつ」
北斗「……それ言うな」
〇〇「なんで?」
北斗「今じゃねぇだろ」
〇〇「今がいい」
ふらっとまた近づく
北斗「動くな」
〇〇「やだ〜」
そのまま軽く抱きつくみたいに寄る
北斗「……っ」
一瞬固まる
北斗「離れろ」
〇〇「やだ」
北斗「酔ってるって言ってんだろ」
〇〇「でも好きなのはほんと」
声だけ妙に真っ直ぐ
周りの空気が少しだけ静かになる
樹「……これマジのやつ混ざってるな」
慎太郎「酔いと本音わかんないやつ」
ジェシー「一番危ないやつ」
風磨「北斗、処理大変だなこれ」
北斗「うるせぇ」
でも手は離さないまま
〇〇はそのまま北斗の服掴んで
少しだけ目閉じる
〇〇「……眠いかも」
北斗「だから言っただろ」
〇〇「うん……」
声が急に落ちる
そのまま体重が少し北斗側に寄る
北斗「……おい」
肩で支える
樹「切り替え早いな」
慎太郎「電池切れた」
ジェシー「急に落ちるタイプだ」
風磨「一番面倒なやつなそれ」
北斗「……水」
誰かがすぐ水渡す
北斗、〇〇に飲ませようとして
北斗「飲め」
〇〇「ん……」
少しだけ飲む
またふらっとする
北斗「ほらな」
小さくため息
北斗「動くなって言っただろ」
〇〇「ごめん……」
そのまま完全に力抜けて
北斗の方に寄りかかる
リビングはまだざわざわしてるけど
中心だけ少しだけ落ち着いてる状態になる
〇〇が完全に寝て、ソファに横になったあと
北斗は軽く毛布をかけてから戻ってくる
樹「おつかれ」
北斗「うるせぇ」
慎太郎「いやマジで大変だったでしょ今の」
ジェシー「完全に北斗しか制御できないやつだったね」
北斗「制御って言うな」
風磨「でも完璧だったじゃん」
北斗「どこがだよ」
きょも「ちゃんと止めてたし」
高地「優しかったよね普通に」
北斗「普通だろ」
樹「でさ」
樹、ニヤっとする
樹「今どんな気持ち?」
北斗「は?」
慎太郎「いや気になるじゃん」
ジェシー「責任者みたいになってたし」
風磨「完全に保護者ポジだったな」
北斗「保護者じゃねぇよ」
きょも「でも一番近くにいたの北斗だし」
北斗「たまたまだろ」
高地「たまたまにしてはずっと対応してたけどね」
北斗「……」
少しだけ黙る
北斗「別に、普通」
樹「普通ねぇ」
樹「好き放題言われてたのに普通は無理だろ」
ジェシー「“好き”って言われてたしね」
北斗「それ言うな」
一気に空気がニヤニヤする
慎太郎「いやあれはやばかったよ」
きょも「普通に刺さるやつだったね」
風磨「北斗の耐久テストみたいなもん」
北斗「テストじゃねぇよ」
樹「で、どうだった?」
北斗「……何が」
樹「〇〇のあれ」
北斗「酔ってただけだろ」
即答
でも少し間がある
高地「ほんとにそれだけ?」
北斗「それだけだろ」
ジェシー「でもさ、ちゃんと止めてたじゃん」
北斗「危ねぇからだろ」
きょも「うん、理由はそれね」
北斗「当たり前だろ」
風磨「まぁそういうことにしとくか」
北斗「勝手にまとめんな」
樹「いやでもさ」
樹、少し笑って
樹「お前今日ずっと〇〇見てたよ」
北斗「見てねぇよ」
慎太郎「見てた見てた」
ジェシー「ずっと横にいたしね」
北斗「近いだけだろ」
高地「はいはい」
北斗「その“はいはい”やめろ」
きょも「でも安心感あったよ」
北斗「何のだよ」
きょも「そばにいる人として」
北斗「……」
一瞬黙る
樹「まぁまぁ」
樹「今日はもうそれでいいじゃん」
北斗「よくねぇよ」
でも少しだけ疲れた顔でソファを見る
そこには〇〇が静かに寝ていて
さっきまでの騒ぎが嘘みたいに落ち着いてる
北斗「……帰れよお前ら」
風磨「お、出た追い出し」
ジェシー「まだ早くない?」
北斗「早くねぇよ」
慎太郎「でももういい時間ではある」
高地「明日早いしね」
きょも「そろそろ解散か」
樹「じゃあ撤収かー」
北斗「そうしろ」
樹「冷たいなー」
北斗「うるせぇ」
少しずつ片付けが始まっていく
片付けの音と、まだ残ってる笑い声
樹「じゃあ俺マジで帰るわ」
慎太郎「俺も明日早いし」
ジェシー「じゃあ一緒に出るか」
高地「俺もタイミング合わせる」
きょも「じゃあまとめていく?」
風磨「うん、それでいいでしょ」
北斗「早くしろ」
樹「最後まで雑だな」
北斗「いいから帰れ」
軽く笑いながら、みんな荷物を持つ
玄関前
樹「いや今日ほんとカオスだったな」
慎太郎「でも楽しかったわ普通に」
ジェシー「またやろうよ」
北斗「やらねぇ」
即答
風磨「絶対またやるやつの言い方」
北斗「やらねぇって言ってんだろ」
きょも「まぁまた流れでね」
北斗「流れ作んな」
高地「じゃあお先に」
ジェシー「お邪魔しましたー!」
樹「北斗、ありがとー」
北斗「うるせぇ」
笑いながらドアが閉まる
静かになる玄関
リビングに戻ると
空気が一気に落ち着く
テーブルには空のグラスとお皿
さっきまでの騒ぎの名残だけが残ってる
北斗「……はぁ」
軽く息を吐いてソファを見る
〇〇はそのまま寝ている
少しだけ近づく
北斗「……」
毛布をかけ直す
少し髪が顔にかかっていて
それを軽くどかす
北斗「飲ませすぎたな」
小さく呟く
そのままキッチンへ行って
水を一杯置いておく
戻ってきて、床に座る
さっきまでの騒がしさが嘘みたいに静か
北斗「……ほんとに」
小さく笑う
北斗「めんどくせぇ夜だったな」
でも声は少し柔らかい
〇〇は寝息だけ立てていて
もう何も返さないまま
夜はゆっくり落ち着いていく
リビング
静けさがちゃんと部屋に戻ってきている
北斗は床に座ったまま、少しだけ天井を見上げている
北斗「……」
時計の秒針の音だけがやけに響く
ソファでは〇〇が毛布にくるまったまま、静かに寝ている
北斗は一度だけ視線を向けてから、ゆっくり立ち上がる
キッチンへ
グラスを片付けて、シンクに軽く水を流す
北斗「ほんと……騒がしすぎだろ」
小さく呟く
でも口元は少しだけ緩い
戻ってくると、ソファの横に腰を下ろす
少し距離をとって座っているのに、視線だけは自然と〇〇に向かう
〇〇「……ん」
小さく寝返り
毛布が少しずれる
北斗は無意識に手を伸ばして、そっと直す
北斗「風邪ひくぞ」
返事はない
当たり前に寝ている
北斗「……ったく」
小さくため息
そのまま少しの間、何も言わずに座っている
さっきまでの騒ぎが嘘みたいに静かで
逆にその静けさが少し落ち着かないくらい
北斗「……あいつ」
ぼそっと言って、視線を逸らす
でももう一度だけ見てしまう
寝ている顔はさっきまでの酔いも残ってなくて
ただ静かで、やけに普通で
北斗「……ほんとめんどくせぇな」
そう言いながらも立ち上がらない
そのままリビングの灯りだけが少し落ちていく中で
ーーーー
少しだけ明るさを落とした空間で、静けさが続いている
〇〇「……ん」
ゆっくり目を開ける
天井を見て、数秒固まる
〇〇「……あれ」
体を起こそうとして、毛布に気づく
〇〇「……え?」
視線を横に動かす
北斗が少し離れた位置に座っている
北斗「起きたか」
〇〇「……うん」
まだぼんやりした顔
〇〇「ここどこ?」
北斗「俺の家」
〇〇「……あ、そうか」
少し間
〇〇「……なんで?」
北斗「自分で来たからだろ」
〇〇「え?」
首をかしげる
〇〇「え、今日何してた?」
北斗「覚えてないのか」
〇〇「うん」
即答
北斗「全部」
〇〇「全部?」
北斗「全部」
〇〇「……やば」
ゆっくり顔を手で覆う
〇〇「え、ちょっと待って、何かした?」
北斗「した」
〇〇「やめて」
北斗「止めるの大変だった」
〇〇「ほんとに?」
北斗「ほんとに」
〇〇「……無理」
そのまま毛布に沈む
〇〇「最悪だ……」
北斗「まぁ、いつもよりはマシだった」
〇〇「慰めになってない」
北斗「事実だろ」
〇〇「絶対やばいことした」
北斗「まぁな」
〇〇「言わないで」
北斗「自分で思い出せ」
〇〇「無理だって」
少し間
〇〇「……怒ってる?」
北斗「怒ってない」
即答
〇〇「ほんとに?」
北斗「ほんとに」
〇〇「……よかった」
少し安心した顔になる
北斗は立ち上がってキッチンへ行き
水を一杯持って戻る
北斗「これ飲め」
〇〇「ありがとう」
受け取ってゆっくり飲む
少しずつ現実に戻っていく中で
部屋の空気はもう完全にいつもの夜になっていた
ーーーーーーーーーーーーーー
リビング
〇〇がソファで再び落ち着いて眠りについたあと
北斗はしばらくそのまま床に座っていた
部屋は静かすぎるくらい静かで
時計の音だけがやけにはっきり聞こえる
北斗「……」
視線は自然とソファへ向く
毛布の中で、〇〇は規則的に呼吸しているだけ
北斗は軽く息を吐いて、天井を見上げる
北斗(……今日、濃すぎだろ)
頭の中で、断片的にだけ映像が残っている
笑ってた顔
ふらついてた様子
近すぎた距離感
何度も呼ばれた名前
北斗「……はぁ」
小さく息を吐いて、立ち上がる
キッチンへ行き、水を飲む
コップを置いても、頭は冴えたまま
北斗(寝ろって言ったの俺だろ)
自分に突っ込むように小さく笑う
でも布団に入る気配はない
リビングに戻って、ソファの横に座る
また〇〇を見る
静かすぎて、逆に落ち着かない
北斗「……ほんとに何してんだろ俺」
ぼそっと呟く
視線を逸らしても、また戻る
さっきのやり取りが勝手に浮かぶ
(酔ってただけだろ)
(好き)
北斗「……違うだろ」
声に出して否定する
でも、その割に呼吸が少しだけ乱れる
北斗は立ち上がって、電気を少しだけ落とす
それでも眠気は来ない
ソファの背にもたれて、腕を組む
北斗「……明日、普通に会えんのかよ」
自分で言って、自分で苦く笑う
隣では〇〇が何も知らずに眠っている
その静けさだけが、余計に頭を冴えさせていく夜だった
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