テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
リクエストのハッピーエンドです
流血、死の直接的な表現があります
加賀美視点
三人一気に飛びかかってくる。1人では受け止めきれないので一旦後ろに下がった。
左に不破さん、真ん中にワタクシ、右に剣持さん。真ん中のワタクシは拳を大きくふりあげていて、左の不破さんはナイフを前に突き出していて、剣持さんは刀をふりあげていた。
間一髪で避けた。この中で一番危険な方は…リーチが長い剣持さんだ。
逆に1番安全な方はワタクシ。
なら…不破さんを殺ろう。剣持さんはきっと動きが単純な筈だ。ワタクシの動きは私だから大体わかる。となると不破さんの動きは正直読めない所がある。
銃をワタクシと剣持さんに向け、1人1発、計2発打ち込んだ。
2人が後ろに下がってできた隙に姿勢を低くし、ナイフを続いて横に振っていた不破さんの攻撃を避け、そのまま胴を持ち、床に叩きつけた。
1番身軽なワタクシが追撃してくる事は分かっていたので、横にズレ、攻撃がスカったワタクシの隙だらけの横腹にナイフを刺し、その後ろから刀を振り下げようとしている剣持さんの攻撃を避けた。
1回刀を振りかざした所で少し隙ができたので首に手刀をお見舞いしてやった。
一連の流れがここ数秒間で終わった。正直呆気ない。
とりあえず不破さんと剣持さんにトドメ刺そうとワタクシの体からナイフを引っこ抜こうと、ワタクシに近付く。
好奇心で触ってみても、ピクリとも動かない。
ただ、何処か違和感を感じた。
不破さんをやるつもりで、何故かワタクシを一番最初に殺ってしまったけど…ワタクシの体が崩壊していない…
まぁいいか、とワタクシからナイフを抜くと横腹に激痛が走る。
「ぁ”が、ッ…?」
っは、…?
「っけほ、ッッ…なん、だ…?」
自分の横腹を触っても血は出てなければ、外傷もない。
気絶寸前まで追い込んだ不破さんがよろけながら立ちかけている姿が、視界の端で映るがそれどころではない。
「ッッッは、…ッぁ”…」
横腹が焼けるような感じで痛い。呼吸ができない。
『…あはっ!さっきのお返しっすよ!!』
立ち上がれぬまま、不破さんがすぐそこまで近付いてきている。
やがて目の前まで来れば、そう言いながら思いっきりナイフを振り上げた。
ああ、私、やられてしまうのか?
ただ、このままやられるのは私的には癪に障る。まだ剣持さんや不破さんはダウンしている状態なのに、私が殺られてしまったら剣持さんと不破さんはどうなってしまうんだ。
まだ本当の甲斐田さんにも会えていないのに!
『またね〜♪ニセモノの加賀美ハヤトさんっ!』
そのままナイフを振り下ろしてくる不破さん。私は その攻撃を避けようと咄嗟に身体が動いていた。
『…は、?wまだ動けたんスか?』
「ッえぇ、私はこんなところで終わるタマじゃないもんで、ねっ、!!」
殺せなくてイラついたのか、顔に青筋を浮かべながら此方を睨みつけてくる不破さんに、痛む横腹を抱えながら、渾身の足払いをお見舞してやった。
不破さんにとって予想外の出来事だったのか、対応し切れず、そのまま倒れた。
『ッは、やるやんけおまえッ、!!!そっちがその気ならオレだって手加減しねぇからなァ!!加賀美ハヤト゛!!!!!! 』
そう激昂する不破さんを見ては、ふ、と笑った。
『何がおかしいねん!!!すぐブッ殺してやっ、゛!!?』
またナイフを突き刺そうとしてくる偽不破さんの腕を止めた、やっと復活した本物の不破さん。
暴れる偽不破さんの身体を抑えるように、不破さんは全身を使って身体を押さえ付けていた。
「だって、本物の不破さんだったらどんなに悔しくても、そうはしたなく声を荒らげたりしないですもん。ね?不破さん」
そう言って、私は不破さんに拳銃を手渡す。
「っスね〜…wは〜、ホンマ偽モンの俺がご迷惑おかけしましたよ、と」
『ぁ゛〜〜!!何勝った気でおんねん!!!!!まだ負けてへんからオレはぁ゛!!!!!』
「もうこうなったらお前はもう負けてんのと同等なの、分からん?」
『黙れや!!!!オレの偽モンの分際が!!!!』
「偽モンはお前の方やろ。」
そう冷たく言い放った不破さんは、偽の不破さんの頭に銃口を押し付け、躊躇なく引き金を引いた。
少しびっくりして音と共に顔を逸らしたが、すぐにどさ、と身体が倒れる重い音が聞こえてきた。同時に、死んだのだと確信する。
倒れた偽不破さんに恐る恐る目を向ければ、身体の崩壊が始まっていた。
続く
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