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3 - 本来の姿

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2022年09月11日

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ぼくは狛犬だ。

しかし、人間の姿で生活している。

だからぼくには本来の姿というものがある。

物の怪の類と戦うときは顔や体が犬で手足は人間――それでも動物なみに毛深くなる。

そしてもう一つ、完全に犬の姿があるのだ。

たまに本来の姿にならないとストレスがたまる。

本能的なものだろう、と女神様は言う。


「ふかふかして温かくて気持ちいいね」

美子がぼくにもたれかかって言う。

「本当に下手なソファーより気持ちいいよ」

女神様もぼくにもたれかかっている。

「コマ兄が犬になるといいよね」

美子は嬉しそうだ。

「まぁ、たまには本来の姿に戻らないとね」

ぼくは床に寝そべり、二人がぼくによりかかる。

ぼくが犬の姿になると必ずやるのだ。

「種類はソファー犬でOKですかね?」

ぼくは聞いてみた。

「狛犬でしょう」

本来のお仕事を忘れちゃだめよ、と女神様は笑った。

「それにしてもいい天気ねぇ」

女神様が外を見ながら言った。

「お散歩に行きましょうか」

ぼくは言った。

「そうね」

「行こうよ」


「その姿で来たの?」

「えぇ、まぁ」

ぼくは犬の姿で出てきた。

「イェイイェイ!!」

ぼくは馬のように美子をのせている。

すると、美子はすごく喜んだ。

「もう、仕方ないなぁ…」

女神様はぼくたちを見て笑う。

「女神様ものれますよ」

ぼくは進めてみたが断られた。

女神様は周りを見ながら道を決めていた。


「楽しかったですね」

「また今度のせてね」

女神様は苦笑いした。

「コマ…犬の姿はすごく大きいんだから人に見られないでよ」

心配したんだから、と言う。

ぼくはちょっと反省した。

「でも、たまには本来の姿で外に出るのも大事よね」

女神様はフォローしてくれて、最後に

「今度は私ものせてね」

と言うのだった。


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