俺は許しを乞う
わ…俺は毎日、兄の部屋で謝罪を繰り返している。
はたから見たらおかしな行動だろう。
俺も”あんな事”がなかったら、その行動はおかしいと思えるし、なるべく近づきたくもない。
毎朝の日課が兄の部屋で謝罪を繰り返す事だがそれ以外は普通の生活だ。
朝の準備をして、学校に行って、家に帰る。
普通の学生で不幸だと思ってもない、まぁ幸せとも思ってないが…。
幸せとも不幸とも思えない至って普通の日常。
平々凡々な生活、嫌だと思えば変えれると思うが何も行動する気力が起きない。
多分、俺以上に幸せでもない不幸でもない普通のやつはそうそういないと思う。
話はだいぶズレたがなんでそんな事を繰り返してるの?と疑問の人もいるだろう、……少し説明しよう。
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過去語り
俺には兄が居た。俺とは正反対で頭が良く運動神経もいい才色兼備、そして社交的で明るく聞き上手。
俺はそんな兄が……大っ嫌いだった。
あぁ、兄と呼んでいるが双子で顔も似ていて身長も同じぐらいのを想像してくれ。
…まずは親の話をしよう。
俺の親は世間で言う”毒親”、というものでそれは俺に対してで…兄のことは溺愛している。
小さい頃から兄の方が優先で俺のことは後回し…いや、それどころか俺の為に動いてくれてたこともなかった。
対して兄にはなんでも買い与え、褒めて褒めて褒めて、生まれてきてくれてありがとうと言う。
対して俺には生まれて来なければ良かった一人で十分だと罵倒を吐かれ、ずっと無関心。
………兄は俺の事を気にかけて、優しくしてくれた。
…でも、そんな兄が大っ嫌いだった親からの愛を一身に貰い。何も苦労をしない世間知らずで俺にマウントを取りたい最低な兄と思っていて。
兄が話しかけてくるたんびに冷たくあしらっていた。
…今となってはもうちょっと早く兄と対面して話していれば関わっていれば…多分何かが変わっていたと思う。
兄とは中学校が同じでなるべく避けて関わらないでいた。
そうアレはある梅雨の夏の日だった
その日は特にじめじめしていて、気分転換をしに屋上に向かっていた。
屋上につき、周りを見渡すと…柵の向こう側に兄が居た。
俺は嫌な予感がして反射的に飛び出し柵から手を入れ兄の服を引っ張った。
すると、兄はいつも違う冷たく無表情な顔で俺を見た。
*ここから会話文
「… ?どうしてここに…」
『…………………何やってるの』
「いや、外の空気を吸おうと _ 、」
『嘘つかないで!!!!!!』
「………………」
『…身を乗り出して飛び降りようとしてたから………ねぇなんで貴方は親から愛されてるでしょ……?』
「…………………愛されてなんかないよ。」
本文に戻ります*
兄はそう言葉にした。俺はその場で勢いで強めの口調で言い返した、すると兄から……ある事実を聞かされた。
親は兄に愛情ではなく、期待と執着を向けて居たと…兄の話を聞いて俺は言葉が出なかった。
どう反応していいのな分からなかった。
そんな俺に兄は言った、”少しでも俺の話を聞いてくれたことがあったか?”と。
そう俺はなかった、話を聞いたことも関わることも全くしてこなかった。
その結果がこれだったんだ
俺はごめん、ごめんなさい…と謝り続けたそれで兄の気持ちが晴れるとは思えなかったけどでもずっと謝り続けた…そんな俺に兄はこう言った。
“じゃあ、俺の代わりになってよ”
そうしたら、自殺もやめると言った俺は安心して、兄に成り代わった
…前に言った通り双子だから顔も身長も変わらないだからそっくりだった。
そして一通終わると。
“さようなら、最後に遊べて楽しかったよ”
そう言い残すと飛び降りた、一瞬で理解できなかった。
どこかの、映画のシーンみたいな衝撃を与えた。
俺は急いで下を見ると……
手足があらぬ方向に曲がった…俺の死体。いや、…兄の死体。
……その後は葬式をせずにそのまま燃やしてして……終わりみたいな感じだった気がする。
親はあの子は本当に迷惑をかけてばっかりね、本当に面倒くさい子やら邪魔者が死んでくれて良かったみたいな言葉を言っていた。
俺にはもう関係ない事だ。だって今は”兄だから”。
時間が過ぎて行く事にわかった
本当に執着と期待を向けられる日々。
精神が壊れそうになったこともあったが、兄はこれを耐えて来たんだ…俺が頑張らないと…と。
ここまで成長した今じゃ兄と同じで頭もいいし。運動もできる。
そう自分が自分じゃないみたいに……。
俺は…俺はこんなことしたいの?違う、こんなことあれ、
おれ、わたしは…私は……いったい何を目指してるの?…あぁ、許しを乞うか……。
「おかえり。学校の勉強はどうだった?あと、体育では活躍できた?』
『あぁ、母さんただいま。成績今回も高いと思うよ活躍出来たし。』
「なら、良かったわーこれからももっともっと頑張って自慢の”息子”になってね。」
『…うん、俺頑張るね』
『兄ちゃんごめんなさい……私はこんなに辛い兄ちゃんを…蔑ろに……ぅぅ、』
誰か私を私として見て欲しいのは贅沢かのかな…?
“私”は許しを乞う
コメント
7件
今回も神作だね!!!! めちゃくちゃ良かったよ!!!! おぉ!!!良いですねぇ!!! 自らが望んでなるパターンが多いけど 呪いとして成り代わるのは マジで素晴らしい!!!(?) いやー…雰囲気も言葉も神ってる!!! あ、ヤバい!!!語彙力が…!!!(?) 次回も楽しみに待ってるね!!!!
雰囲気がめっちゃ好き過ぎる…
文章だいぶ変になったぞ?