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コメント
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「よかった…」
皆で安堵のため息をつく。
一応「エマを何とかする」ミッションは達成できたが、勿論このままでは帰れない。
「あとは任せよ!」
紅丸はメダルをYSPウォッチに勢いよくセットした。
「紅き一閃!どおおりゃああ!」
紅丸の本気の一撃が、メドゥーサを貫いた!
獅子王も勇んで続く。
「百獣ナックル!!」
通常のメラの時にも使い、ジンペイ達を苦戦させていた連続パンチを放つ。
メドゥーサに反撃の余地を与えず、間髪入れずにアマテラスがメダルをウォッチにセットする。
「灼熱地獄!」
地面から出てきた炎で、メドゥーサを囲んだ
どんどん、炎のおりが小さくなっていく
「ぐあっ!」
トリプルヒーローの必殺技を受け、メドゥーサは1回倒れかかったものの、
すぐに、何も無かったように起き上がった。
敵ながら天晴れ、さすがレジェンド怨霊といった所だろう。
ここで、九尾も参戦する。
「醜い姿に変えられた屈辱、はらさせてもらうよ!」
メダルをセットし、ナインテイルに変身した。そしてすぐさまメダルをセット。
ワーイ!英命実行!
「紫の舞!」
ナインテイルは技名通り舞うかのごとく空中でターン。そして鋭いキックをお見舞いした!
「僕もやります!」
リトルコマンダーも勢いに乗り、レーザー銃を構えてビームを発射!
「うぐくぅ…!」
メドゥーサが憎々しげに攻撃を仕掛けてくるHERO達を睨むが、紅丸、獅子王、舞神楽姫、ナインテイル、リトルコマンダーの5ヒーローは攻撃の手を止めない。
様々な攻撃を繰り出す。
「…!5人って!普通に戦隊ヒーローじゃん!!」
マタロウの目の輝きはしばらく止みそうに無い。
「ぐぬぬぅ…こざかしい!ならば、お前達に人間が『醜い欲望の塊』であることを教えてやろう!」
メドゥーサは高らかにそう言うと、浮き、体育館をさりげなく破壊して体育館の外に出ていった。
«ちょっと!体育館普通に破壊しないでよ!»
«それは後で!メドゥーサを追いましょう!»
アマテラスの中のアゲハの意思が叫び、コマが軽くツッコんだ後、皆はメドゥーサを追い、急いで外に出た。
メドゥーサは校庭の中央に浮遊していた。
紅丸「何をする気だ!」
紅丸が問う。
メドゥーサ「この学校では恋愛が禁止されていた!
つまり、ここには欲求不満からくる『行き場の無い思春期の衝動、いわゆるムラムラ』
が大きく渦巻いているのだーっ!!」
メドゥーサはそう叫ぶと、空に向けて大きく口を開いた。
メドゥーサ「思春期衝動吸引!!」
メドゥーサが大きく息を吸いはじめた。
一体何をするつもりなのか、皆の緊張が高まる。
すると、学園シティに散らばっている生徒達から、怪しいオーラが立ち上り始めた。
色々な所から立ち上るオーラは、メドゥーサの口に吸い込まれていく。
アマ「何が言いたいのかも何がしたいのかも理解できない…」
アマテラスが怪訝そうな表情になる。
すると、メドゥーサの体が少しずつ変形していく。
「…!?」
いよいよ何が起こるか分からない皆。こんな状況でも攻撃を仕掛けないのはヒーローのお約束だろう。
…そして!
驚くべき事態が発生した。
メドゥーサは蛇のような大きなとぐろを巻いた形
(形は具体的には言わないよ!)に変形し終わり、更に蛇そのものの手足であろうパーツが飛び出し、
上の部分、とぐろの先端がコブラの形になった。
目も気味悪い色で、唇も赤く分厚い。まさに化け物といった感じの…
ドグロス「シャーーッ!!」
魔獣『トグロス』の誕生だ!
…できる事なら誕生してほしくなかった。
ドグロス「う~~ん!ぉーっ!」
トグロスが大声を上げる。
よく分からないが、謎の衝撃波が発生。
その衝撃波で、妖怪HERO達の変身が解けてしまった!
どうやら妖気が吹き飛ばされてしまったらしい。
驚きの展開に、後ろで見守っていたマタロウとフブキが慌ててやって来た。
アゲハ「こんなのアリ!?…て言うか、えんら先生をこれ以上汚さないでー!!」
アゲハは泣きそうになりながら叫んだ。ジンペイも頷いている。
マタロウはトグロスを見上げてつい言葉を失った。
マタロウ「あの形…どう見ても…ウン…」
メラ「言うんじゃねぇ!それを言ったら負けだ…!」
何になぜ負けるのかはよく分からないが、メラがマタロウの言葉を遮る。
トグロスはこちらの慌てぶりも気にせず、建物を破壊していく。
さっき少し壊された体育館に、学園シティの建物。
トグロスはそれだけでは満足せず、とうとう本校舎の破壊を始めた。
生徒たち「わ~~っ!!」
当然だが、生徒達はパニックだ。
蜘蛛の子を散らすがごとく逃げていく。