TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「初めまして。榊と申します」



2人にも名刺を渡す祐誠さん。



「すごいんですね、榊さん。あの榊グループの社長さんなんて本当にすごい」



希良君が言った。



「彼は、理科の先生になりたいって頑張ってるんですよ」



私が言うと、



「理科の先生。それはすごいね。大学はどこに?」



祐誠さんが尋ねた。



「近くの東英大です」



「渡辺君は優秀なんだね。あの大学なら理系が強い。立派な理科の先生になれる。頑張って」



「あ、ありがとう……ございます。そうなれるように頑張ります」



何だか嘘みたい。



祐誠さんが希良君を励ましてる。



希良君も笑顔で応えて。



この空間、かなり不思議だ。



「じゃあ俺達は失礼します」



慧君は……



祐誠さんとは話さないんだね。



東堂社長と慧君は、みんなに挨拶してから先に店を出た。



それから、祐誠さんと希良君は、カフェの離れた席に別々に座ってパンを食べた。



そのうち2人の他にもお客様が来て、また少しだけ慌ただしくなり、気づけば閉店時間を迎えていた。



「雫さん、ちょっといいですか?」



「どうかした?」



カフェの片付けをしてたら、果穂ちゃんに声をかけられた。



「あの……」



「う、うん」



果穂ちゃん、いつもと様子が違う。



明るい笑顔が消えて、ちょっと……深刻そうな表情。



「昼間、みんなが集まりましたよね。榊社長さんとかイケメン大学生君とか……」



「そ、そうだね」



「雫さんって……あの中のいったい誰が好きなんですか?」



えっ?! いきなりの質問に驚いた。



「果穂ちゃん、どうしたの? 誰が好きって……どういうことかな?」



「この前、イケメン大学生君とここでニコニコ話してて、榊社長さんにはパンの配達もして。それに、慧さんとも仲良しで」



声のトーンがどんどん低くなり、果穂ちゃんらしさが無くなってる。



少し……怖いよ。



「私、イケメンの男性達に媚び売ってる雫さんのこと、見ててイライラするんですよね」



え……果穂ちゃん?



「雫さんって、「別に私は」みたいな顔して、結局いろんな人と仲良くして、ちょっとズルくないですか?」



「そんな……」



「本当にイライラします! ハッキリして下さいよ、雫さんは誰が好きなんですか?」



果穂ちゃん、怒ってるの?



こんな顔で怒るところは初めて見たし、急にそんなこと言われても……私はどう答えたらいいのかわからない。



だって、誰が好きかなんて、自分でも全然わからないんだから。



「果穂ちゃん、どうしてそんなにムキになって私の好きな人を聞くの?」



「雫さんがそんな態度なら、私、ハッキリ言います。もうずっと前から……」



強気な態度だったのに、言いかけて少し戸惑ってる。



「……わ、私、慧さんが好きなんです!」



えっ!? 嘘……本当に?



「果穂ちゃん……」



驚き過ぎて言葉が出ない。



「私……慧さんのこと、すごくすごく好きなんです。こんなこと誰にも話したことなかったですけど、雫さんの態度を見てたら、何だか腹が立って言いたくなりました」

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚