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頭痛持ちの、渡辺が唸っている。寝室で、シーツに包まり、カーテンを閉め切り、それでもズキズキする。ここにいない、若い恋人の名前を呼び、涙がポロリと出てくる。
渡辺ーラウ・・。
その頃、ラウールは、目黒の家にいた。
ゲームをしに遊ぶ予定でやって来た。渡辺の状態は知らない。
目黒ーラウ、翔太くん、何してる?
ラウーサウナじゃない?
目黒ーなんか、違う気がする。
ラウーいくら、めめでも、翔太のこと考えすぎたらだめ。
目黒ー電話してみろ?
ラウー・・・・出ない。やっぱりサウナだよ。
目黒ーだと
いいけど。
それから、2時間くらい遊んで、その間に晩ご飯も食べ、ラウールは、渡辺の家に向かった。
ゲームで目黒に勝てたこと。
晩ご飯が、美味しかったこと。
スタジアムライブの楽しかったこと。などなど話して帰って来た。
玄関に入ると静かである。
寝てるなら、寝顔だけ見て帰ろうと、寝室に入る。
シーツの塊から唸る声。
ラウー翔太!
シーツを剥ぐと、青白い顔色なのに、汗をかいて涙も流している。
ラウー翔太!頭痛?
渡辺ーラウ・・薬・・。
ラウー待ってて。
いつもの場所にピルケースはあるが中身がない。
薬が切れたのだろう。
ラウールは目黒に電話した。
ラウーめめ!翔太が!
目黒ーどうした?
ラウー酷い頭痛みたいなんだけど、薬が切れてないんだ。病院に行きたいけど、俺、免許ないし。
目黒ーすぐ行く。
ラウールは渡辺の汗を拭き、病院に行くからと言っている。
目黒が迎えに来るまで、頑張って。渡辺は、弱く笑いラウールの手を握る。安心して眠ってしまった。
少し経って、目黒がやって来た。
ラウールと、付き合う前まで目黒が病院に連れて行っていた。
ラウールはシーツで渡辺を包み、抱き上げて、目黒の車に乗る。
時々来るから、看護師も覚えている。
看護ー今夜は目黒さんだけじゃないんですね。頭痛ですね、点滴しますね。1時間くらいかかりますよ?
渡辺は点滴のおかげで穏やかに眠っている。
ラウールは、ポロポロ泣いている。
ラウー青白い顔して、汗いっぱいかいて、泣いてた。俺、遊んでた。
目黒ー知らなかったんだから。
ラウー免許ないから、めめに頼まなきゃいけないし。なんか悔しい。
目黒ー今日みたいな雨の日は、頭痛するみたいなんだ。
ラウーやっぱり、長年の友達のこと、よく分かるね。
ラウールは軽いヤキモチを妬いている。目黒には、阿部がいるが、渡辺とラウールのことは内緒。
この間も、ヤキモチ妬いて、渡辺に酷いことした。
自分はまだまだ子供だなと思う。
渡辺ー目黒?・・病院?
目黒ーん、ラウと2人で連れて来た。
渡辺ーラウ・・ごめんな。
ラウー翔太、ごめんなさい、遊んでて。翔太はサウナに行ってるって、勝手に思ってた。
めめは分かってたんだね?
付き合いも長いし、何度も病院に連れて来たことがある。
ラウールに、渡辺のことをもっと知ってもらいたい。
目黒は頭痛で唸っているだろう渡辺を思いながらラウールと遊んでいた。