先生の引っ越しは終わって、俺は前と変わらない日々を過ごした。
けど先生は本当に夜、俺の家に帰ってきてくれてご飯を食べたり、先生の家に誘ってもくれた。
そして、今日も行く予定にしている俺はノンアルコールの酎ハイをスーパーで買って持って行く。
それと家に前からあった親が急に帰ってきた時に買って残していったをほとんど同じパッケージのアルコール入りのものもしっかりとカバンに用意して。
賞味期限が近いそれを片付けようとした時にふと思い出したのだ。
先生がお酒を飲むと抱きついたりすると言っていたことを。
「おじゃましまーす!」
「いらっしゃい、今日は餃子焼いてみた」
冷凍餃子が上手に焼けたと嬉しそうな先生に賞味期限が近いから持ってきた、と見せてコップに注ぐ。
「俺も飲もうっと」
「お酒はだめだよ?」
「これノンアルコールだから!」
もちろん先生のはアルコールが入っているけど、じゃあいいかなって2人で乾杯する。
「これおいしいね〜」
「餃子もおいしい!」
なんにも知らない先生はどんどんお酒を飲んでいく。
しばらくして、ふと見ると先生の顔は少し赤くて目がとろん、として眠そうだ。
「これ、本当にノンアルコール···?なんかふわふわする···」
「大丈夫?寝室行く?」
「ん〜そうするぅ···立てないから連れてってぇ···」
ふにゃふにゃになった先生に手を貸す。これは他の人の前では飲ませられない···だってとにかく無防備で仕方ない。
こんな姿を見られてラッキーと思っていた俺は新しく買ったばかりのベッドに先生を座らせる、と、その時、先生が俺に抱きついてきて体勢を崩して先生を押し倒す状況になる。
「うわっ」
「ふふ、あったかーい」
この前と同じ状況だけど、先生から抱きつかれて動けなくなっているのは俺で···ドキドキと心臓がうるさい。
「酔ってる、ね···」
「んん?酔ってないよ〜だってお酒じゃないからねぇ」
そう言いながらも先生の手は俺の背中を撫でるように這う。
これ以上この体勢でいると本当に理性が切れそうで離れようとする。
「だめぇ···もっと···」
「ちょっと···んっ···!」
先生が俺を抱き寄せて、気付けば唇が重なり先生の顔が目の前にあり気持ちよさそうな吐息が漏れる。
「ん、ふぅ···」
しかもそれは軽いキスじゃない···唇を吸われて先生の舌と俺の舌と触れ合うような···えっちなキスで、俺はなにも考えられない。
ただ先生にされるがまま、その感触を感じる。
「はぁっ····先生···?」
ようやく唇が離れて抱きしめる手から力が抜けたと感じて名前を呼んだけど腕の中の先生に反応はない。
「え、寝てる?嘘だろ···?」
気持ちよさそうに眠る先生を見て俺はどうすることもできない。
「酔ったら抱きつくしキス魔ってこと···?しかも寝るの?」
そっと離れて布団をかけて、テーブルを片付け、空き缶を回収して、鍵を閉めて家に帰る。
寒い外気が火照った身体にはちょうどいい。さっきまでズボンの中が痛いくらいだったから。
理性を保った自分を褒めてさっきの先生とのキスを思い出す。
「可愛すぎる···しかも、えろ···」
暫く身体の疼きは1人でシても消えないかも···先生への想いが募り頭から離れない夜になった。
コメント
17件
お酒ってすげぇ………。めちゃくちゃかわいい

酔っちゃうといきなり抱きついちゃったりキスしちゃうの可愛すぎる🫠 若井くんとどまったの偉すぎるよ🥹 ドキドキです。続きが楽しみです✨
💙にとってはめちゃくちゃ刺激的な夜になりましたね🤭 こうやって、ちょっとづつ距離感が近くなるの、好きです❣️