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推しには近づくな!

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推しには近づくな!

5 - 推しへの心配と不安

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2022年09月12日

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前回のあらすじー…なんか、コスプレしてと言われました。以上。

episode5

ということで今、眼鏡くん(尚くん)の家に来ています。

類さんにはまた後で説明しよ…。

「っていうか、ショウくんのコス衣装、持ってたんだ…。」

尚くんはクローゼットをゴソゴソと漁りながら頷く。

「姉がコスプレイヤーで、ショウくんの衣装作ったらしいんだ。元々僕に着させるつもりだったらしい…。確か、ここに… あった。」

タンスの中からひっぱりだしたのは、まるで魔法少女が着るような衣装だった。

「え、待って、俺これ着るの!?」

「?そうだよ?」

なに当たり前の事言ってんの?って顔するな…!マジか…。

「じゃあ、着換え終わったら言ってね。」

尚くんはそう言うと部屋から出ていった。

いやいや…嘘でしょ…

まず、何処から着ればいいんだ?…よく見たらズボンになってるんだ…。すげぇ…よく作れるな、こんなの…。

って、俺は何してるんだー!


✿✿✿✿

家に帰れば、推しがいる。

今でも信じられない…。ショウにゃんが僕の家に居るなんて…!最高通り越して何がなんだか分からない感情になってきている。

スマホに写る時計は午後四時となっており、ワクワクが重なる。

「確か…ショウにゃんは十分くらいに帰って来るんだよね…。」

「何ニヤニヤしてんだ…?類。」

話しかけてきたのは中学からの友達、匠だった。

「なんでもねーよ。」

「なあ、このあとどこ行く?」

「俺はパス。」

「類が!?何で!?」

「今日は急いで帰らないとなの。んじゃね。」

「え!?ちょ、待てよ〜!」

「俺以外にもいるだろ〜」

落ち込んでる匠を置いて、家へ向かう。

ショウにゃんの方が大事なの。そうだ、帰りショウにゃんに何か買って帰ろう。


コンビニに寄り道し、スイーツを買い、家へと戻る。

時刻は四時十五分を指している。

ショウにゃん、もう帰ってるよね。あ〜…幸せだ〜…。家に帰ったら推しがいるとか…!ヤバすぎだよ〜…。


「ショウにゃん!ただいまー!」

シーン………。

反応がない。確かに四時十分は過ぎてるのに…。

「ショウにゃん…?」

✾✾✾✾✾

「めっちゃかわいい〜!♡天使降臨だよ〜!」

あれから、俺は衣装に着換え、尚くんのお姉さんに見てもらうという謎の行為を行っている。

「サイズも合ってるみたいだし、俺帰ってもいいすか…?」

「え〜。」

「姉さん、帰してあげなよ。写真いっぱい撮ったでしょ。」

「ん〜…そうね。笑くんありがとね。こんな弟のために。」

「いや、いいんすよ。もう俺尚くんの友達みたいなものなんで。」

「!…あ、ありがとう…///」

尚くんは少し照れた様子で俯く。

「なーに、照れてんのよ!この子ね友達出来たこと無いから、嬉しいのよ。」

友達…確かに、普通に口走ってしまったけど、俺も友達出来たことないんだよなー…。

まあ、言わなくていっか。

「んじゃ、麻衣ちゃんにはこの格好で会いに行けばいいんだな。」

「麻衣ちゃん…?尚、誰?」

しまった、秘密だったか…!

「あー…ま、麻衣ちゃんもコスプレが趣味で、さ、参考にしたいってー…な!」

目線で尚くんに必死に合わせるよう訴えると、尚くんはそれに気づき、激しく頷く。

「そ、そうなんだよ!麻衣ちゃんが、ぜひ、作ってみたいって!」

「そう…。」

なんとか納得してくれたみたいだ。

「んじゃ、俺は帰りますね!」

これ以上居座ると何を喋るかわからない。早く帰ろう…。

「わかった。じゃあ、脱いだらまた教えて。」

そう言うと尚くんとお姉さんは部屋を出ていく。

さて、着替えるかな…。…なんか忘れてるような…。


「お邪魔しました!」

「はーい、気を付けて帰ってね。」

「はい!ありがとうございます」

そう言って、猛ダッシュで類さん家へと向かう。

やばいいい!時間過ぎてるううう!

コスプレに熱中しすぎて、もう時刻は5時を指していた。

走れええ!もげるまで動け、足!

記憶力には自信があるから道はわかるが…。

やばいやばいやばい!類さん絶対お腹空かしてるよ!わかるもん!なんか!

「くっそ…俺が時間気にしてれば…!」

…でも待てよ?…類さんならワンチャンコンビニでなんか買ってそうだな…。

なら、大丈夫か…?

ー『ショウにゃんは僕の生きる理由なんだよ。』

いや、駄目だ!走れえええ!

すると道が開けた所で、男子高校生がウロウロしているのが見えた。

間違い無い。

「類さん!」

その男子高校生は、ゆっくりとこちらに振り向くー…

その顔に見覚えがある。

「ショウにゃん!」

類さんは泣きながらこちらに走ってきた。

もしかして類さん、俺のこと心配してくれてた?

頭を引っ叩たかれると思い、体をできる限り丸くする。

その瞬間、全身が優しさで包まれるような感覚になった。

「る、類さん!?」

類さんは力いっぱいに俺を抱きしめると、俺の肩が濡れていく。

「良かった…良かった…!どこ探しても、ショウにゃん、いないから。俺、すごい心配して…!」

…確かに、体が冷たい。

「…ごめんなさい…。」


「友達の家?」

類さんにあらかじめ、事を話した。

「うん、急遽行くことになっちゃって…。」

すると、類さんは浅く俯き、目線を逸らした。

「…類さん…?」

「…俺よりも友達優先なんだね…。」

「え?」

「あ、ごめんね。お腹空いたでしよ?それとも先にお風呂入る?」

「じゃあお風呂で…。」

「はーい!」

さっき何か言ったような…。

脱衣所に行く類さんの背中を見る。

気のせいかな、類さんの背中が少し寂しそう…。


「え?今、何て?」

「今日みたいなことが起きないように、スマホ、ショウにゃんに持たせようと思って!」

風呂に行く途中、類さんに呼び止められたと思うと、急にそんな事言い出した。

いやいや、スマホって…。

「ただ、申し訳ないんだけど、近所のスマホ店が今休業中で…。俺のお下がりになるんだけど…。」

何でそこまでするんだよ…!

「いや、スマホは要らないって!明日からはちゃんと時間通りに帰るから!」

「ええ〜…。」(早く帰ってほしいとき連絡出来ないじゃん…。)

ええ〜…って、俺信用されてない?

もう、俺の歳でもスマホを持っている人が多く、多少の憧れはあったけど…

流石に…

「流石に、スマホは大丈夫…。」

すると、類さんは頬を膨らませた。

「だーめ!ショウにゃんは反省してないの?」

「いや、反省してないとかじゃなくて…」

「じゃあ、スマホ持って!僕、また今日みたいな日があったら…」

…類さんは泣くほど心配してくれてた。

確かに、そういう考えに至るのも仕方ない。だったら…

「わ、分かった!持つ!持つよ…」

類さんの顔がパアっと明るくなる。

「本当!?良かった〜!」

仕方なしにだけどな…。

あれ?そういや、尚くんもスマホ持ってたっけ…。友達だし、連絡先交換したいな…。

「ねえ、類さん」

「何?」

「俺の友達もスマホ持っててさ、連絡先交換したいんだけど、いい?」

「友達…?」

「え?う、うん。」

何だ?類さんのテンションが格段に下がったぞ?

「…駄目だよ…。」

「え?何で?」

「これは、僕とショウにゃんを繋ぐ物だよ?その中に関係ない人を入り込ませたくないよ…。」

「え…で、でも…。」

すると類さんは立ち上がり、そっと俺の肩を掴む。

「る、類さん…?」

「ショウにゃんはその子に気があるの?」

「は!?そんなんじゃねーよ!ただ、友達で!もし、またコスプレすることが…あ。」

あ、やべっ…。

「コスプレ…?」

どうした…俺…最近口を滑らせることが多いぞ…。

ってことより!

「ショウにゃん…コスプレしてるの…?その友達の前で…?」

「ち、違くて…!その友達がコスプレ用の衣装作ってて、俺手伝ってて…!」

「ショウにゃん」

「はいっ!」ビクッ

すると、何故か類さんは優しく微笑んだ。

「そういうことか…なら、仕方ないね。」

…ホッ…安心安心。

「でも…」

「え?」

「念の為、調べさせてもらってもいいかな…?」


え?

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