コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「調べるって…どういうこと?」
episode6
類さんにいつもの笑顔はなく、どちらかとういと不気味な笑顔だった。
「言葉の通りだよ。ショウにゃんが何かされてないか、確認するの。」
「いや、何もされてないよ!」
俺は少しずつ後ずさるが、類さんはそれ以上に俺に迫る。
「ショウにゃんに何着せたの?脱いでるところ見られたの?どこか触られた?」
「だ、大丈夫大丈夫!大丈夫だから、お風呂行ってきま〜す…」
「待って。」
類さんは力強く手首を掴んだ。
やば…い…。
俺殺されるの?それとも監禁!?どっちにしても怖い…!
類さんはそっと俺を抱きしめる。
「え?」
「ショウにゃん、もう大丈夫だよ。」
そう言いながら、優しく頭を撫でる。
…え?今これどういう状況?
何か抱きしめられるわ、頭撫でられるわでどういうこと?
「類さん…?」
すると服の中に何かが入ったかのようなもぞもぞとした感覚になる。
「え!?///」
よく見ると服の中に類さんの手が忍び込まれていた。
「ちょっ…!///」
思わず背中が仰け反る。
類さんを必死に離そうと押すが、こしょばゆくてうまく力が入らない。
まずいまずいまずい!
類さんの手はゆっくり深く、服の中を彷徨う。手が大きいからか、余計に…
「類さん…!///」
そして次第に服が上へと上がっていく。
これって脱がされているんじゃ…!?///
このままだとまずいな…。
「た、助けて!///」
思いつきでそう叫ぶと、類さんはビクツとし、体が離れていった。
た、助けてはまずかったか…?
見上げて類さんの顔を除くと、びっくりしているような寂しそうな顔をしていた。
「何で…?」
「ごめん!ごめん!ショウにゃん!その、怖がらせて…ホント…ごめん…。」
「え、いや…いいけど…。普通にびっくりしたっていうか…。」
「何か僕おかしいね最近…。ホントごめん。」
「いや、全然いいけど…。疲れてるなら休んでね。」
「ショウにゃん…!✨天使!!」
「でも今後はやめてね」
「え…うん…。もちろん。」
絶対だぞ!?
でも確かに類さんなんか疲れてるよな…。ストレス?っつーか、なんというか…。
高校でいろいろあるのかな…。
「なんかあったの?類さん」
「え?」
「だって、疲れてる顔してる。」
「そうかな…ショウにゃんのことが心配すぎて疲れたのかも…。」
「え!なんかごめん…!」
「ち、違う!ショウにゃんのせいってわけじゃなくて…!」
「ははw、わかってるよw」
「!!///」
「じゃ、風呂入ってきまーす!」
(…あれ…?///俺はショウにゃんが好きなんだよな…?)
「はあ〜…落ち着く〜…」
…じゃねーよ!待って!普通に流したけど、結構今さきの状況やばかったんじゃ…!?
だって体触られて、脱がされそうになって、それから…
「うわあああああああ!やめだやめだ!思い出すの禁止!!///」
何だ?この感覚…気持ち悪いよ!何なんだよ〜!類さーん!
と、とりあえず、いつも通りに過ごそう…!いつも通りに…!
何で…だろ…
「ショウにゃん、おかえり。」
「上がりました。」
類さんは至って普通で、俺ばかり意識してるみたいな…。
なんだよそれ。
「類さん、俺もう寝ていい?すげー眠たくて…」
「うん、いいよ。歯磨きする?」
「うん。ごめんありがとう。」
普通だな〜…気づいたらベッドの中だし。てか、あんな風に男に触られたの初めてなんだけど…。変に意識しちゃったし。
ホント、変な話だな〜。全部夢だったりして…。
明日はじーちゃんの見舞い行かなきゃだな〜。それから…、えっとー…
✾✾✾✾✾
「ショウにゃん…?」
数時間して部屋に行くと、ショウにゃんはもう寝ていた。
寝顔もショウにゃんそっくりだなー///。
10年ファンを努めて来た俺でも、本当にショウにゃんなのではないかと疑ってしまうほどそっくりで、
最初出会ったときは画面の中から出てきたのかと思った。
ちょうどその日は活動休止から復活したばかりだから、余計愛おしく感じた。
だからかな…
あの時、ショウにゃんが友達の前でコスプレしたって聞いたとき、猛烈な不安に駆られたんだ。
その事を利用して、ショウにゃんに何かしようとしてたのではないか
ショウにゃんが離れて行くのではないかって。
でも、だからってあんな事していいわけないのに。
「ごめんね、ショウにゃん…。」
そっと頭を撫でる。
これぐらいは許してね。
これからは我慢を覚えよう!ショウにゃんのためにも、この関係のためにも!!
そう決意してから、ショウにゃんに背を向けて隣に寝転ぶ。
やっぱ緊張する〜!!///
隣で寝ることに緊張感があるっていうか…!、今日でまだ2日しか経ってないんだよ!!緊張するに決まってる!!
1日目なんかは心臓飛び出るかと思ったし…!!!
ショウにゃんのためにも大人っぽく振る舞わないと…。
するとそっと背中が温くなる。
!?///
こ、これ多分、ショウにゃんが抱きしめてるんだよね…?!←確認出来ない
うわっ///どうしよ、汗かいてないかな…///
「…じーちゃん…」ボソ
不意にその言葉が聞こえた。そして、俺の心の底に突き刺さった感覚に陥った。
…分かってた、ことなんだ…。ショウにゃんには家族がいて、俺よりも大切な人がいて…
そしていつか、離れていく。
分かってたんだけどなー…。
…夜は長いねショウにゃん。