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小さい頃母に聞いた昔話のおとぎ話というやつだ。母はよくこの話をしてきたのだ。魔女の話だ。「ある魔女はずっと孤独でした。魔女は変貌してしまいました。魔女は仲間を作りました。」
と。その仲間というのは奇形ということだろうか。それとも姿形が同じ者たちなのか。幼いながら絵本に描写しれた絵にはあまりにも不気味で黒のクレヨンで塗りつぶされるような姿をしていたのだ。その魔女の仲間の孤独なお話をよく話してもらっていたのだ。
「結斗、私たちの戦争はまだ、終わることは無いんだよ。これは私たちが起こした戦争なんだ。」
そう言う母の瞳は真剣であり戦いを一度経験したことのあるような人でした。母の寂しさを知っているのは自分でした。
「魔女は孤独でした。」
「魔女は孤独でした。」
私は未嘉未槻 無永。無永は茶髪のポニーテールに少し目つきの悪い赤い瞳、田舎っぽさの滲み出る制服を着ていた。西暦3xxx年、私は東側諸国の本国守戸区の祖父の家に住んでいる。祖父の家と言っても祖父は半年前に亡くなっている。祖父の家には誰かいるわけでもなく1人で住んでいる。外は相変わらず日光により生物が生きるのに厳しいような暑さが続く中区内は紫外線を通さないUVバリア防壁により守られている。だが区内を出るということは自殺行為である。局地的な暑さと紫外線の強すぎるあまり人間の肌は生身では焼け焦げてしまう。外で生き残っているヤツらはほとんどいないだろう。水は人工水で作っているためまだいいが。そんな不安も募る中無永は母の呼び出しにより実家の東区へと行くため東守線の電車に乗る。電車はゆっくり発車した。東区は俗に言う『大都会』というやつだ。守戸は農業地帯のため実感のないところだ。そう思いながら電車の窓を覗く。農業地帯のため田舎から都会へと物資を運ぶ通路開拓により一本で乗れるのはありがたい。そう思いながら飲料食品を食べながら窓の景色を見る。砂漠化は進行していってるのは分かった。電車の窓もかなり加工が施されているが窓を見すぎると日焼けしそうなのでカーテンを閉めてスマホをいじる。そうしていると急に衝撃音とともに起きな揺れが起きた。電車は横倒しになり停車した。辺りか警報が鳴り響く。警報音がうるさい。意識が薄れる中そう思った。目の前には狐の奇形が立っていた。
「結斗副隊長!!!少女が倒れてました!!」
攻撃班の班員の大きな声で結斗は後ろを振り返る。
「わかった。すぐに向かう。」
結斗は電車の残骸があり、無造作に引きちぎられた奇形の死体を軽く蹴ったあと部下の方へと行く。結斗の身なりは黒縁眼鏡をかけた紺色の髪で真面目そうな顔をした少し少年風の青年。真っ黒の服の砂埃を軽はらい少女の方へと行く。
少女は、地面に倒れ込んだまま意識を失っていた。何かおかしいと思ったのか結斗は少し考えていた。
「結斗副隊長?この少女がどうかしたのです?」
「いや、なんでもない。気のせいだ。」
結斗は少し曇った声で話を濁した。結斗は現場処理を修復班に任せて少女、そう無永を運び出す。現場はほとんど奇形に食いちぎられた人の死体があるなか一人だけ無傷な無永と言う少女を背中に抱えながら結斗たちは帰還したのだった。