医者パロ、、、?
❤️✖️💛
「小児病棟の女神」
地雷は↩︎
大丈夫な方だけどうぞ
ずきずきする頭を押さえて、病室を飛び出す。
本当にあのクソじじいどもは。俺だってプライベートってもんがあんだよ。
何でこんなに怒っているのかと言うと、この日は無理だと事前に伝えていた日に手術を入れられたからだ。
もう変更は無理らしく、流石に命を放棄することはできない。
なんでも、患者が俺じゃないと嫌だとか言ったらしい。嘘だろ。
きっと誰も空いていなくて、犠牲にするなら俺だ、と勝手に決めたんだろう。
俺はこの病院の医師の中でも若手だけど、あのジジイ達よりも仕事が多いから憎たらしいんだろう。
それに俺はある程度の腕はあるが、気に食わないことには相手が目上の人であろうとも反発するから。
“モンスター”なんて言われて、みんなに怖がられている。
その証拠に、さっきからすれ違う人全員が俺を見て怯えたように道を開ける。
そんなちょっとした態度にもイライラが増して、ちっ、と舌打ちがでる。
病棟の入り口から渡り廊下のようなところを通り、隣の病棟へと入っていく。
可愛らしい絵が描かれている自動ドアが開くと、そこにあった光景にほっと力が抜ける。
「あ!もときせんせぇー!」
名前は覚えていないが、いつも俺に絡んでくるチビが、ぱっと顔を明るくした。
その声につられて、チビ達が揃ってこっちを見る。
そして、真ん中に座って、チビ達にぎゅうぎゅうにされている可愛げなエプロンを着た青年が振り返る。
「いらっしゃい、元貴。」
こちらを見て、ふわっと笑った。女神だ。病院には合わない鮮やかな色のさらさらした髪と、幼児に懐かれそうなふわふわした笑顔で、周りにお花が見える。
これが俺の職場での唯一の癒しだ。
ここは、小児病棟。入院する必要のある子供達が、明るく健康に過ごせるようにするための場所だ。涼ちゃんは、幼稚園生や、小学校低学年のお世話をしている。
涼ちゃんと、その周りでぎゅうぎゅうに集まるチビ達の姿は、もはや天国だ。同じ職場だとは思えない。
ふらふらした足取りで、近くまで行き、涼ちゃんに背中から抱きつく。
重いよー、なんて笑いながら受け止めてくれる。
「もときせんせぇ、おねむ?」
興味津々にチビ達が尋ねてくる。取り繕うこともないから、そのまま答えた。
「そうだよー、勝手に仕事入れられてね。涼ちゃん先生に癒されに来た。んー、すきだよー」
そう言って、涼ちゃんの背中に頭をぐりぐりする。ちょっと、と抵抗の声が聞こえたが気にしない。
「りょーちゃんせんせぇ!」「すきー!」
そんな俺たちが羨ましかったのか、チビ達が我先にと涼ちゃんにしがみつく。
ちょっと、俺だけの涼ちゃんなんですけど。まあ、相手は子供なので許すが。
そんな感じで、幸せに浸っていると、自動ドアが開く音がした。
「おい、元貴、何してんだよ。」
馴染みのある声に振り返ると、呆れたような顔の若井が立っていた。
こいつは若井滉斗。俺と同じ内科医だ。
「なんかさ、先輩達怒り狂ってるんだけど。」
こいつは、俺と同じく、若くて腕のある医師だが、人柄がいいのでジジイ達にも好かれている。まあ、本人は好かれたくもないかもしれないが。
「元貴はどこだ、って。俺、休憩中なのに探してこいって言われたんだけど。」
「んー、俺は涼ちゃんに癒されるのに忙しいから行けないかなー」
「元貴ダメじゃん、行かないと。」
「うんうん。涼ちゃんすきだよー、」
「もう、」
休憩中にも関わらず探してくれた若井には悪いが、見てわかるように、俺は忙しいんだ。
涼ちゃんに癒される時間をジジイ達に一ミリたりとも上げる気はない。
「わかいせんせえ!!」
イケメン若井が大好きな女の子達が、若井の周りにむらがる。
涼ちゃんが、相変わらずモテモテだね、なんて言いながら笑う。
「ほらー、若井も癒されよーぜ。」
お前なぁ、なんて言いながらチビ達を抱っこしてニコニコしている若井。やっぱりお前もこの雰囲気には負けるかなんて回らない頭で考える。
なんだか、ふわふわしてきたな。涼ちゃんって、手は冷たいのに背中とかお腹とかあったかいんだよな。
あー、なんか若井が喋ってる。涼ちゃんも喋ってる?もう瞼開けらんない。ああ、幸せだな。
そうして俺は眠りについた。
目を開けると、見慣れた天井が視界に入る。家に帰ってきたみたいだ。
「あ、元貴起きたー?」
ソファー越しに涼ちゃんの声が聞こえる。
「もう、あのまま寝るもんだから、連れて帰るの大変だったんだからね。」
そっか、俺寝ちゃったんだ、何でだっけ?涼ちゃんがあったかくてか。あ、そう言えば。
言わなければならない重要なことを思い出して、涼ちゃんに改めて向き合う。
「連れて帰ってくれてありがとう。、、、あのさ、明日の記念日、仕事入れられた。ごめん。」
そうなんと言おうと、今回こんなことになったのは、俺たちの記念日にクソジジイが俺に仕事を押し付けたからだ。
涼ちゃんは少し視線を落として悲しそうに呟いた。
「、、、若井に聞いた。しょうがないよ、仕事優先だもん。」
そんな涼ちゃんを見てられなくて、ぎゅっと抱きつく。
「本当にごめんね?あのクソジジイ達のせいで。いくらでも文句言っていいから、ね?」
涼ちゃんは俺の背中に手を回して、背中にぎゅっと縋りついた。
「、、、さみしいじゃん。ばか。」
精一杯の悪態をつく涼ちゃんが愛おしい。
顔を上げた涼ちゃんの顎を掴んで引き寄せる。潤んだ瞳と視線が交わる。
頭を一撫でしてゆっくりと綺麗な柔らかい唇にキスを落とす。
「んっ、ちゅ、んむ、」
触れるだけのキスを角度を変えて何度もする。くぐもった声を出すのが、たまらなくかわいい。
「っは、、、ね、もっと、」
顔を離すと、物欲しそうにこちらを見つめて、可愛らしいおねだりをする。
ほんと、煽るのだけは上手なんだから。まあ、そういうところも好きなんだけど。
涼ちゃんの手を取って指を絡める。
「明日できない分、今日楽しもっか?」
続く、?次🔞
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続きが楽しみ!