テラーノベル
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「氷織ー!朝ごはん! 」
「…はーい」
今日から、高校1年生。長い春休みが明けて、起きるのが少し憂鬱だ。
「氷織、俺入学式行くから」
「いや、来なくていいって何回も言ってるよね」
「妹の晴れ舞台なんだ。行くに決まってるだろ?」
「晴れ舞台って…」
兄の吏温は大学生だ。今日は午後からの授業だから私の入学式に来る気マンマン。だけど、私は正直来て欲しくない。なぜか?吏温は私と違って容姿が整ってるから。うるさくなったら申し訳なさで消えてしまいたくなる。
「もうこんな時間。いってきます!」
「ちゃんと行くからなー!」
何を言っても意味が無いとわかったので、とりあえず無視することにした。
「おっはよ!氷織」
「おはよ、芽依。髪型変えた?似合ってるね 」
「さすが氷織。高校デビューだよ!」
小学校から幼なじみの名執芽依。家が近いからと、勉強を頑張ってこの東条高校へ入学した。とても努力家な女の子だ。
「氷織も髪の毛セットしたら良かったのに。巻くぐらいならしてもいいじゃん」
「そういうのよくわかんないし」
「せっかく新入生代表で挨拶するのに?」
「別にいいよ」
あぁそうか。吏温が晴れ舞台と言った理由がわかった。私が新入生代表で挨拶をするからだ。でも、新入生代表と言ってもそんなに大差ないし、予め用意された原稿を読むだけなのだが。
「私たちのクラスは…1組だね」
「成績優秀クラスじゃん!やったね!」
勉強が嫌いな芽依が頑張ってこの学校へ入学し、さらに成績優秀クラスになったのだ。今の私より芽依の方がよっぽど頭がいいだろう。
入学式は何事もなく進み、私たちはそれぞれの教室へと戻ろうとしていた。その時、声をかけられた。吏温でもない、知らない男子に。
「北条氷織、だよね」
「…そうですが」
面識のない人にいきなり声をかけられるという謎展開に困惑しつつも、ここは冷静に対応する。
「躰道、しませんか!?」
「…躰道ってなんですか?」
男子は丸い目をさらに丸くさせ、なにか考え込み、もう一度私を見た。
「どうしたの氷織。知り合い?」
「ううん。なんか、躰道しないかって言われて」
「タイドウ?部活にあったね、そういえば。勧誘されてるじゃん笑」
「私、部活する気ないので」
「いや、俺、あなたを探してて…!」
私と芽依はその男子を振り切って、教室へ戻った。
「よかったの?氷織」
「知らないよ。私は、躰道なんて知らない 」
「…そうだね」
コメント
1件
おお…読み終わったよ〜第1話、すごくいい雰囲気だった📖 氷織と吏温お兄ちゃんのやりとり、リアルな兄妹って感じでほっこりした。新入生代表なのに軽く流す感じとか、入学式終わりにいきなり「躰道しない?」って勧誘されるところ、ちょっと謎めいてて気になる展開だよね…! 芽依の明るさもいいアクセントになってて、これからの人間関係どう動くのか楽しみ。続き、ちゃんと読ませてもらいますね🌙