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門番「新入生ですね?ようこそ、ではこちらにお名前をお書き下さい」
遅刻はなんとか免れることができた、彼らもほっとしたようで、私の名前の下にそれぞれ自分の名前を書き、門をくぐった 。
校長「新入生諸君、ようこそ燈湎魔法学校へ!」
入学式にて、校長の圧倒されそうな声が舞台館内を震わせた。
校長「諸君らは魔法技術、身体能力、さらには生徒同士での絆と競争心を磨き、心身の成長を目標とする!」
校長「そしてこの六年間の間、誰一人欠けぬよう、無事学校生活を過ごせることを願う!」
校長「私からの挨拶はこれにて以上とする!」
挨拶が終わり、私たち新入生の拍手が響いた。
教師「では、新入生諸君は組み分けのための儀式を行います。鏡の間へ移動して下さい」
女性教師に案内されたのは、大きな鏡が一つだけ置かれた薄暗い部屋の前だった。
教師「一人ずつ名前を呼びます、部屋に入って鏡の前に立って下さい。勇!」
勇「は、はい!!」
一人呼ばれた生徒は、教師の声にびくりと体を震わせ、怖気付くように部屋に入って行った。
教師「カゴメ!」
カゴメ「はい!」
数十名の生徒が組み分けを終え、ついに自分の番になった。
鏡の前に立つと、目の前に映し出された自分の姿が歪み、山羊の頭蓋骨のような頭に、鷹のような翼を生やした西洋風の大男が現れた。
鏡「汝の名を述べよ」
カゴメ「か…カゴメ、です…」
低く唸る、地獄のような恐ろしい男の声に、思わず言葉が詰まってしまった。
鏡「カゴメ…」
男はしばらく腕を胸の前で組み、何かを考えるような仕草をした後、ゆっくりと口を開いた。
鏡「カゴメ、汝の学組は…似だ」
カゴメ「…い?」
教師「…全員、組み分けは終わりましたね?では監督生の指示に従って、各教室へ移動して下さい」
どうやら燈湎魔法学校では、学年ごとに 以(い)、呂(ろ)、波(は)の三つの組があるらしい。
それぞれ生徒の性別、人格、属性、魔力、身体能力等からバランスよく振り分け 、平等に学校生活を送れるように管理をしているらしい。
?「以組の人は全員俺の前に集まってくださーい!」
阿形「俺たちの組だ!」
隈取「おう!早く行こうぜ!」
…まさかさっきの二人も同じ組になるとは思わなかった。
?「これで全員かな?じゃあ自己紹介するね」
おかめ「俺は六年以組の監督生、おかめだよ、よろしくね」
私たち以組の監督生、おかめさんは優しそうな口調で自己紹介をしたあと、教室までの案内を始めた。
おかめ「この絵画の廊下を通れば一年生の教室だよ」
おかめさんを先頭に歩いて行くと、絵画が並んだ長い廊下にたどり着いた。
女性の絵画「あら?あらまぁ、また沢山の若い子たちが来てくれたわぁ」
双子の絵画「「私達とおしゃべりしましょう!」」
龍の絵画「人の子よ、ちとわしの話を聞いてくれぬか?」
廊下の絵画たちは、雑談や自慢話、自身を描いた作者の話を思い思いに口に出し始めた。
おかめ「ここの絵画たちはおしゃべりだからね、暇なとき以外は話しかけない方がいいよ」
おかめさんの言う通り、一度話を聞き入れてしまったら、日が暮れても返してくれなさそうだ。
?「カーゴーメー!!」
遠くから走る足音と聞き覚えのある声…なんだか嫌な予感がして振り返ろうとすると、背中に強い衝撃が走った。