「…取り敢えず入ってみるか……」
「待って」
黄色い彼は、提案と同時に進ませようとしていた足を、静止の一言で止められる。
「なんやコンちゃん」
「中に何があるか分からないのに入るのは、流石に無計画過ぎるんじゃない?」
僕らまだ高校生だよ?と言う彼からは、先程のヘラヘラとした表情は消え、真剣な眼差しを向けられる。
黄色い彼も何かを悟った顔をしているが、何故か分からない「衝動」に欲が出る。
「…でも行きたい」
「俺もコンちゃんに賛成」
青い彼が手を挙げる。
「何も、無計画に何処か分からない場所に突っ込んで行くことは無いでしょ」
「…でも」
「ほら、みどり君もそう思うよn」
青い彼が振り返り言い放とうとした瞬間、彼の目の前を綺麗な茶髪が過ぎ去って行く。
「…みどり?」
先の茶色が真っ暗な闇に包まれた廊下へと進んで行く。
「待て…みどり!おい!」
青い彼が珍しく感情的な声を出す。
が、そんなこと他の3人が気にすることは無かった。
スタスタと進んで行く緑色の背を追う青色。
「仲間の為なら何にでもなる」
それが、他の誰かが弱った時に使う彼の口癖だった。
「待て…待てってみどり…!」
進むたびに交互に振られる腕をやっとの思いで掴む。
それと同時に目の前の体がピタリと止まる。
「どしたの……シャレになんないから、っマジでそういう冗談ほんと、やめてくんない?w」
彼の背中を追うことに精一杯で気が付かなかったが、自分が小走りになっていたことで息が上がっているのに今気がつく。
つまり、彼はいつもよりも速いスピードで廊下を歩いていたことになる。
「……ら、だお……?」
後ろを振り返った彼の瞳を見る青。
その表情を見た瞬間、青色の瞳が見開かれる。
「…みどり……?」
進んで行った2人の背中を後に、3人は後ろから付いて行くしかなかった。
「アイツらを置いていく訳にもいかんし…」
「だから帰ろうって言ったじゃん…」
「そんなことは言われてないがなぁ!?w」
「まぁまぁ…」
喧嘩しそうになる2人を宥める赤色。
そんなことをしているも足を進めて行くと、3人が廊下の先で青色を見つける。
「らっだぁ!」
小走りで駆け寄る3人を目前に、彼はゆっくりと3人の方へと振り返る。
その表情を見た瞬間、彼ら3人は目を見開く。
「み……んな………」
普段、感情をあまり表に出さない彼が…
泣いていた。
コメント
2件
な、何があったんだ…?rdは泣いてるし…嫌な予感がさらに募っていくぜ…( . .)
みどりくんんんんん!?!??!!どうした?!何があった!?洗脳か?!らっだぁが泣くって何したんだよみどりくんんんんんんんん!!!!!!!()