「ど、どうした…?大丈夫か?」
泣いている時の対処なんて、普段からおふざけで罵倒を繰り広げている彼らは知らなかった。
「取りあえず、何があったか話せる…?」
素早く背後に回り、背中をゆっくりと撫でながら話す赤毛の彼の迅速な対応に、おお…と感嘆をこぼすも動きもしない紫色の彼。
「……みど、りが…みどりが…」
啜り泣く彼の顔が次第に青ざめていく。
髪の毛の色には到底及ばないが、青ざめていく彼の顔に3人の心が冷えていった。
「…で、そのみどりいろは?」
冷静を取り戻した黄色い彼が問う。
いつも強がりな彼の事だから感情を出している今は1人にして欲しいだろう。
だが、今はそんな事を言っている場合ではない。
「…あっ、ち……」
鼻水の詰まる声が指す方向に、2色が暗闇へと走って行く。
「らっだぁ…、大丈夫?」
背中を摩り続けてくれていた赤毛の彼が、下を向く青色の顔を覗き込む。
泣いたせいで瞳が腫れた彼は、情けない顔を晒したくないのか顔をそっぽに向けた。
「…僕らもみどり君の所に行こう。立てる?」
フローリングに座り込んだ腰を持ち上げ、先に走って行った2人の背中を追うように突き進む。
誰かが隣にいてくれるだけで安心する青色とは違い、緑色の彼は今でも1人で進んでいる。
「…みどりを助ける」
腫れた瞳を真っ直ぐに彼を飲み込んだ暗闇をじっと見つめる。
横にいた赤毛の彼の張り詰めていた顔が、少し和らいだ気がした。
「そうだね」
青い彼が指した方向に走って行ったは良いものの目的の背中が見える気配がない。
それに加え、完璧な一方通行という不安を募らせるばかりのそれに精神までもが食われていくようで気持ちが悪かった。
「コンちゃん、大丈夫か…?」
「なんとかね…!」
美術部の彼は走ることに長けていない。
反対に、俺は陸上部に入っているので体力には自信があるが精神が先にやられそうだった。
「これ、一体どこまで続いてるんや…w」
先の見えない暗闇を、黄色い瞳が見つめる。
青い彼の目の前に彼らが探していた人物が現れる。
「み、どり…」
「ラダオ、レウ〜ン」
「みどり君、その目っ…」
赤毛の彼が驚くのも無理はない。
普段は黄緑色の綺麗な瞳が、今では赤く、何かに取り憑かれたように染まっていたからだった。
「…あぁ、これ…やっぱり出るんだ」
「みどりを返せ…」
青色の彼が「ニセモノ」を睨む。
緑色の彼の「器」は、今では中身のない「空っぽ」の状態になっているのだ。
「返せ…?」
彼の背後から白いものが出る。
「コイツの持ち主は…」
死んだよ
コメント
7件
みどりくんがどうなるのかもワクワクだけどきょーさんとコンチャンがどうなるかも楽しみ過ぎてもう眠れな((スヤァ…
死んだ?!死んだってなに?!(?)あの一瞬で?!なにがあった!?!?
なんかドキドキするし、次が気になるからワクワクするから感情がごちゃまぜになってる……(´-` ) 見てて楽しい😊