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___あぁ腹が立つ。そんな愛おしそうな顔で抱くなよ。
あんたはナルシストで胡散臭くてそれで…
「…大丈夫。僕がついてるから」
それであんたは、俺の上司だろ…?
「あー休み最高」
俺は上田《かんだ》一端の社会人である。大学を出て意気揚々と社会という荒波に飛び込んだはいいものの、上司に叱られるわ、上司にいじられるわ、上司に奢らされるわ…って上司のことばっかじゃねーか。
やめだやめだ。せっかくの休日嫌いな上司のことなんて考えたくない。
スマホの通知が鳴る
(遊びいかね?)
友達の田中からだ。社交的で少しふざけた奴ではあるが悪い奴ではない。俺は「行く」と返信した。
田中「おっ!!上田!こっちこっち!!」
白色のトレーナーパーカーに身を包み、犬の尾の如く勢いよく腕を振っている。と、横にいた男性に気がついた。黒色のスーツがよく似合っている。
上田「お待たせ。そちらの方は…?」
田中「この人は俺の友達の臼井さん!」
臼井「初めまして、臼井と申します」
深々とお辞儀をされる。田中は臼井さんとどうやって知り合ったんだ。
田中「実は今日は臼井さんがお店に連れてってくれるって!!」
ん?お店?
上田「お店とは…?」
田中「言わせんなよ、ソウイウお店だよ」
マジか。先ほどふざけた奴だと紹介したが、もしかしたら頭のネジが何本かぶっ飛んでるかもしれない。
しかしここまできた手前、帰るわけにも行かず俺は言われるがままお店へと向かった。
臼井「歩かせてすまなかったね、ここがお店だ」
…お店ってゲイバーかよ
臼井「田中はこれから私と飲もうか」
田中「マジっすか!さすが臼井さん!」
どんまい田中。
俺はさっさと帰るとしよう。
男「きみ新規さん?よかったら俺たちと呑まない?」
どうやら今日はついていない日らしい。チャラそうな男たちに捕まってしまった。
上田「ははは、違いますよー」
そう言わずに、というように腕を回される。不快だ。
?「あれ、上田じゃん。なんでいんの?」
その声聞き慣れた声の方に顔を向ける。上司だ。あの奢らせてくる佐藤上司だ。
佐藤「きみたち、彼俺のだから。手出さないで?」
そういうと、俺の肩に手を置き男から遠ざけるように自分の方に抱き寄せる。
顔は笑っているが声色は笑っていない。
男「冗談だろ本気にするなよ」
捨て台詞を言いながら男たちは足早にさって行った。
佐藤「さて、なんでここにいるのかな?」
本当に今日はついてない。