テラーノベル
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休日の午後。カーテンを閉め切った薄暗いリビングで、俺と星導は並んでソファに座っていた。テレビでは星導がつけた古い映画が流れているが、内容は一切頭に入ってこない。
「…..星導、さっきから距離近くない?」
俺の困惑じりの声に、星導は「そうですか?」と短く返した。
彼は俺の肩に、流れるような動作で頭を預けてくる。ふわりと、柔軟剤とも違う、彼特有の少し冷たくて甘い香りが鼻腔をくすぐった。
「俺さんの隣、なんだか落ち着くんですよね。」
そういたずらっぽく言って見上げてくる星導の瞳は、潤んでいて、どこか湿り気を帯びている。
ニットの上からの体のライン、細い指先。
その佇まいは、危うい色気を放っていた。
「…..そんな風に見るの、やめてくれよ」
俺はヘタレた声を出しながら、わずかに体を引こうとした。
だが、星導の手がするりと俺の背中に回り、服の上からゆっくりと体を這う。
「逃げるんですか?酷いですね〜。……ねえ、今の俺さんの鼓動、すごく速いですよ。」
「それは……」
否定したかった。でも、彼に真っ直ぐ見つめられると、蛇に睨まれた蛙のように体が動かない。
星導の指先が、今度は俺の頬に触れた。ひんやりとしているはずなのに、触れられた場所から火がついたように熱くなっていく。
「いいですよ、無理に強がらなくて。貴方のそういう弱いとこ、嫌いじゃないです」
星導がふふ、と喉の奥で妖しく笑う。
彼はそのまま俺の膝に手を置き、ゆっくりと体重をかけてきた。
平凡な日常の境界線が、彼の吐息ひとつで簡単に崩れていく。
「…..ねえ。映画、もう終わりますよ。次は…..何して遊びます?」
星導の声が耳元を掠め、俺の理性が薄氷のように軋む。
潤んだ瞳に映る自分の顔が、あまりにも情けなくて。
それ以上に、彼に誘われるまま堕ちていきたいと思っている自分に、俺はもう抗えそうになかった。
いつだってそうだ。星導は、俺がヘタレで、押しに弱くて、星導に惹かれて仕方ないことを全部わかった上で、楽しそうに追い詰めてくる。
(…….このまま流されるのは、癪だな)
いつもなら、顔を真っ赤にして視線を逸らすだけ。でも、俺にだって男としてのプライドはある。
そんな時、膝に乗せられた星導の手、その細い指先がわずかに震えているのに気づいてしまった。
「……星導」
「何です?」
余裕たっぷりな笑みを浮かべる彼の手首を、俺は衝動的に掴んだ。
グイツ、と自分の方へ引き寄せる。
「わっ……」
予想外の力に、星導の体が俺の胸元に倒れ込ん
だ。
さっきまでの余裕が崩され、彼の瞳に微かな驚きが走る。
「……遊ぶって言ったよな。じゃあ、俺の番でもいいよな」
「…..へえ。俺さんにしては、勇気を出したんじゃないですか?」
強気な言葉とは裏腹に、星導さんの頬が、ほんのりと朱に染まっていく。
俺はヘタレなりに、震える指先で彼の顎をくい、と持ち上げた。
「ここまでさせたのは星導だからな。……責任、とってくれよ」
至近距離で見つめ合う。
星導の、しっとりとした色気が、踏み込まれた隙によって増している。
彼は観念したようにふっと目を細め、俺の首筋に腕を回した。
「…..ふふ、いいですよ。俺さんの勇気に、免じてあげましょう。」
そう囁く彼の声は、さっきよりもずっと甘く、そしてどこか嬉しそうだった。
ソファの上で、俺は星導の細い手首を掴んだまま、逃げ場を塞ぐように覆い被さった。
心臓がうるさすぎて、自分の声すら遠く感じる。
「…..本気、だからな。後で『からかっただけ』なんて言っても、知らないからな」
俺の情けないくらい震える声に、星導は艶然と微笑んだ。
その瞳は、獲物を待つ蜘蛛のようでもあり、迷子を導く慈母のようでもある。
「ふふ……構いませんよ。俺さんのその、必死な顔。ずっと見てみたかったんですよね。」
星導は服の裾を胸元まで持ち上げる。
露わになった肌に、俺は息を呑んだ。完成された美しさと危うさがそこにある。
星導はまるで「おいで」と言うようにこちらに手を伸ばし言った。
「……ほら、俺さん。貴方が、俺にどんなことしてくれるのか……教えてくださいよ」
その甘い挑発が最後の一線だった。俺は、縋り付くように彼の唇を塞いだ。
【終】
数時間後。
カーテンの隙間から差し込む月光が、乱れたベッドの上を淡く照らしている。
二人とも力なく横たわり、まだ荒い呼気を整えていた。
やり遂げた達成感よりも、「本当にあの星導ショウを抱いてしまった」という現実味のない高揚感と愛おしさが混ざり合っている。
「……あー、俺、本当に……」
「……何を今さら。あんなに余裕がなかったくせに」
隣でシーツを胸元まで引き上げた星導が、ふふと喉を鳴らして笑った。
その肌には、俺がつけた淡い赤がいくつか浮かんでいる。
彼は気だるげに寝返りを打ち、俺の腕の中に潜り込んできた。
「ねえ、俺さん。貴方の体温、さっきよりずっと高いですよ」
星導さんが俺の胸元を指先でつつく。その仕草は、どこか甘やかで、独占欲を孕んでいた。
「…..こんな俺で、満足できたか?」
俺が自虐気味に尋ねると、星導さんは少しだけ顔を上げ、俺の頬に柔らかなキスを落とした。
「満足?……まさか。貴方はまだ、スタート地点に立っただけですよ。これからもずっと俺が、たっぷり可愛がってあげますから」
そう言って微笑む彼の顔は、まさに魔性であり、どこか可愛らしさも感じられる。
俺にはそれがこの世で一番綺麗なものに見えた。
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誰か、、他の🐙右カプと同じような感じでいいから(よくない)俺×🐙のR-18を、、、書いてくれ、、、 Geminiくんだと規約があるから書けねぇんだ、、、 俺るべ供給が欲しい、、、欲しいです先生